夜の時間帯の、割り増し残業代を計算していた頃より、残業制度のない会社の方がはるかに高い年収でした。
残業代は得するように思えて、結局は弊害の方が大きいです。
デスクワークの人は、残業目当てで残っている人を見た事があると思います。
残業代制度の会社で仕事をサッと終わらせても、利益が無駄な残業代に消えてしまい、自分の報酬の原資が減ってしまいます。
残業制度のある会社では、年収は400万円以下でしたが、年俸制の会社ではボーナスは別で年収1000万円以上でした。
残業代がない会社の方が公正で、気持ちよく働けました。
残業代は無い方がいい理由
ゆっくり働く事にインセンティブが発生するのって、誰の為にもならないですよね。
遅くまで会社に居る事に価値が発生する制度なので、帰りにくい空気が醸成されてしまいます。
間延びして仕事をするより、ギュッと濃縮した方が仕事の質は上がります。
残業代をカウントしながら働いていた頃は、全然成長しなかった期間でした。
残業で仕事を効率化したら年収が上がった
面倒な事が嫌いだったので、デスクワークの仕事を自動化しようと思いました。
勝手にやる事なので通常業務が終わってからになりますが、年俸制の会社だったので気楽に残業できました。
あくまで、自分の仕事を楽にしたいための行動でした。
その結果、給料が怖くなるくらいバンバン上がっていきました。
給料が安い会社で、残業代のために粘るのは、自分の時間の安売りです。わたしは本当に損をしていたと思います。
残業代は単に時間給を稼ぐ事ですが、残業代を気にしない働き方は、自分の価値を上げてくれました。
わたしはスペックが低いですが、
30半ば以降は年収が、同年代の大企業平均を下回った事はありませんでした。
残業代がないと仕事が速くなる
デスクワークって仕事の速さがわかりにくいですが、わたしの経験だとビルの窓ふきのバイトがわかりやすいので、紹介します。
日給月給制で、早めに終わらせても一日分が稼げるバイトで、早く終わらせる事がインセンティブになりました。
作業が速い人が集まると、朝から殺気立って、一つのミスも許されない雰囲気でした。
最短で3時間くらいで終わった日がありましたが、手は抜きませんでした。
時給換算にすると、わたしの日給で時給3000円換算になりました。
残業代制度はありましたが、それよりも早く終わらせた方がオイシイので、いつも定時前に終わらせていました。
バイトだけの現場が殆どでしたが、手を抜くのはご法度みたいな規律がありました。
ただボヤッとしたことをすると、殴られんばかりにメチャクチャ怒られます。
残業は製造業のための制度だった
残業代って、
時間=生産量
が比例する、製造業向けの制度です。
生産量があいまいな仕事の場合、日中にだらだらやって、定時後に仕事をするという事が発生します。
残業代制度がないアメリカ
大企業はわかりませんが、わたしは社員数3桁の会社の予算は見ていました。
ベンチャーで人材だけが資産だったので、利益は惜しまず報酬に回っていました。
役職によって、残業制度がありませんでした。
会社の人件費で考えて、成果不明で波のある残業代は不安要素です。
それよりも業績に応じたインセンティブを払った方が、わかりやすいです。
この査定は完全に成果主義で、労働時間は関係ありません。
アメリカに近い給与体系です。
この方が、公正にお金が回ります。
アメリカ人がすぐにオフィスから帰るワケ
残業代がないからです。
けど家に帰ってから仕事をしたりしますが、無駄な残業はしません。
業績に応じて年俸が決まっているから、なるべく効率よく仕事をします。
金融街では長時間労働らしいですが、その分リタイアも早いです。
残業をしない部分だけ切り取られがちですが、日本とは制度が違います。
日本もアメリカ型に
英語がしゃべれないので、
「グローバル化とか、関係ない」
って思っていましたが、GAFAのサービスを使わない日はないし、日本の様々な会社にも影響が出ています。
だから終身雇用制はなくなって、次は年功序列もなくなって実力主義になりました。
この流れで、製造・サービス以外の残業代はなくなると思います。
実力主義は怖くない
基本スペックが低いわたしは、最初に年俸制の会社に入った時、震えていました。
しかし、一つだけ他人より秀でた特性があれば、それを仕事にすると人一倍の成果が上げられる事を知りました。
その代わり接客業とかをやったら、最弱の存在です。
わたしの場合は『心配性』を活かした仕事をしました。
学校のテストと違って、社会人は一教科で何とかなります。
このサイトで『適職』についても書いているので、読んでみてください。
報酬が気にくわなければ辞める
本来、会社と社員は
お金⇔労力
の等価交換をしているので、報酬が気にくわなければ転職するのが自然です。
スーパーの買い物と同じで、値段と品質が合わなければ、別の商品を選ぶだけです。
残業代とチップ制
残業制度はアメリカが参考になりますが、チップ制は逆に弊害が多いように思います。
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基本給が安い
という構図で、チップが少ないと不機嫌になります。
客としても、給仕を査定する仕事が増えて煩わしいです。
日本の残業代と共に、アメリカのチップ制も良くない制度です。
目先の残業代を追うと、年収が増えない
残業は手っ取り早くお金が得られるので、制度があると意識してしまいます。
わたしも中身の薄い長時間労働を、喜んでしまっていました。
目の前に蜜があったら、指を突っ込みたくなるのは人間として自然な反応です。
残業代を得る事に夢中だった頃は、自分に適した仕事があるなんて、考えもしませんでした。
交通費のごまかし
残業代を勘定していた当時、交通費をごまかしていた事を思い出しました。
駅までバスで往復すると数百円かかるところを、自転車を使って駐輪場代だけで済ませて、差額で得した気になっていました。
こういう事をしていると、小さい人間になってしまいます。
それに残業代でも交通費でも、心のどこかでズルい事をしていると思っていました。
それが卑屈な自分を作り、無意識のうちに
『金を稼ぐに値しない人間』
という自己暗示をかけていました。
合わない会社は辞めた
残業代を考慮せず、こちらが奉仕したら、それを返してくれる会社とは良い関係を築けました。
しかし、こちらの奉仕を都合よくとる会社に対しては、すぐに辞めてしまいました。
『良い自分に見合う会社』
を探す気持ちが強くなり、相応の会社で報酬を得る事ができました。
良縁を結ぶ時は、まず自分がそれに相応しい人間になるのが、一番確実な方法でした。