わたしは会社で採用業務を行ったり、面接官の指導や採用基準を作ったりもしてきました。
その中で感じたのはコンビニのバイトが職務経歴書で、もったいない書かれ方をしていた事です。
ただどこのコンビニにどれくらい勤めたとかだけで、仕事の内容を使ってアピールする人はいませんでした。
コンビニの販売方式は日本が試行錯誤して開発し、世界一になった業種です。
コンビニのアルバイトは高度な仕事の経験としてアピールする事ができます。
ここではバイトの経験を美化して書きたいと思えるよう、わたしの経験を織り交ぜて解説します。
多くの会社は、コンビニの業務フローほど洗練された仕事の仕方をしていません。
コンビニはデータ分析と心理学を合わせた、実践的マーケティングの場所でもあります。
わたしが就職して大企業平均より給与が多くもらえたのは、広告でデータを扱う仕事をしたからです。
⇒ 経歴
コンビニの業務は広告以外にも、あらゆる業種に応用が可能です。
コンビニでバイトをしている時にピンとこなかった人もいると思いますが、非常に価値のある経験です。
コンビニのバイトが軽く見られないように、職務経歴書でイメージを覆す
職務経歴書でコンビニの業務を『レジ・陳列』くらいしか書かない人が多かったです。
レジの業務は単なる集計係ではありません。
日本人の細かい性格と、POSレジによる商品管理の知恵が凝縮された業務です。
その仕事に携わった経験は、職務経歴に堂々と書ける内容です。
POSレジは単に商品のバーコード読み取りだけでなく、データベースに直結するシステムでもあります。
レジでスキャンした内容がデータ化され、商品開発にまで活用されます。
店舗では気候や住環境との相関関係で、商品の販売予測まで立てられます。
アルバイトは小売りのレジの業務ではなく、世界有数のマーケテイングに携わっています。
自分の過去の経験が価値あるものだと思う事で、『お金をもらうに値する』人間だと思えるようになります。
わたしはその気持ちになってから、年収が増えていきました。
コンビニの仕事をスゴいと思わせる
履歴書・職務経歴書を読む人や面接官は、コンビニの仕事をよく知らずに軽く見ています。
世界一の小売業種である事実を使って、コンビニの仕事がスゴい事だと説得します。
職務経歴書に『レジで気持ちの良い接客を心掛けました』と書いても、どの接客業にも言える事なのでアピールになりません。
棚の陳列の規則性とか売買データを基にした新商品とか、その辺りがコンビニが一般企業より進んだ部分です。
実際に働いていたら、経験と本の知識が強く結びつくと思います。
コンビニの先進的な仕事を説明した後に、自身が従事したのはそれを学ぶためと説明します。
適当にバイトを選んだのではなく、明確な意思を持って選択した事にしてください。
バイトはどこまで大げさに言っても大丈夫か?
わたしはフリーターで社会人デビューしましたが、最終的に資本金が多い会社で働き、40代で早期リタイアができました。
フリーターから就職できたのは、バイト経験を美化して説明したことも大きいです。
わたしのバイト経験の中から、一番美化したものを紹介します
出版社やスタジオからカメラのフィルムを預かり、現像する会社でバイトをしました。
業務内容はフィルムの預かりと現像した写真を届ける、バイク便みたいなものです。
ルート配送で出版社の受付とやり取りするだけでしたが、就活で広告関係の会社に説明した内容は
『雑誌というマスメディアに興味を持ち、どういう体制で発行され、読者のリアクションを記事にフィードバックさせるのか過程を学ぶため、従事致しました。』
バイクのライダーなのでクリエイティブな仕事とは無関係ですが、単語をちりばめたら何となくそれらしく見えないでしょうか?
職務経歴書を面接で深く突っ込まれる事もなく通りました。
コンビニのアルバイトだったらライダーと違って本当にデータと接しているので、応用範囲は広いです。
わたしの最高年収は2500万円でした。(他に自社株の利益)
なぜコンビニ店員の仕事は軽く見られるのか
殆どの人がコンビニを利用した事があり、そこで店員と接する機会があります。
その中で不貞腐れて、ひどい態度で接客をしている人が、この仕事の評判を落としています。
採用の間口が広い仕事ではどうしても変な人が混ざってしまい、全体のイメージを落とします。
接した客は『この程度の人でも出来る仕事か』という印象を抱きます。
それにコンビニのバイトは店を変えて繰り返しやすく、履歴書・職務経歴書にいくつも並んだりするのも印象が悪いです。
その場合は整理して表示するとスマートです。
コンビニのバイト+アルファの付加価値をつける
コンビニの優れたシステムに触れていたら、もう一歩進めてプログラミングを勉強すると大きな付加価値がつきます。
先入観で難しいと思っている人や、少し触って苦手意識を持った人に、一番簡単に勉強を始められる方法があります。(ネットさえあれば参考書も不要です)
別にプログラミングでなくとも、陳列方法や人員の教育に関する事でも付加価値をつけることができます。
年収1,000万円の仕事よりコンビニの方が難しいと思う理由
コンビニのPOSシステムは、NASAに次ぐデータ量と言われていました。
そして接客は、幅広い客層を相手にする社交的な能力が必要です。
コンビニは論理性と接客という相反する二つの仕事を同時に行うようなもので、非常に難しい仕事です。
客の中には想像を超える行動の人が居ます。
このレベルに合わせられる対人スキルは、かなり高いです。
コンビニでは1日に数百人を相手にして、年収は250万円くらいでしょうか。
わたしが年収1,000万円になった時の仕事では、1日に応対する社外の人は10人以下でした。
仕事の大変さと収入は比例しません。
わたしはフリーター時代の方が、仕事で嫌な思いをする事が多かったです。
それに仕事の困難さは、アルバイトも正社員もさほど変わらないと感じました。
コンビニのアルバイト経験がアピールできる事
まずコンビニが単なる接客業という認識だと、アピールできる領域が狭まってしまいます。
そうではなく、コンビニを実践的情報処理センターとしてしまいましょう。
職務経歴書でよく使われるPDCAというアピール用語があります。
これは自分がいかに日々の業務を改善しているかという説明の時に使います。
PDCAというのは
Plan(仮説)
Do(実行)
Check(検証)
Action(改善)
で、コンビニが売れ行きを予測して商品を発注する作業そのものです。
職務経歴書に書いているだけでPDCAを理解できていない人が多いなか、コンビニではデータを活用して本当のPDCAが回っています。
バイト経験がある人はそれに接しているという事を意識すると、あれがPDCAだったのかと思い出せます。
マニュアル化されているから簡単な仕事か?
得たノウハウは財産になります。
マニュアルで誰にでも出来る仕事になっているから、価値がないと思っていませんか?
これは大間違いです。
優れたマニュアルに接している時点で、非常に大きな勉強になっています。
コンビニが短期間で教育を終わらせられるのは、仕事を定型化しているからです。
普通の会社では何度もやる仕事でも定型化していないため、毎度初回のように処理に時間をかけて仕事をしています。
一般の会社の仕事の方法は、非効率なものが多いです。
優れた人が作ったマニュアルは、プログラムの設計書のようにスマートに書かれています。
起こりえる問題を先読みして、作業が一方向に進むフローチャートでできています。
こういう仕事に接していれば、就職してから後の仕事作りの基礎ができます。
コンビニの経験を就職後に応用
普通の会社に就職して落ち着いたら、
『そういえばコンビニではもっと効率的な処理をしていたな・・・』
と、コンビニの経験を応用して自分の仕事を改善してください。
それが自身の強みになって、給与に反映されます。
コンビニの先進性
コンビニのバイトがいかに高度な仕事なのか、一般の職種の人は想像もできません。
比較対象として、年金機構を例に出してみます。
年金機構は過去に何度も計算ミスやデータ消失などを起こしていて、その仕事を作っているのは厚労省の人間も混ざっています。
何故ミスが起こるのかと言うと、複雑な確認手続きを入れ過ぎて逆にミスが発生しています。
これをコンビニの先進性で解決します。
コンビニはレジで瞬時にPOS(データベース)を操作しつつ、限られた人数で多数の客を捌いています。
この概念を年金に応用すれば、正確で今よりも少ない人数で回せます。
データベースって難しく思われがちですが、ただの表でも作れるので知っておいて損はないです。
企業は解決策の提案ができる人を常に欲しています。
コンビニバイトの経験の中には、一般企業で物事を解決する参考が沢山含まれています。
経験があってもうまく説明できない場合は、下記の本が参考になります。
わたしはセブンイレブンとトヨタの工場を勉強したおかげで、仕事の問題を解決する能力がつきました。
実は難しいコンビニの業務
本ページで解説した通りコンビニは、野良犬かと思うような客の対応からデータベースの取り扱いまで幅が広い仕事です。
コンビニのバイトが出来たら、世の中の大半の仕事はこなせます。
一番問題なのはコンビニのバイトを経験した人自身が、経験を活用しないことです。
何事も堂々と説明すれば、実際より優れた事をしていたように見せられます。
不採用のショックを和らげる方法なども色々書いているので、よければ他のページも読んでみてください。
※このページよりも自己PRに特化した内容で書きました▼