加齢の変化は、想像をしていても実際に起こると、人生観が変わるほど大きなものです。
二十代半ばで
「筋肉痛が翌々日にくるようになったよw」
というのは、全然わらっていられる状態です。
35歳以降の変化は
『人生が終わりに向かっている・・・』
と感じるくらい、深刻なものです。
社会人寿命を延ばす方法は、身体から変える事です。
加齢の変化は、想像より重たい
ドラゴンボールで悟空がナメック星へ行く途中、重力を100倍にトレーニングするシーンがありました。
加齢によるしんどさは、それに似ています。
以前と普通に暮らしていても、身体が重いのです。
新陳代謝が落ちて、ぜい肉が付きやすいというのも一因ですが、重くて鈍くなります。
体力の転換点を迎えてすぐの時は、精神はまだ以前のままなので、思ったより動けない経験をします。
非常にもどかしいです。
ギックリ腰はぜんぜん笑えない
欧州ではギックリ腰を
『魔女の一撃』
と呼ぶみたいで、世界共通の症状です。
無理な中腰で、遠くのものを取ろうとした時に、腰の神経を直接つかまれたような衝撃が走りました。
背中に冷や汗をかくような感じで、『ギクリ』としたので、初めてでもこれがギックリ腰なのだとわかりました。
糸が切れたマリオネットのように、腰がガクンとなって、以降は動かすと痛みがありました。
腰骨の変なところを、ビス止めされたようになります。
何日も痛み腰をかばうように前かがみで過ごしたり、これが老人になったら毎日なのかと、暗い気持ちになりました。
疲労が回復しない
ぐっすり眠っても、疲労が回復しません。
体が軽やかな日というのが、滅多にありません。
『あ~、今日は疲れたなー』
という感じで、朝の目覚めが始まります。
よし、行こうかから5分かかる
お笑いの有吉さんが喫茶店に居て、若い女の子に促されても、グズグズして
「おじさんは、よし行こう!って言ってから5分かかるから」
と説明していました。
やろうと思い立ってから、行動するまで時間がかかります。
仕事に関しても、このパソコンの起動時間みたいなものを入れて働かないと、無理が生じます。
精がつくものを食べると、具合が悪くなる
古い車にハイオク燃料を入れるのと同じで、下手に精がつくものを食べてしまうと、かえって具合が悪くなります。
警察24時で、お年寄りの万引き犯が捕まると、大抵さし身を盗んでいますよね。
牛カルビとか盗んでいるの、見た事ないです。
加齢で性格も変化する
性格が変わるのは、歯の矯正と同じように、継続して圧力をかけた時です。
加齢による変化は、ずっと重しのようにのしかかってきて、性格を変えていきます。
色々な事がおっくうになり、新しい事をしなくなります。
子供がゲームで遊ぶのに夢中で、面白いからと親に勧めても、面倒でやろうとしません。
歳を取ると、経験から引っ張り出す
若い頃は経験が少ないので、新たに接した事を取り入れて、引きだしを増やすのに夢中になります。
この期間中に、自分が上手くできるものを見つけて、進路を決めます。
一方、歳を取ると新たな情報ではなく、過去の経験から答えを見つけようとします。
中年まで生き延びられたのは、過去の経験が正しかったと学習するからです。
新しい事を覚えられないのではなく、興味が持てないのです。
諦めが早くなる
体力が落ちると、去年出来ていた事ができなくなってきます。
それまでの人生では、努力するば上達する経験だけだったのが、努力しても落ちる経験をします。
こうなると、
『やればデキる』
という気持ちになり辛いです。
信長だって加齢で衰える
本能寺の変が起こる前、包囲された明智光秀を助けるべく、信長が直接出向こうとして、銃撃を受けてしまいます。
その時のセリフとして
「往時(全盛期)の我ならば鉄砲は当たらなかった」
信長でさえ、全盛期は過ぎるものです。
その変化に対応して、拡大から充実へ切り替えるのが、中年以降の人生のテーマになります。
変化を受け入れる
右肩上がりで成長していたのが、下りに転じるとショックを受けます。
しかし、登山に例えると
『登って降りないままなのは、遭難するということ』
なので、下ることは自然なことです。
それに抗わず、変化に合わせる必要があります。
加齢の変化に対処しつつ働く
体力の転換点は、大体35歳くらいです。
この根拠は、ベンチャー社長を多く見てきて、体力と比例する行動力を重視するタイプが、35歳を過ぎてから失敗していったからです。
本当は思考する仕事にシフトし、社員の性質を見抜いて、動かしていくべきだったのに、いつまでも自分で動こうとした結果です。
行動力は確実に落ちていくので、その分を思考型の働き方で補うべきです。
半グレなんかも、35歳過ぎで立ち行かなくなる者が多いですね。
筋トレは有効
仕事の馬力が足りなくなるのと、筋肉は関連があります。
筋トレをすることで、社会人寿命を延ばすことが出来ます。
終わりかけたタレントが、時間を持て余して筋トレしたら、自信がついて再浮上したりします。
筋肉がつくと、仕事の瞬発力も戻り、加齢の衰えを少なくできます。
危機感も有効
会社に長くいると、慣れと地位に安心して、怠けてしまいます。
わたしの上の世代は、パソコンの使用を覚えず、部下にやらせようとする人達ばかりでした。
面倒な事をしなくても生きていける環境だと、勉強をやらないものです。
最近は中年になると
『役職定年』
と言って、地位をはく奪されるようになってきました。
最初から実力主義を前提にしていれば、いつまでも進化しようとしていられます。
権力のシステムがなくなった
前は実力が衰えても、権力を築けば安泰でいられました。
力のある若者に、権力で対抗して潰すことができました。
しかし、もはや中年の権力というのははく奪され、リストラの危機さえあります。
そういう時代なので、自分を磨き上げ続けていくしかありません。
早期リタイアした結果
わたしは早期リタイアして、自分の能力寿命を延ばす選択をしました。
会社という居場所を出た事は、無重力の宇宙に出たような、自由で心細い気持ちになりました。
その不安から脱するために、新しい事にどん欲に取り組む事ができました。
絶対にやらないといけない状況に追い込まれると、自然に活発になれます。