フリーターの頃、立ってるだけで楽そうという理由で施設警備員のバイトをやった事があります。
求人広告でも60歳くらいまで募集してるし、就活に自信がない自分でも採用されるだろうという、後ろ向きの理由で志望しました。
確かに採用されましたが、想像もしていなかったくらいキツい仕事でした。
わたしと同じように自信喪失から施設警備員を選ぶ人が、辛い目に合わないよう実際の仕事内容を書いています。
※あくまで個人の経験による感想です
業務内容を飛ばして、人と会わない仕事を考えている人は
↑この章から読んでください。
施設警備員のバイトって何するの?
警備員のバイトは求人誌の『高収入』のカテゴリーにあり、目を引かれました。
勤務時間が長くて実質的な時給は安いのですが、わたしは12,000円しか目に入らず、応募しました。
警備員になるには前科がないか問われますが、ハードルは低いため簡単に採用されました。
就職率が最低の頃でしたが、警備員のアルバイトは常に募集がありました。
その理由はバイトがキツいからで、施設警備は1勤務が24時間で、朝10時~翌朝10時まででした。
しかも休憩・仮眠のはずの時間にも対応が発生するので、求人誌の実働時間と実際はまったく違っていました。
爆音の電話に起こされて、巡回に出発
勤務中は数時間おきに見回りがあるので、仮眠の時間でも2~3時間ごとに起きなければなりません。
目覚まし時計だけでなく、警備会社からの定時連絡の電話も掛かってきます。
これが普通の電話ではなく、着信があると大型スピーカーから爆音のサイレンが鳴り響きます。
夜中に寝入って小一時間くらいで爆音がなると、何が起こったのかわからない状態で起きる事になります。
毎回、起きると心臓がバクバクしていました。
巡回に出発
起きたら制服に着替えて、巡回に出発します。
その時に、小さい箱を肩にかけて回ります。
この箱には小さい鍵穴があり、巡回ルートに設置されたカギを回して、巡回の証明を打刻していきます。
ちょっと、ロールプレイングゲームっぽいです。
夜中の巡回で、心霊とかは一度も見ませんでした。
何度も起こされるのが一番キツい
研修施設の施設警備では、研修生の寮が併設されています。
門限が決まっていますが、必ず遅れて仮眠中の夜中1時とか3時とかに帰ってきます。
巡回の間の短い時間に仮眠をしますが、こういう研修者の対応があると、仮眠して20分でノックされて起こされる事もあります。
終わると再び着替えて仮眠ですが、まだ来るかもしれないと思うと気が休まりません。
仮眠時間は休憩として設定されていますが、途中で起こされても手当はつきません。
だから実質、時給650円くらいだと思います。
安くて辛いバイトです。
日中の警備業務
警備員には、待機や寝るための部屋が用意されています。
待機と言っても窓から外を見ていなければならないので、ずっと席についている必要があります。
これがかなり退屈ですが、わたしは外を視界に入れつつも、そっと文庫本を読んでいました。
朝と夕方には小屋の外に出て、出退勤の職員に挨拶をします。
早朝の掃き掃除も業務に含まれていました。
報告業務
24時間勤務の翌朝、勤務交代が近づく頃に日報を書き上げます。
交代の警備員が来たら、施設側の担当職員に報告にいきます。
毎日、この繰り返しのループです。
時間が過ぎるのをひたすら待つ仕事です。
毎日時間が過ぎるだけで、経験値が上がらないのも警備員を辞めた理由の一因です。
ただ時間が過ぎるのを待つ仕事は、苦痛が多く給与が上がりにくいです。
交通誘導とどっちがキツい?
どっちもやった事がありますが、精神的にキツいのが施設警備員で、肉体的にキツいのが交通誘導のバイトです。
絡まれる確率は交通誘導の方が高いです。
結論としては、どっちも二度とやりたくないです。
警備員といより守衛
私が派遣されていたのは、研修施設です。
資格や研修にありがちな、天下りがいるような施設です。
敷地内に小学校の校舎みたいなものと、それより少し小さい別棟がありました。
研修者は数日間で入れ替わり、その度に受付が業務としてありました。
警備というよりも守衛といった方がイメージが近いです。
人に会いたくないから施設警備を選ぶ
内向的な人は自信を失うと、人と接する仕事をしたくなくなります。
職場で嫌な人に接していると、もう二度と人と関わる仕事がしたくないと思って、人と会わない仕事を探します。
そういう理由で施設警備員のバイトを志望した人もいるのではないでしょうか?
警備業の中でも商業施設など接客がありそうな所は避けて、夜勤を好んでやると思います。
しかし、低い方に流れて行って選んだ仕事には、必ず嫌な人間がいます。
嫌な人間というのは一般社会でつまはじきにされるので、低いところにしか居られません。
わたしの経験でもそうでした。
警備員は意外と人と接する
施設警備は警備先がクライアントで、嫌な人間の方が立場が上だったりします。
弱い立場でそういう人間に接すると、回避する術がありません。
わたしは施設側の50代後半くらいの女性にひどく嫌われていました。
その女性のミスを、事実通り報告書に記入したのがキッカケでした。
警備員の仕事でそのあたりをごまかしたら存在意義がないので、仕方のない選択です。
それ以降、接点がある度に不機嫌な対応をされるようになりました。
会うたびに嫌な思いをさせられて、人と会うことが嫌になってしまいました。
人と接したくなくて警備員を選ぶ人は、人が苦手なのではなくて理不尽な人が苦手なのではないでしょうか?
わたしは理不尽な扱いに対する不満をモチベーションにして、転職活動をしました。
警備のバイトを辞めて何社か転職を繰り返した結果▼
人と会わない仕事でも稼げる
わたしは人と関わるのが疲れて施設警備員をしましたが、全く違っていたので方向性を変えました。
わたしはが選んだのはITでしたが、別にどの仕事であっても自身にあったものなら、楽にこなせると思います。
わたしは資格さえとらずにやりましたが、適職だったので年収が上がっていきました。
プログラミングの勉強をして転職をした結果、30代で年収1000万円を超えるようになり、40代で早期リタイアできる資産が貯まりました。
人と関わりたくないと思える人は、一人で考える事に慣れていると思うので、その才能をお金に換える事を考えてみてください。
ITの仕事に就かなくてもプログラミングの思考で、仕事を効率化して給料を上げる事ができます。
特別な才能は必要なく、ただ一人で考えるのが苦痛でなければできます。
施設警備の同僚は70歳
私の担当した施設には、ローテーションで他に3・4人入っていました。
全員が私より年上で、中には70歳くらいの人もいました。
実際に仕事を経験した身から言えるのは、20代前半でこの仕事をやるのは場違いという事です。
これからの仕事に活きるスキルは、なかったように思います。
退職を伝えた時に同僚たちは
「ここでくすぶっているより良い」
と言ってきました。
色々な仕事・状況を経て、施設警備のバイトになった人たちの言葉です。
重要なインフラ施設とか、接客業に近い商業施設の警備とも違うし、くすぶっているという表現が合っています。
若い頃の仕事は、単にお金を稼ぐだけではありません。
先の人生が長いので、そこでやっていける経験値を積んでいける仕事を選んだ方が良いです。
施設警備のバイト自体を軽んじているわけではありません。
70代の人でも採用される職場を、若く選択肢のある内に入ってしまうと、その先の選択肢が狭まってしまいます。
未経験の仕事に挑戦して、失敗したら警備員に戻る方法もあります。