底辺バイトは仕事を教えてくれない

アルバイトについて

 

経済力をつけて、わたしは40代で早期リタイアをして社会人すごろくを上がったんですが、半生を振り返って難易度が高かったのが底辺バイトの頃です。

 

会社勤めの後半では、業務設計とかいろいろな基準を作ったりとか、仕事を作る仕事のような事をしました。

 

その経験を持って底辺バイトの頃に戻っても、上手く出来る気がしないです。

今、キツいバイトをしている方に言いたいのは、多分それが人生で一番難しい仕事だという事です。

 

その山を越えると、後は何でもない平野が続きます。

 

底辺バイトは、何も教えてくれない

 

底辺バイトの特徴は、仕事を教える能力を持った人がいない事です。

 

バイトのライフサイクルが短い仕事だと、5日も居れば新人に教える側になります。

ですが、人に教える能力があるような人は、すぐに割が合わないバイトだと悟って他に移ります。

 

結果、人に説明する知恵の無い原始人ばかりが残り、新人バイトはワケのわからない事をさせられます。

 

社会経験を積んだ人ならわかると思いますが、人に指示を出すのって相手の目線に立つ必要がありますよね。

 

けど原始的な人って自分視点しか持っていないから、自分が知っている事は新人も知っている前提なので、仕事の手順を教えてくれません。

 

当時わたしは先輩バイトの能力を測定する基準を持っていなかったので、出来ない自分が悪いのかと思っていました。

 

原始人は教えるのが苦手

 

フリーターの頃、夜~翌朝まで宅配便の流通センターで、荷物の仕分けのバイトをしました。

 

体力的に辛いのですが、仕事を教えてくれるはずの先輩が原始人みたいな人だったので、そっちの方も大変でした。

 

荷物を住所の区ごと(何区と何区はココ)に分けて床に置く作業の時、変な説明を受けました。

 

正解のパターンを教えてくれず、間違いのパターンのみ教えられました。

 

まず、『壁に貼ってある住所と置き場所の対応表は違うからっ』と言われました。

(じゃあ何で貼ってあるの?)

 

次に床にガムテープが貼ってあって、そこにマジックで住所の区が書いてありますが、『この住所は古いやつだからっ(やや切れ)』

(じゃあ何の為に貼ってあるの?)

 

ミスリードになるものをなぜ放置しているのかわからないですが、底辺バイトではオーパーツ(そこにあるはずのない物)がよくあります。

 

 

怒る事を目的にしている

 

仕事の正解が示されないまま、作業を開始させられました。

 

床にはいくつか先に仕分けされた荷物が置かれていて、それに合わせる事で仕分けができます。

仕分けできると言っても、当時の荷物の宛名はボールペンで書いているので、読みにくいものもあるので時間がかかりました。

 

そこにない初めての住所の荷物が来ると、途端にフリーズします。

原始人は少し離れた場所で作業していて、どこに置くのか聞きにいきにくいです。

 

なので壁の紙と床のガムテープは違うと言われましたが、この二つを組み合わせてヒントがないかと考えました。

 

やっぱり規則性が見えないので悩んでいると、原始人がやってきて

 

『あの壁の紙は違うからっ!』

と言って、わたしの手から荷物を奪い取って、乱暴に床に置いて去っていきます。

 

正解の形を教えないので、新しい住所の荷物が来るたびに作業が止まり、原始人は

 

『あの壁の紙は違うからっ!』

を繰り返すだけで、怒る事を目的にしているかと思いました。

 

正解の紙を一回書いてくれれば、後は自然と仕事が回るのに。

 

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他の人も同じ経験をしていた

 

あるお笑い芸人が売れない時代、求人広告の

 

『日払い・1万以上・簡単作業』

に釣られて、仕分けのバイトをしたそうです。

 

バイトの先輩が何も教えてくれなくて、しかも先輩の作業が雑で、荷物を放り投げて置くのだそうです。

 

お笑い芸人が投げずに普通に置いていると

 

「ちんたらやったら、溜まんだよ!」

と、オールバックのバイトリーダーがキレるそうです。

 

わたしと同じように荷物の置き場を教えられていないので、間違えるとそのバイトリーダーがやってきて、箱を蹴飛ばし

 

「おめぇコレ何なんだよ! 俺がドライバーさんに怒られんだぞっ!」

と怒鳴るのだとか。

 

それで、わたしと同じ一日でバイトを辞めたそうです。

わたしとの違いは、その芸人はスゴんでバイトリーダーを黙らせたことです。

 

このエピソードを聞いて、わたしと全く違う人が同じ経験をしたということは、底辺バイトという理不尽な世界の存在を確信しました。

 

日本社会には、人間バイトが原始人に支配されている世界が存在します。

 

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底辺バイトの世界

 

前述したとおり、底辺バイトの世界は教える能力がある人材が枯渇しています。

 

ですが稀に、教えることが出来る人がいて、それで何とか回っています。

仕分けでわたしについた原始人の先輩は、上の人に人間の言葉で指示をされていました。

 

休憩時に上の人がわたしにも声をかけてくれましたが、その時に

 

 

「原始人が何を言ってるのかわかりません」

と訴えればよかったのですが、新人バイトは不満を言わないのが美徳と思って黙っていました。

 

 

仕事は自分で探せと言う人

 

『ゆとり世代』とか、新社会人をけなす言葉が発表されますが、当時は『指示待ち人間』というのがありました。

 

指示がないと動けない、デクノボウの意味です。

こういう言葉をどこが作るのかわからないんですが、流行語大賞を決めているような、ピントがズレた大人が発表している気がします。

 

そういう大人ってパソコンを使えないのを逆ギレで乗り切って、自分たちの非を一切認めない理不尽さがあります。

 

基本いじわるな精神性で、そういうのが仕事を教えないで新人をいたぶり、わからないから動けない人を『指示待ち人間』とけなしました。

 

せめて最初のアルファベットは教えてくれないと英語の勉強が進まないように、仕事も基本を教えてもらえないとできません。

 

権力を持たされると、暴君になる

 

バイトの中で社員にバイトリーダーにされると、テンションがおかしくなって暴君みたいになる人が居ます。

 

イライラ・カリカリするのがリーダーの役目だと思っているのか、何でも叱りつけていました。

リゾートホテルのバイトで、社員に何気なくリーダーに決められたバイトが、アドレナリン注射されたみたいにバキバキになってしまいました。

 

なんだろう。テンションが煽り運転する奴みたいなので、煽りバイトとでも言うのでしょうか?

仲居さんは現地のパートさんが多いのですが、何でも叱り飛ばすので、仲居さんが物を言いやすい顔のわたしの所にきて、不満を言っていきました。

 

その日のリーダーは同僚バイト達にも嫌がられて、一日でリーダーを外されました。

このように底辺バイトは、不安定な精神の人が入り込んでいます。

 

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とてつもなく意地悪

 

交通誘導のバイトで、新人に不満をぶつける古株がいました。

 

その動機が、自分の人生の上手くいかなさ加減を解消したいかのように、無限の粘着質を感じました。

 

深夜勤の休憩時間中に、路地裏で50代くらいのおじさんバイトにずっと嫌味を言われ続けました。

 

その顔が魚眼レンズから覗いたような、嫌な顔をしていたので思わず反論したら

 

「現場監督がお前に対するを言ってた」

というウソを言い始めました。

 

ウソって前後の話の辻褄を合わせる必要があるから、論理性が必要なんですよね。

咄嗟に出るウソのレベルの低さに、そのおじさんの論理性の無さが出ていました。

 

おじさんがどういう道を辿ってきたか、何となくわかりました。

 

春休みのバイトにて

 

春休み期間中に、オフィス家具の搬入のバイトをした時の事です。

 

オフィスや寮にスチールデスク等を運んで組み立てるバイトで、多いと数十人のバイトが作業をします。

今なら日雇い派遣が請け負う事が多いと思います。

 

バイトには学生や出稼ぎの人が多く、社員はあまりいませんでした。

誰がバイトで誰が社員かわかりにくいのも、底辺バイトの特徴です。

 

イラだつバイトリーダー

 

何を運ぶかは決まっていますが、他は何も決めないままに作業が始まります。

 

どの部屋に何個運ぶとかはリーダーがメモを見ながら数えていますが、役割分担が明確ではないので、バイト達は右往左往します。

 

それを見てバイトリーダーが、溜息(やれやれ、仕事ができない奴らだ)をついたりイラだちます。

家具をある程度運んだら、運ぶ速度と組み立てる速度の違いを考えて、作業人員を振り分ければ合理的ですが、ただ全員でわちゃわちゃします。

 

どの現場でも毎回わちゃわちゃして、あちこちで中途半端な作業が行われます。

 

終わりが見えない仕事

 

オフィス家具運びで、どこのエリアから順にどういう作業フローでやるのか、5分くらいブリーフィングをすれば、全員が明確に作業ができたはずです。

 

けど底辺バイトはライブ感を重視したいのか、ぶっつけ本番です。

新人は皆、仕事を探してウロウロするので、ムラができて人員が一ヵ所に固まって停滞したりして、リーダーがぶち切れます。

 

バイト達にしても、ゴールが見えないほど疲れるものはありません。

 

全体像が不明なので、霧の中で迷いながら歩いているように

 

『あれ、ここさっき通ったじゃん』

みたいなことが、何度も起こって徒労感を覚えます。

 

底辺バイトから抜け出す方法

 

底辺バイトから抜け出すには、

 

『うっぷんを溜める』

ことです。

 

最後まで底辺バイトを抜けられない人は、うっぷんを新人にぶつけるから気が抜けて、抜け出す胆力がないのです。

 

よく、『お金がないから人に辛くあたる』とか言われますが、因果関係で考えると逆です。

嫌な人間性だと人に避けられ、人と一緒に移動するお金も回ってこないため、お金がなくなるのです。

 

だから彼らと逆の行動をすれば、這い上がることが出来ます。

 

 

背水の陣で臨む

 

『これより下がりようがない』

 

という底辺を経験すると、落ちる恐怖がなくなるので気持ちが楽になります。

排水の人を意識すると迷いがなくなり、這い上がることだけに意識を集中できます。

 

それまで失敗を続けた人は、選択肢があり過ぎてどれも中途半端になってしまったのではないでしょうか。

 

わたしは底辺まで落ちて、やる事が這い上がるだけになってから、仕事が上手くいくようになりました。

 

今現在が上手くいっていない人には、何かスイッチがあると思います。

そのスイッチが入った時に、それまでのうっぷんをエネルギーに変えて、底辺界を抜け出してください。

 

フリーターから就職した方法や、面接で無職期間をごまかした方法などは他のカテゴリーに書いているので、よければ読んでみてください。