心の病気とか説明されても、漠然としていてよくわかりません。
うつ病というと、
・やる気がおきない
・食欲がない
という症状が説明されますが、これだと誰もが日常に起こる、気持ちの波と変わりません。
うつ病は人間が追い詰められた時にみせる防衛反応で、心ではなく脳が脅威に反応している状態です。
大昔、人間が肉食動物に追いつめられて、ほら穴に隠れて脅威が去るのを待つ状態が、うつです。
うつの事を明確に知っておき、症状が出たら急いで反対方向に進むのが、深刻化を避ける方法です。
うつ病は防衛反応
大昔からの危機回避の機能が、現代まで遺伝で引き継がれています。
うつは気分の問題ではなく、脳が持久戦に入った状態です。
肉食動物は獲物が穴に隠れても、周りをウロウロして、出てくるのを待っています。
人類の祖先も肉食動物に追われて、薄暗い洞穴に隠れていました。
そこでは身体の機能を最低限まで落としてカロリーの消費を抑え、知覚だけを鋭敏にして肉食獣の脅威に備えなくてはなりません。
うつと睡眠不足
うつになる人の導入は、睡眠不足から始まります。
不安で眠れないとか残業・早出で物理的に眠らせてもらえないとか、どちらにせよ睡眠不足が続くのがキッカケです。
仕事に追われた状態は、動物に追いつめられた状態に似ています。
大昔の肉食獣=解決しない仕事
脳は常に緊張状態を強いられて、警戒する情報ばかりが流れます。
脳のネガティブな回路が強化される
複雑なマニュアル車の運転でも、毎日のようにやっていると無意識にギアを変えられるようになります。
脳は同じ情報が流れると、その回路が強化されます。
解決できない仕事に支配されると毎日のようにネガティブな回路が使われて、太くなってしまいます。
そうなるとどんな情報に接してもネガティブな回路が使われやすくなるため、悲観以外の感情が出なくなります。
肉食獣が脅威の対象の場合、わずかな物音でも警戒する事で生き延びる確率が上がります。
現代の問題に対してもうつの脳は同じような反応をしてしまいます。
わずかな不安材料を増幅し、生きるか死ぬかの恐怖の感情を引き起こします。
こうなる前にうつの症状が出始めたら、すぐにその場を脱出する事で症状の深刻化を防げます。
しかし責任感で逃げない人が深みにはまってしまい、うつになりやすいです。
明確な悪夢を見る
ネガティブな回路は睡眠時にも影響します。
悪夢を見て、まるで実際に起こった事のように体が反応します。
脳は記憶の整理のために睡眠時に夢を見ると言われています。
その記憶の中からも不安な要素を増幅させ、リアルな悪夢をみせられます。
眠っても悪夢ですぐに目を覚ますというのを繰り返します。
夢で目を覚ますというより、ショック状態です。
警戒心と不安感
警戒と不安以外の感情はなく、面白いコンテンツを観ても何も感じなくなります。
脅威にさらされた状態なので、当然の反応です。
だから気分転換に陽気な映画や音楽を聴いても、さほどの効果はありません。
ちなみに音楽でストレス解消する時は悲しい気分なら悲しい音楽を聴いて、感情を吐き出すとスッキリします。
身体的な症状
大昔の危機的な状況下では、空腹を覚えても食料が無かった事が推察されます。
だからうつになると食欲がなくなり、空腹感を覚えなくなります。
お腹が鳴ったとしてもお腹が減ったとは感じず、義務でないと食べる事ができません。
食べる作業が苦痛なのであまり量が食べられません。
チョコのように小さくてカロリーのあるものだと、まだ食べやすいです。
末端が震える
身体の機能を制限するため、血液の供給が抑えられます。
特に手が震えるような感覚を覚えます。
寝不足が続いて手が震えるような気がしたら、うつ病の入り口です。
胸やお腹のあたりをかばう
不安な状態の時には、重要な臓器を守ろうとします。
無意識の内に体を丸めたり、胸やお腹に手を当てたりします。
末端の震えが胸の動悸まですすんだら、うつはエスカレートしています。
恐怖感の症状が、末端から体の中心に広がります。
全身が恐怖心に覆われるような感覚です。
ワニがいる沼に、首まで浸かって一晩を過ごしているような感じです。
うつ病の薬とは
様々な種類の薬があるし、個々の人によっても違うので、あくまで一例です。
不安に対抗する脳内物質が、減らないようにする薬のケースです。
人によって様々ですが、飲み始めて数日で効果が出始めます。
その薬では悪夢を見たのに首から下だけがビッショリと汗をかいたのに、頭は冷静なままでした。
首の部分で身体の情報がブロック塀にぶつかるように止まる、衝撃のようなものを感じます。
このケースでは体質的に薬は合わないとして、やめてしまいました。
うつになった時とは逆の事をする
肉食獣に追われて洞穴に逃げ込んだ状態がうつなら、その逆のことをします。
うつと太陽光には関連性があって、日光の照射量が少ない冬は冬季うつというのがあるほどです。
だからなるべく太陽に当たるようにします。
部屋を出る気力がなければ、窓から青空を見るだけでもいいでしょう。
外出しても、最初はベンチに座っているのが精いっぱいでしょう。
徐々に広い芝生の上で散歩をして、脳に安全な状態だと認識させます。
太陽を浴びて広い場所を歩き、身体で安全な状況を体感して脳にインプットします。
散歩やジョギングなどをして物理的に身体を疲れさせて、眠れるようにしていきます。
暖かい恰好をする
うつ状態の時は、末端の血管が収縮するような感覚があります。
うつでなくても寒い時には欠陥が収縮するので、これもあって冬季うつになりやすい可能性があります。
なので暖かい恰好をするという、単純な方法も効果があると思います。
症状の軽減
脅威から遠ざかった日々を送る内に、徐々に症状が軽減していきます。
しかし車の運転を忘れないのと同じように、キッカケさえあれば脳のネガティブな回路を最優先してしまいます。
うつは病気というよりも、脳にクセがつくようなものです。
完全に治癒する例もあるみたいですが、クセというのは意識しないと出てしまうものです。
一度うつになったら、以降はうつの兆候に注意しなければなりません。
深くものを考える
うつを好意的に捉えると、ネガティブな回路の強化があります。
うつの最悪期には身体機能の維持しかできませんが、通常時にネガティブな回路を有効活用します。
例えば投資などはリスクというネガティブ要因を分析し、安全性を確認します。
うつで強化されたネガティブ回路を使い、何十通りもネガティブな要因を想定し投資の安全性を考えます。
大勝はできないですが、負けの確率を下げる事ができます。