30代前半の頃に割と仕事に自信が持てて、
『どこでもやっていける』
と思って独立して起業しました。
結果から言うと、月収10万円台くらいになって、1年未満で終了という結果でした。
理由は
『お金をください』
が言えなかったというショボいものです。
一人で起業して失敗
会社に所属している時は、自分に割り当てられた仕事だけすれば収入になります。
仕事選びが正しければ、会社で自分が得意な事をしていれば、勝手に収入になります。
しかし起業をして、一人でやるという事は、不得意な業務もやる事になります。
まさかお金を要求するのが、あれほど難しい事だとは思いませんでした・・・
お金の交渉をした事がない
会社に所属していた時に、他社から社内データベース作りの相談を受けて、起業する事にしました。
だから営業活動とかもしていないし、金額等も一切決めていませんでした。
給料ではいつも、会社から提示された額に従うのみで、交渉をした事がありませんでした。
起業した時も、お金の件は向こうが決めてくれるものと思って、何も努力しませんでした。
報酬が少ない
こちらで見積もりも何も出していないし、向こうの会社は担当以外は知らない相手ということもあり、提示された額は少な目でした。
わたしが交渉して上げるのを前提にした、様子見の金額かも知れなかったですが
『これで責任を負わされるくらいなら、ゼロ円で気楽にやろう』
という気になって、無償で引き受ける事にしました。
機密保持の書類などもあって、フリーランスでも自由ではないという気持ちになり、テンションが下がりました。
無償にする代わりに、どの書類にもサインをしませんでした。
起業の失敗は、中途半端だったから
独立すると言っても、元の会社から十数万円をもらって、週に何度か通っていました。
貯金もそこそこ貯まっていました。
そういう命綱があったので、他の会社の仕事を無料で請け負ったりしてしまいました。
独立が一匹オオカミの野生の世界だとしたら、わたしは飼い犬がドッグランで走り回るくらいの、ショボい内容でした。
元の会社に戻る
データベースが出来上がって、稼働の様子見をしつつ、他に効率化できる部分に手を入れました。
希望すればそのまま入社できたと思いますが、内情を見てそれほど魅力を感じない会社なので、引き上げました。
それで元の会社に戻るという、中途半端な起業劇でした。
インターンシップみたいなものでしょうか。
失敗したけど起業を勧める理由
失敗しましたが、起業したのは良かったです。
無駄な万能感がなくなって、自分の特性がよくわかりました。
営業系の人は、たぶん請求書発行とか事務作業がすごく面倒に感じると思います。
起業の経験で、そのわずらわしさを解消するために、いくら支払って人に依頼するのが妥当かなど、経済感覚が身につきます。
どこかの会社で管理職をする時に、こういう経済感覚が役に立ちます。
経験するのが一番てっとりばやいです。
人付き合いが広がる
わたしは内向的な性格なので、何もないと新しく人と付き合おうとしなくなります。
そうやってどんどん、小さい世界に閉じこもるようになります。
当時はまだ30代前半だったので、まだ人付き合いの幅が必要でした。
付き合う人の良し悪しの選別は必要ですが、そもそも新規の付き合いがないとできない作業です。
後の起業に繋がった
失敗したものの、起業した先にある生活は、別に特別なものではないと知れました。
人って知らない世界のことを、過剰に警戒するところがありますよね。
しかし経験してみると
『あれっ?! こんなものなの?』
って思うこと多くないですか?
独立起業もそれと同じで、一回やると恐れがなくなります。
そして後に、数人で起業をする事に繋がりました。
起業をして変わる意識
起業を一度経験すると、後の会社で
『経営者が無能』
と思わなくなります。
数人の従業員を雇うだけでも、結構大変な事です。
大企業が傾いたニュースで
『経営者に経営能力がない』
というコメントをみると、経営者側を擁護したくなります。
言うのは簡単ですが、やってみると色々とあります。
後に再度、自営業を経験
共同で起業する時、メンバーの都合で1年ほど延期になり、その間に自営業になりました。
二回目なので余裕がありました。
メンバーから月に35万円くらいの仕事を回してもらっていましたが、時間に余裕があったので、経験の為に他の会社を手伝いました。
無料で請け負ったのですが、チャージされたsuicaとかプレステをくれました。
その会社はわたしが共同起業後にも協力してくれて、助かりました。
そういう関係構築の意味でも、お金にならない経験をしてみるのも有効です。
共同で起業した会社が成長して、わたしに大きな利益をもたらせてくれました。
その前の二回の起業が、良い経験となりました。
損失はなし
飲食店だったら、内装とか設備でお金がかかったと思いますが、パソコン一つでできたので、起業を失敗しても損失は無かったです。
経済的なマイナスがなく、経験が買えたと思えば、収入の少なさは許容できます。
初期投資で1000万円必要で、かつ借金で店を始めるとか、そこまでの度胸はありません。
定年が早いなら起業
45歳で早期退職の募集が増えてきましたよね。
役職定年で給料が下がっても会社に留まれるかも知れないですが、自信があるなら起業する選択肢もありですね。
フリーランスと企業のマッチングサービスが増えてきたので、売り込みが苦手な人のハンデは減っていると思います。