大手ファーストフードチェーンmの財務マネージャーの38歳の男が、7億円を横領した事件です。
しかも、全てFXで溶かしてしまったのだとか。
年収2000万円を失って、7億円も失って犯人になるって、どれだけ頭が良くないのだろうと思いますよね?
けど、犯人は高校時代から偏差値が高い学校で、都内の偏差値67以上の大学を卒業しています。
このテの犯罪に学力は関係ありません。
薬の依存症と同じように、お金を前にすると頭がスパークしてしまいます。
この記事が社員を雇う立場の人や、FXに興味がある人の参考になれば幸いです。
横領事件の概要
横領の手口は、小切手を振り出して銀行で換金をしていたのだそうです。
回数は50回なので、一回当たり1400万円くらいを換金していたようです。
わたしは会社の口座を管理していて、主にネットバンクで操作をしていました。
しかし、普段は使わないネットアカウントのない銀行口座で、窓口に行って資金を移動した事があります。
通帳と印鑑の他に、在籍証明書を持っていきましたが、その上で銀行に登録した会社の電話番号に
『窓口にこういう人が来て、お金を移動させるけど大丈夫か』
と確認が入りました。
小切手も、一度プライベートで扱った経験がありますが、窓口で理由を聞かれました。
この犯人も窓口で何度も確認をされたと思いますが、パチンコ依存症と同じように、後ろめたさは何も感じなくなっていたのでしょう。
キッカケはFX
犯人はファーストフードのmに入る前、新卒で大手商社に入社しています。
ここで資金部の為替証券市場室に配属になっています。
外貨を扱う部門で、それがキッカケで個人的にもFXをはじめました。
彼は業務で外貨を扱い、たまたま成功したのでしょうか?
FXは入る時期によって、何となくでも成功できるタイミングがあります。
自分なりの成功法則を見つけたと思う頃には、潮目が変わっています。
だから、FXで勝ち続ける人はわずかしかいません。
FXで損をする
FXにのめり込んだ犯人は、同僚や親族から何と約2億円を借りていたそうです。
このへんの信用力とか、周囲の金銭的余裕は、高学歴者らしいといえます。
そのお金をFXで溶かしてしまい、大手商社を退職して、奥さんとも離婚しています。
そして自己破産を申請したものの、FXはギャンブルとみなされて免責されませんでした。
それが2018年の1月で、ファーストフードのmへは7月に入社しています。
外貨のプロってこんなモンなの?
犯人は商社で外貨を扱っていましたが、個人でやったら7億円を失いました。
犯人がFXでお金を失った時期は、円安のトレンドから揺り戻しがあった時期です。
仕事で扱っていたので、一応はプロと言えますが、それでも失敗をします。
メディアでFXについて語る人は、FXだけで儲けられないから語っているだけで、その話を聞いても勝つことはできません。
そういう世界です。
学歴・年収が高くても横領してしまう理由
高校時代から偏差値が高い高校で、大学も偏差値67以上です。
そして一流企業の大手商社に入社という、右肩上がりの人生です。
高校時代から偏差値が高いという事は、教育環境も良かったのでしょう。
そんな頭が働く人間が、なぜ横領をするのでしょう?
賢いゆえに先の苦難が見える
年収が2000万円超でも、税金や生活費を考えると1年で1000万円も返せません。
狭いワンルームに住んで、外食をしないなどの生活をしても、返済に20年以上かかる計算です。
この先20年の生活を正確にシミュレーションして、悲観にくれたのでしょう。
先々を考えないで多重債務を抱える人もいれば、この犯人のように、高い論理性ゆえに悲観的な将来が見えてしまう人もいます。
脳の報酬系
犯人を突き動かしたものとして、依存症と同じ状態ではなかったのかも加えます。
普通の人はお金が欲しいと思ったら
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仕事を頑張る
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成果を出す
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お金が手に入る
というように、お金が入るという報酬に関連した、途中のプロセスに意味を見出して頑張れます。
しかし報酬系がおかしいと
▼
お金が手に入る
しか頭にありません。
これは、薬やアルコールの依存症と同じで、お金を目の前にすると法律や年収2000万円超といったものは、何の抑止にもなりません。
普通に考えたら、年収2000万円超を棒振るような、リスクが高い犯罪など犯しませんよね。
なぜ雇用してしまったのか?
ファーストフードチェーンmは、どうして犯人を採用して、すぐに金銭を扱える部署の要職につけてしまったのでしょう?
一流高校・大学⇒大手商社
という、経歴だけで判断をしてしまっています。
しかし高校時代から右肩上がりの人間が、37歳で安定を捨てて変遷するのは、人格からすると強い矛盾を感じます。
この矛盾点に深い闇や、人格の本質部分が埋まっています。
頭がいいので、恐らく面接ではそれらしい理由を取り繕ったのでしょう。
しかし、人生のストーリーを語らせれば、矛盾の種は見つかったと思います。
私生活は聞きにくいように思えて、手繰り寄せる事ができます。
通勤と関連する住まいの話から入ったり、仕事に専念できる身の上か確認するような質問で、話の隅に私的な部分が出るようにします。
今日び
『失礼ですが、ご結婚は?』
と直球の質問をするような面接官は、ツイッターで叩かれるでしょう。
人格をあらわすエピソード
犯人は大学時代に1年留年しています。
理由は遊びなのか、若い頃特有の哲学的な悩みなのかは不明なので、人格の判断を保留します。
その後、大手商社に就職すると初年度から高価なネックレスをつけて、社内を歩いていたそうです。
ここに、自分の実力以上の自己顕示欲を感じます。
ネックレスという装飾についても、拡張自我と言って、物の価値を自分の価値だと思う人格が出ています。
内向的な人だと拡張自我は少ないので、あまりブランドに興味がないです。
大学時代の留年も、恐らくは社会人になりたくないから、学生時代を延長したのでしょう。
こういう人格が、30代後半になって抑えきれずに外に出たものと思われます。
中年の人がわがままだったり、こらえ症がなくなるようになっていくのは、元の人格を抑制する前頭葉の働きが衰えるためです。
説得力のあるウソをつく
論理性が高いと、説得力のあるウソをつけます。
犯人は大手商社時代に、海外赴任中の同僚に借金をする際、
『マンションの売却で税金がかかるが、定期預金で解約できないから貸してほしい』
と言っています。
そして、2400万円が入った定期預金口座の画像を見せて500万円くらいを借りました。
論理性が低い人だと、相手につっこまれながら釈明をするので、あまり説得力がありません。
しかし論理性が高い人は、相手が疑問に思う部分を先に予想をして、対処をしてきます。
それほど高い論理性があっても、犯罪に手を染めてしまったら、元も子もありません。
身の丈の大切さ
FXで借金を作る人は、身の丈以上の取引をする人だけです。
自己資金の範囲内で、レバレッジ(信用取引)を使わなければ、マイナスになる事はありません。
収入以上のネックレスをしてしまうとか、身の丈以上の事をしてしまう人は、FXに手を出さない方がいいです。