フリーターで転職を経験する度に、やりたくない仕事が増えていった頃、自営ならイケるんじゃないかと血迷っていた時期がありました。
自営⇒何をすればいいかわからない
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そうだ!フランチャイズに加盟しよう
当時はネットがあまり普及していなかったので、起業の雑誌がありました。
若い頃は基本的に世間を知らず、そのうえ仕事も迷っていたので、起業の雑誌を読んで道が開けるかと思っていました。
追い詰められた人は自分に都合がいいウソを、進んで信じ込もうとするところがあります。
当時フリーターの苦境から抜け出したかったわたしは、雑誌に書かれたモデル収益を、目を輝かせて読んでいました。
あれから時が過ぎましたが、未だに商材を変えてうさんくさいフランチャイズが沢山あります。
45歳定年制のこれからは、不安になった中年がターゲットにされそうな気がします。
心が弱っている時に騙されないようにしてください。
美容師のハサミを研ぐフランチャイズ
笑わないで聞いて欲しいのですが、美容師のハサミを研ぐというフランチャイズがありました。
素人でも簡単に扱える電動の研ぎ機で、美容師のハサミを1本数千円で研ぐというビジネスです。
美容師のハサミが高価だという説明や、どれくらいで切れなくなるとか、そういう初めての情報に接すると
『何となく成り立ちそうだ』
と思ってしまいます。
よくわからない情報にのまれる
知らない単語がどんどん出てくると、処理が追いつかなくなって、わかる部分だけ拾おうとします。
こういうフランチャイズ話は、
わけのわからない情報+モデル収入
で構成されていて、モデル収入ばかりが頭に入って儲かる気になってしまいます。
結局、研ぎ機を売りたいだけ
フランチャイズの運営元は、単に研ぎ機を売りたいだけでした。
機械は確か数十万円だったと思いますが、機械の値段を知らない素人には高いかもわかりません。
事業の成否は美容室から契約を取れるかの営業にかかっていますが、これはフランチャイズでどうこうなるものではありません。
恐らく失敗したら、個人の営業力のせいだとされるでしょう。
こういう逃げをうっています。
フランチャイズ起業のキーワード
最近のフランチャイズの募集広告は昔と変わらず
・面倒な事は丸投げできる
・高い月収例
こんな事が書いてあります。
『ストック型収益』とか、それっぽいビジネス用語が出てきます。
わたしは会社でも横文字を多用する人があまり好きではなかったです。
横文字を言っただけで、その能力を持てると勘違いした人が多かったです。
マルチ商法とかでも、やたらと横文字を使ってそれっぽい演出をしますが、フランチャイズもそれに似ています。
こんなの誰がやるの?
・自宅開業
・費用自分持ち
出来高制ですが横文字でだまくらかす法則の通り、『フルコミッション』という表現が使われています。
これってただのテレアポの完全出来高制のバイトと同じですが、なぜか開業資金で数十万円を取られます。
開業資金で研修を受けるわけですが、どこかのコールセンターでバイトした方が良くないですか?
フランチャイズ募集サイトには、〇分で□万円を稼ぐって書いてありますが、マルチ商法の
『秒速で1億円稼ぐ』
という宣伝文句が思い出されます。
うさん臭いのが多すぎ
出資法違反で捕まらない方法を考えているような業者が多すぎます。
社長とか役員の名前で検索すると、過去の事が出てきたりします。
うさん臭い人って、人生でずっと同じような事を繰り返しているのがわかります。
それで逃げ足が遅くなった中年以降に、出資法違反で捕まったりします。
コロッケのフランチャイズ
昔あった、運営元ごと潰れたコロッケのフランチャイズチェーンです。
コロッケ専門店って発想、すごくないですか?
マクドナルドがフライドポテト専門店をオープンするみたいなものです。
コロッケ1個60円を売るというビジネスですが、コロッケなんて何個も食べられないし、国民食だったわけでもありません。
それでも結構な人がフランチャイズに手を出しました。
原因はテレビ
コロッケのフランチャイズの運営元がテレビで特集され、右肩上がりみたいに扱われました。
今よりもテレビが信用されていた時代なので、倒産の被害者が増えました。
最近でも、コインランドリーのフランチャイズがやたらと持ち上げられました。
超高価な洗濯機とセミナーで、運営元が儲かります。
個人を養分にする会社、増えすぎじゃないですか?
コインランドリーは投資に分類される
コインランドリーは起業というより、投資に分類される事が多いです。
あまり手間がかからないというのが理由です。
売り上げ金の回収や掃除はオーナーの仕事ですが、数千万円かけてマージン取られて雑務をするくらいなら、株式投資で配当金を得た方がいいです。
フランチャイズは『オーナー』って言われていますが、わたしには雑務係にしか見えません。
フランチャイズオーナー=養分
フランチャイズって、酒屋がコンビニに変わるくらいの頃は、まだ牧歌的な雰囲気がありました。
別に無理な事をしなくても、運営元は右肩上がりの成長ができます。
しかしコンビニが飽和状態の今は、変な事が起こっています。
運営会社の社員に前年以上の営業目標が設定されていますが、飽和状態で達成が難しいです。
そこでオーナーがいない間に、運営元の社員が勝手に商品を発注をしたりという事が起こり始めました。
追い詰められた社員は、オーナーを平気で裏切ります。
おいしい商売は回ってこない
日本は成熟した社会になりました。
発展途上だと子供をたくさん産んで、誰かがモノになるのを期待しました。
しかし先進国では資金を集中投入するため、少数の子どもに手厚い教育をするようになります。
日本の少子化を見ると、完全に先進国と言えます。
こういう国になると、個人においしい商売が転がり込んでくる余地はなくなります。
他人でなく、自分だけを信用する
フリーター時代のわたしもそうだったのですが、自分に自信が無いと、変なフランチャイズとかを信用しがちです。
だから騙されます。
自分に自信が持てるよう勉強を続けたり、根拠がなくても誇りを持つと、色々な歯車が合ってきます。
わたしは自分に価値があると思ってから、徐々にお金がついてくるようになりました。
これはオカルトではなく、人は自分に相応しい選択をするようになるからです。
他人の商売に期待するより、自分を変える方が確実ではないですか?