

あまり人と接したくないとか、立っているだけで楽そうで施設警備員のバイトを選ぶ人が多いです。
わたしもそういう理由で選びましたが、実際はイメージと違って弱い立場であり、気苦労が多いものでした。
わたしと同じように自信喪失から施設警備員を選ぶ人が、辛い目に合わないよう実際の仕事内容を書いています。
業務内容を飛ばして、人と会わない仕事を考えている人は
↑この章から読んでください。
施設警備員のバイトを辞めた理由

警備員になるには、前科がないか問われました。
人畜無害なフリーターの私はすんなりと採用されました。
就職率が最低の頃でしたが、警備員のアルバイトは常に募集がありました。
この辺りは交通誘導のバイトと同じです。
交通誘導も警備会社のやっているもので、警備の一種です。
施設警備は1勤務が24時間で、朝10時~翌朝10時まででした。
爆音の電話に起こされて、巡回に出発
仮眠がありますが、数時間ごとの見回りがあるので2~3時間ごとに起きなければなりません。
警備会社から掛かってくる、定時連絡の電話で起こされます。
これがただの電話ではなく、電話に繋がれたスピーカーから爆音のサイレンが鳴り響きます。
夜中に寝入って小一時間くらいで爆音がなると、何が起こったのかわからない状態で起きる事になります。
眠れない拷問が一番キツいというのは、身をもって経験しました。
警備会社からの電話に出て、見回りに出発します。
この巡回の時に、小さい箱を肩にかけて回ります。
この箱には小さい鍵穴があり、巡回ルートに設置されたカギを回して、巡回の証明を打刻していきます。
ちょっと、ロールプレイングゲームっぽいです。
待機や寝るための部屋があります。
待機と言っても、窓から外を見ていなければならないので、テレビを見ながらというわけにはいきません。
朝と夕方に部屋の外に出て、出退勤の職員に挨拶をします。
勤務交代が近づく頃に日報を書き上げます。
交代の警備員が来たら、施設側の担当職員に警備の報告と、担当交代を伝えて終わります。
毎日、この繰り返しのループです。
時間が過ぎるのをひたすら待ちます。
時間が過ぎるだけで、経験値が上がらないのも警備員を辞めた理由の一因です。

時間が過ぎるのを待つ仕事は、苦痛が多く給与が上がりにくいです。
警備員といより守衛

私が派遣されていたのは、研修施設です。
資格や研修にありがちな、天下りがいるような施設です。
日本は中国に比べてワイロは少ないですが、合法的に既得権益者でお金を回す仕組みは多いように感じます。
この施設は、研修者が宿泊する部屋もついています。
この研修者は数日間で入れ替わり、その受付が業務としてありました。
警備というよりも守衛といった方がイメージが近いです。
受付の応対は、全国から100人くらい集まる人のチェックインをします。
ムダが多い研修なので、研修者もやる気のない人が多いです。
受付の時間を守らず、どこかで飲んだり遊んだりしてからやってきます。
これがバラバラと、夜中の1時や3時などにやってきます。
巡回の間の短い時間に仮眠をしますが、こういう研修者の対応があると、仮眠して20分でノックされて起こされる事もあります。
夜に寝入って20分で起こされるのを繰り返されると、かなりしんどいです。
毎回、遅れる研修者が多いので、どこの都道府県かの統計をとった事があります。
すると、いくつかの都道府県でルールを守らない割合が多い結果が出ました。
受付名簿を見て、ここの人が多いから、受付時間を守らない人が多いと予想していました。
地域性というのは、確かにありました。
このバイトで得たのは、その知識くらいです。
仮眠時間は休憩として設定されていますが、途中で起こされても手当はつきません。

報告業務
こんな天下り施設で事件など起こりようがないですが、報告の儀式は毎日あります。
勤務を終わらせた警備員と、交代の警備員が報告・挨拶に行きます。
「〇日の警備、以上ありませんでした」
「勤務に入ります」
的な事を、それらしい警備員用語で言います。
毎回、同じ事を言っていたはずですが、今は全く覚えていません。
それだけ、緊張感のない仕事をしていたのだと思います。
一番大きな事件は、トイレが汚く使われていたという事くらいです。
人に会いたくないから施設警備を選ぶ
内向的な人は自分に自信を失うと、人と接する仕事をしたくなくなります。
職場で嫌な人に接していた人は、もう二度と人と関わる仕事がしたくないと思って、人と会わない仕事を探します。
そうして探す仕事の上位に、施設警備がきます。
その中でも、商業施設など接客がありそうな所は避けて、夜勤を好んでやると思います。
しかし、低い方に流れて行って選んだ仕事には、必ず嫌な人間がいます。
嫌な人間というのは一般社会でつまはじきにされるので、低いところにしか居られません。
そういう人は他人に嫌な思いをさせる事で、自分を慰めます。
日本のテレビだとお金持ちが嫌な奴に描かれていますが、普通に仕事で稼ぐには人格的バランスが必要なので、高収入の人の方が嫌な人は少ないです。
逆に、給料の安い場所にはひどく意地の悪い人が多いです。
施設警備は、警備先がクライアントの事もあり、嫌な人間の方が立場が上だったりします。
弱い立場でそういう人間に接すると、回避する術がありません。
人と会わない仕事でも稼げる
人と関わるのが疲れて施設警備員をしましたが、全く違っていたので方向性を変えました。
わたしはたまたまITでしたが、どの仕事でも自身にあったものなら、資格を取らなくても稼げます。
プログラミングの勉強をして転職をした結果、30代で年収1000万円を超えるようになり、40代で早期リタイアできる資産が貯まりました。
人と関わりたくないと思える人は、一人で考える事に慣れていると思うので、その才能をお金に換える事ができます。
ITの仕事に就かなくてもプログラミングの思考で、仕事を効率化して給料を上げる事ができます。
特別な才能は必要なく、ただ一人で考えるのが苦痛でなければできます。
警備員でも人と接する事はある
施設の職員との接点があります。
その中で、50代後半くらいの女性にひどく嫌われていました。
その女性のミスを、起こった事を事実通り報告書に記入したのがキッカケでした。
以降、接点がある度に不機嫌な対応をされるようになりました。
警備員にとって施設側がクライアントで、そこの職員は顧客です。
同僚ではないので、注意もできないし関係値も変わりません。
このあたりの理不尽さが、後の転職で努力をする原動力になりました。
人と接したくなくて警備員を選ぶ人は、人が苦手なのではなくて理不尽な人が苦手なのかも知れません。
わたしの場合、後の仕事で多くの人と接する事になりましたが、自分が得意な仕事という事もあり、苦になりませんでした。
理不尽な人がいたら、排除できる選択肢を持っていました。
警備のバイトを辞めて何社か転職を繰り返した結果▼
施設警備の同僚は70歳

私の担当した施設には、ローテーションで他に3・4人入っていました。
全員が私より年上で、中には70歳くらいの人もいました。
実際に仕事を経験した身から言えるのは、20代前半でこの仕事をやるのは場違いという事です。
これからの仕事に活きるスキルは、なかったように思います。
退職を伝えた時に同僚たちは
「ここでくすぶっているより良い」
と言ってきました。
色々な仕事・状況を経て、施設警備のバイトになった人たちの言葉です。
重要なインフラ施設とか、接客業に近い商業施設の警備とも違うし、くすぶっているという表現が合っています。
若い頃の仕事は、単にお金を稼ぐだけではありません。
先の人生が長いので、そこでやっていける経験値を積んでいける仕事を選んだ方が良いです。
施設警備のバイト自体を軽んじているわけではありません。
70代の人でも採用される職場を、若く選択肢のある内に入ってしまうと、その先の選択肢が狭まってしまいます。

未経験の仕事に挑戦して、失敗したら警備員に戻る方法もあります。