

わたしがFXをやっていて、通算で儲けたのは180万円くらいです。
この額だけを聞くと、お小遣い稼ぎになると思うかもしれません。
しかしFXは株式とも連動しているので、株式投資の方でも勝てるようになったし、外貨は銘柄が絞られているので相場感覚を養うのに最適です。
授業料が必要なく、逆に180万円もらって勉強したようなものです。
このページの前半部分では初心者の方が大胆なトレードをしないよう、FXの危険性について書いています。
既にFXの危険性を認識している方は
あたりからお読みください。
FXで180万円儲けたけど、まったく割に合わないと感じる理由


副業で180万円儲かれば十分と思うかもしれませんが、逆に180万円損をする可能性がありました。
外貨の勉強をして資金を用意して、更にリスクを負った対価として180万円だと儲けた気にはなりません。
ポジション(外貨)を持っている期間は、日々の世界情勢がダイレクトに自分のサイフに直結するので、ピリピリします。
FXは確率二分の一で儲かるので簡単なはず
すごく簡単に儲かるというイメージを捨ててもらうために、ちょっとテンションの下がるお話をします。
割と厳しいという事を知っている人の方が、生き残れます。
テンションを下げたくない方は、下記から読んでください。
FXは通貨が上がるか下がるかの二択です。
宝くじの確率が1%よりはるかに低いのに対し、FXは上か下かを当てるだけで儲かるゲームです。
株が会社の数だけ銘柄があるのに対し、FXは米ドルだけ調べれば売買できます。
こんなに簡単そうな要素ばかりなのに、FXで生活している人はほぼいません。
専業の人の多くは、しばらくすると退場(失敗して身を引く)していきます。
解説をするアナリストも、当て続けられる人は居ません。
攻略本を出したと思ったら、予想を外して姿を消していきます。
FXは、多くの人が予想したのとは反対に値が動きます。
FXをやると自分が信じられなくなる


これが一番辛いです。
FXのルールを勉強して、これならイケると信じた方法が次々と裏切られます。
確率2分の1のゲームのはずなのにどうして勝てないのかと、自分が信じられなくなります。
『自分は無能なのか?』
という疑問が湧いてきます。
予想に反した値動きで動揺して、更に損失を広げます。
判断ミスを連発して後悔ばかりします。
FXによる寝不足も、精神に影響を及ぼします。
通貨の値動きが活発になるのは、日本時間では夜中です。
気になって夜も眠れなくなり、チャートから目が離せなくなりノイローゼ気味になります。
精神を病む対価として180万円の儲けでは、割に合いません。
テンション下がるなら読み飛ばして、
↑ここから読んでください。
なぜFXで勝てないのか?
外貨の値段は上がったり下がったりを繰り返しています。
儲けるには下がったら買って、上がったら売ればいいだけです。
どこが上下の値段の目安なのか、図の上下の外側の赤い線であらわされます。
しかし、この目安が大きく外れる事があります。
それがいつ外れるかが不明なので、大きな損失が出てしまいます。
黒ひげ危機一髪のようなものです。
儲けは小さく、負ける時は大きく負けます。
FXの本を買うと、損切りという項目が出てきます。
自分の意に反して通貨が下がったら、多少損をしてでも即座に売るのが損切り=ロスカットです。
FXでは、いくらまで下がったら自動でロスカットをする設定ができます。
ロスカットにより大きな損失を免れ、再び売買に挑戦すればいいというのがセオリーです。
しかし、実際は教科書通りだとロスカットばかりされます。
最終的には予想通り上がるのに、その前に一旦下がってロスカットされてしまいます。
この小さな負けを何度も繰り返すと、一生勝てないような気になってきます。
FXのレバレッジは自分の判断力を超える
FXの特徴は、手持ちのお金が少なくてもレバレッジ(その数倍)取引が出来る事です。
レバレッジが10倍まで可能だとすれば、10万円で100万円分の米ドルが買えます。
レバレッジはお得なようで、ギャンブル性が高いものです。
自分がコントロールできるお金の額は、仕事で稼げる額と比例します。
小学生に100万円を渡しても上手く使えないように、レバレッジで資金を手にしてもコントロールができません。
銀行の利息より稼げれば御の字
どうしてFXで儲ける事ができたのか?
まず大きな理由として、FXの特徴であるレバレッジを使わなかった事があげられます。
レバレッジを使うとFXが一気にギャンブルになってしまいます。
『このラインを割り込んだら強制ロスカット』
という恐怖心から、正常な判断ができなくなります。
冷静でいられるのは、自己資金の範囲内だけです。
FXは勝ち逃げで儲け続ける
FXを始めた頃に儲けている人を参考にしていました。
そういう人たちを一年半くらい観察していると、嘘みたいに失敗していきました。
サイクルとして最初に勉強を頑張って、緊張感を持ってトレードをして成功をする。
慢心して微細な変化に気がつかず、負けが止まらなくなる。
こんなサイクルです。
FXで勝ち続けたら、逆に警戒のサインです。
だからわたしは一旦、勝ちが続いたらそこでやめてクールダウンをする期間を設けます。
数ヶ月なり年単位なり、株に移ったりしてFXを忘れます。
そうして再び、FXをやりたいという意欲が高まってからトレードに復帰します。
勝ちパターンは常に変化する
必勝パターンを見出して、それを活用して儲かったとしたら勝ち逃げの時期を模索してください。
FXのチャートのパターンは流動的で、一つの勝ちパターンがハマッて儲け続けられると感じた時が潮時の可能性が高いです。
人や企業は成功法則にとらわれがちですが、常に過去の成功法則にとらわれて没落していきます。
勇気を持って過去の成功を捨てる事で、新しい成功が入ってきます。
損切りしなかったから儲けられた
FXの教科書の最初の方に出てくる損切りですが、わたしは一切しませんでした。
外貨は買うだけで、売りはしなかったので、
『下がっても10年保持すれば利息でトントンになる』
という長期塩漬けの覚悟でやっていました。
もし教科書通りに損切りを繰り返していたら、トータルで損失が出ていました。
注文時に機能を使わなかったから儲けられた
FXには注文時に、
『いくらになったら買って、いくらになったら売る』
という予約機能があります。
これを一切使いませんでした。
教科書にはIFD注文など予約が基本のように書いていますが、重要指標では上下に激しく動いて予約注文を刈り取っていきます。
最近では平時でも首脳のツイッターで敏感に動いたりするので、ますます使えません。
チャートから公式を作るのをやめた
最初はMT4というチャートから外貨の価格を取得して、計算して値動きを割り出すものを作りました。
数秒に一回ずつ取得・計算を繰り返しました。
自分なりの公式ができたらテストを繰り返して稼働をさせます。
これは少しやって、チャートから値動きを予想するのはムリだと判断してやめました。
例えうまくいったとしても、公式が当てはまらないようになる時がきます。
公式に頼っていると変化に対応できず、そこで退場する事になるのでやめました。
経験のない初心者にビギナーズラックが起こり、公式(過去の成功)に頼る経験者が負けるのはこの為です。
過去の値動きの当てはめようとせず、空気感を読んだ方が勝率が高いです。
FXは
で儲かるようになるゲームです。
FXは生き物で常に流動的で、チャートはその動きを読み取るためのツールです。
FXで初めて65万円儲かった時
アメリカの重要指標の日に、事前に決めた方向で読みが当たって 一晩で65万円儲かった事があります。
日中に仕事をしてからの夜中のトレードなので、かなりボーッとした状態でのトレードでした。
トレードを重ねていく内に、疑心暗鬼が重なって正常な予想ができなくなっていくため、ビギナーズラックは初期の邪念がない時に限られます。
FXのトレードは夜中になる
FXには事前に
『〇円になったらロスカットをする』
とか
『〇円になったら買う』
という命令がセットできます。
しかしこの事前予約を見透かしたかのように値動きがあり、ロスカットされていなかったら儲かるというパターンが多くあるので、リアルタイムで画面に張り付いてトレードをしました。
値動きが活発なアメリカ時間に合わせると、夜23時以降のトレードになります。
眠れない中でのトレードは中々キツいです。
投資は勝っても逃げる派
FXで損をする人たち
ここまできて、まだFXをやってみようという方には、損をした方々の話を書きます。
中には、一般よりもお金に詳しいはずの銀行の人もいます。
本業でお金を扱っている人でさえ、FXで勝てない現実があります。
彼らの失敗を見てください。
借金をしてFXをやって負けた知り合い
会社に前借をしたり、いつもカツカツの知り合いが居ました。
前借を一気に清算しようとして、借金をしてFXをしました。
しかもレバレッジで大きく賭けて。
結果は強制ロスカットで、前借だけでなく借金を抱えました。
FXではこういう事がよくあります。
お金が無くて一発逆転をしようとする人ほど、さらにお金が逃げていきます。
お金は余裕がない人を嫌います。
資金に余裕があって、レバレッジに頼らなければ助かったはずです。
これがFXの難しいところです。
お金が欲しいからFXをするのに、お金が欲しいと思ったら負けてしまうのです。
金融関係の人たちもFXで損をする
金融関係の会社で、FXが原因の横領が目立つようになりました。
これもまた、FXのギャンブル性の影響です。
レバレッジをかけた取引で強制ロスカットを防ぐには、値下がりした時にFX口座に入金して、FX口座の額を増やす必要があります。
強制ロスカットされない内は、確定しない含み損で済みます。
だから一時的に職場のお金を借りて、ロスカットを凌いだらコッソリ返そうというつもりで横領をしてしまいます。
(少し借りるだけだ・・・)
こんな風に、盗むという感覚ではないのだと思います。
しかし、結局はFX口座に入金た額より多くの値動きが起こり、損失が確定してしまいます。
FXの損と、横領の罪がいっぺんにやってきます。
こんな人たちが増えています。
中略
車内には遺書が残されていることから、自殺とみられる。遺書には顧客の資産を、外国為替証拠金取引(FX)など私的な投資に・・略
男性は着服を認め、外国為替証拠金取引(FX)での損失穴埋め・・略
警官さえも狂わすFX
ついに本物の警察官が高齢者からお金をだまし取るまでに。
30代の男性巡査長が警察官の職務と称して高齢男性の自宅を訪れ、現金1千万円をだまし取った疑い
現金1千万円をだまし取った疑いが持たれている。巡査長は外国為替証拠金取引(FX)をしており、この取引で生じた損失の穴埋めに詐取した現金を充てた可能性がある
これもまたFXの魔力です。
FXは株とかと違って決断する時の労力がそんなにありません。
簡単にトレードできる反面、損をした時に『納得がいかない感』がすごく強いです。
この警察官もFXがテレビゲームみたいな感覚だったのに、数百万円を損した事を現実として受け止められませんでした。
FXは欲を出したら負ける
FXで負けた人たちを見ると、根拠のない自信があります。
勝ち続けるには、臆病なくらいで丁度いいです。
勝って気が大きくなって遊んでしまえば、勘が鈍って負けてしまいます。
わたしは精神修養になる登山くらいしか、余暇の時間を使いませんでした。
FXは勝てますが、それは苦行の部分に対する報酬のようなところがあります。
苦しい事はありますが、貯金は増やす事ができました。
通帳⇒ 貯金5000万円の時期
FXに必勝法がない理由
FXの必勝法を本やネットで多く見かけますが、実践してみれば勝てない事がわかります。
為替には波があって、その間にたまたま儲かったやり方を必勝法と銘打って販売します。
しかし、その頃にはもう同じ手法は通用しなくなっています。
必勝法を売り出した人も、いつの間にかFX界から消えています。
経験すればわかりますが、FXは流動的で定型のパターンは生じません。
手数料が安い外貨預金と思っていた方が、堅実に稼げます。
FXは儲けようと思ったら負ける
FXの金銭欲は、異性に対する欲求に似ています。
異性と付き合おうという気持ちが強いと、肩に力が入って異性が逃げていきます。
気の無いフリをすると、異性の方から近づいてくるような関係性とお金は似ています。
絶対に儲けようと一晩中チャートを見ながらトレードするより、お金を放り込んで放置した方が利益の額が大きかったです。
FXの勉強に高い本はいらない
FXをやる人の行動が読まれているのか、FXの本はやたらと高いものが多いです。
わたしは入門編から、5000円~1.5万円(!)の本格的な本まで買いました。
結論から言うと、安い入門編の本だけで十分です。
高い本の必勝法は、それっぽい事が書いてあるだけで、何通りにも解釈できてしまうようなものでした。
値段が高い方が
『これだけ高いのだから当たるだろう』
と思う人が多いのでしょう。
わたしもそんな心理戦にひっかかった一人です。
パチンコとかよりはFXの方がオススメ
とはいえ、FXを始めてから経済を勉強するようになり、良い面はありました。
FXはギャンブル要素があるとはいえ、パチンコと違って娯楽ではありません。
経済を勉強して、その情報をつないで予測を立てます。
この作業は株にも共通するので、資産運用を考える上で良い勉強になりました。
投資の最初の経験としては、FXはシンプルなのでオススメできます。
ただし、レバレッジも使わず儲けようと思わない事が肝心です。
全くお金を賭けないと意欲はわかないので、少額だけ取引をしてはいかがでしょう。
FXに傾ける情熱を、本業に傾けるという選択もあります。