幅広い世代と接して、就職氷河期世代が劣っているという実感はありませんでした。
優秀なのに控えめで、むしろスペックに比べて立場の低さにギャップを感じたりもしました。
就職氷河期世代は、過酷すぎる就職活動によって、自分自身を信じられないようになってしまっています。
実力がないと思い込んでいるため、雇用が回復した後でも最初から諦めて積極的な行動がとれません。
能力が低いわけではないし、バブルで浮かれた連中と違って、厳しい状況の中で地に足がついていました。
しかし就活で落とされ続ける経験により、それまでの人生が全否定され、トラウマを抱えて人生を送っています。
自分の能力を認識するための基準が壊れた状態で、何に対しても自信喪失しています。
自分自身を見捨てなければ、必ず道は開けます。
就職氷河期世代は優秀
比較検証することで、就職氷河期世代が優秀でないから苦労をしたのかを考えてみます。
就職氷河期世代でなくても、落ちぶれる人はいます。
その特徴を知れば、氷河期世代が正しく自身の能力を認識しなおせると思います。
いつの時代でも、社会で絶対に通用しない”エリート無職”ともいうべき人間性の人がいます。
2000年頃のドキュメントで、無職で上京した中年男性に迫ったものを参考にします。
まず無計画
何も決まってないのにとりあえず住み込みの仕事を求めて東京に来ます。
仕事は決まらず、所持金はすぐに底をついて
「こぉんなの分かってたら、来るんじゃなかったよ
今さら引き返すわけにいかないからさ」
と言います。
自分で決めた事なのに、どこか他人にやらされたように言います。
この状況は、稼ぎの殆どを遊びに使っていて、借金もあり職を失うと同時に地元に住めなかったためです。
遊ぶ気力さえない氷河期とは違います。
無職なのにタバコをばんばん吸うし、態度が悪い
無料の宿泊施設(2週間の期限付き)を使わせてもらって、朝になるとゴキゲンでカメラの前にきます。
体調を崩して宿泊施設を使わせてもらったとの事で、スタッフに体調を聞かれます。
口にタバコを咥えながら
「(体調を崩した理由は)寝不足だ 寝不足!」
スタッフ『寝不足?』
「そらぁそうだ! 毎日寝てねぇんだもんなっ
頭にきちまった!ほんとに」
疲労が頭にたまったのではなく、怒るという意味の頭にきちまったです。
なんの脈略もなく、普段から口癖のように『頭にきた』を使っていた事が伺えます。
他人に対して不満を言う事が、挨拶代わりのようです。
内罰的な氷河期世代とは正反対です。
ハローワークの求人票を破り捨てる
ハローワークにもらった求人票の会社に電話をしますが、態度の悪さが出てしまいます。
電話口で相手の会社に質問をされると、返事が
「うんっ」
です。ナチュラルに横柄。
運転免許もないので会社に断られると、チンピラみたいに電話boxから出てきて
「頭にきたホントに! 資格ねぇとダメなんだとよっ!」
と言って、求人票をビリビリに破いて植木に捨てます。
ここでもやっぱり『頭にきた』と言うし、平気でゴミを捨てます。
こういう人間性の人こそが、なるべくして無職になる人です。
面倒くさいと言う
ハローワークの職員が会社に電話をかけ、その受話器を受け取る中年男性。
相手の会社に連絡先の電話番号を聞かれると、何故か偉そうな言い方で
「いや連絡先はあるんだけど、今、番号わかんないんだけどね
ちょっといま調べようがないもんね
じゃあ結構です」
と言って、職員にまだ繋がっているかもしれない電話を返しながら
「めんどくせ」
と言い放ちます。
職員にも会社にも失礼な態度です。
職員とも険悪になり、自分で片っ端から会社に電話をしますが、染みついた横柄さで上から目線の電話をかけまくります。
タバコをがっつりポイ捨てする
面接にこぎつけた会社のすぐ近くで、撮影スタッフに決まったようなものだと言いながら、タバコを吸います。
吸い終わると地面にタバコを落として、靴で踏んでそのまま
「じゃあ行ってくる」
と言って会社に入って行きます。
ゴミ一つ落ちていない歩道に、平気でタバコを捨てられる神経。
しかも会社のすぐ近くです。
面接前なのに、すでに合格した気分になっていて
「小学校さ入学する気分」
「これでやっと終わりだっ」
などと言っています。
人物的にマイナスなのに、人一倍楽観的です。
氷河期世代は能力があっても悲観的なのとは正反対です。
またタバコを捨てる
会社が中年男性の連絡先の寮に電話をすると、男性が申告していた内容と違う事を問題にします。
中年男性は、なぜか友人の寮(家?)と申告していたため、虚偽の申告で不採用になりました。
「おれ知らなかったんだ、虚偽なんて難しい言葉さっ」
虚偽という言葉を知らないと、ウソをついても故意じゃないという事になるのでしょうか?
この辺の思考回路が本当にわかりません。
それでまた、地面にタバコを捨てます。
ゴミのポイ捨てとウソは、気質的に相関関係があります。
この気質の人は、他に責任感の無さや時間・お金にルーズという特徴が出ます。
実際にこの人物は、借金を抱えてもなお酒を飲み、飲酒運転事故まで起こしています。
ハローワーク前で酒盛りする
順番待ちをする間、ハローワークの前で近くに居た無職と話はじめて酒を飲み始めます。
過去に酒を飲んで交通事故を起こして借金を膨らませても、やめていないみたいです。
ワンカップの酒を飲みほすと、迷うことなく街路樹の根元にカップを投げ捨てます。
基本、他罰的だし周囲に迷惑をかけます。
酒臭いのでハローワークの職員に帰るように言われますが、グダグダとくだをまきます。
絶対に反省しません。
フラフラと歩いて、女性にぶつかりそうになると、その女性の後をつけるそぶりをします。
タバコ吸って酒飲んで、女の尻を追いかけて、幸せだから仕事もお金もいらないでしょう。
これが、無職になるべくしてなる人の姿です。
就職氷河期世代は、犯罪被害者のようにトラウマを抱えて、本来いるべき場所にいないために居心地の悪さを感じています。
底辺の世界感はムチャクチャ
就活で弱い立場の時に受けるダメージ
今よりも個人の発信力が無かった時代は、ひどい態度の面接官が今よりも多くいた気がします。
就活では心細く、弱い立場になるため、外部からの衝撃に敏感になっています。
街中で態度の悪い人間に遭遇するのと、面接で遭遇するのではダメージが違います。
そういう衝撃があると、深く考える人ほど繰り返し想起して、記憶に鮮明に刻んでしまいます。
その記憶が新たな行動に影響するため、長く氷河期の状態が続きます。
就職氷河期は心の病気
氷河期世代の一番の問題は、就活の失敗によるトラウマです。
トラウマとは気持ちの問題ではなく、脳が情報を流す時のルートを変えてしまう事です。
前述の中年男性はやたらと自信がありますが、中身がなくて向上心もありません。
氷河期世代は自信がないため、向上できる能力がありながらそれを信用する事ができません。
まずは就職氷河期の呪いを解く事から、再生の道は始まります。
命の危険を感じるとトラウマを抱える
就職に関して、就職ができなかった場合の復活戦のルートは、誰も教えてくれませんでした。
就職できなかったら、それは死に等しい恐怖の中で無自覚にトラウマを抱えていきました。
氷河期世代は経済問題ではなく、犯罪被害者のリハビリと同じ回復ルートが必要に思います。
弱った時に寄ってくる怪しい人々
身内に不幸があると、それを聞きつけて新興宗教が取り込もうとやってくる話を聞いた事ないでしょうか?
洗脳する占い師とか、世の中には弱った人に群がる連中が多くいるので、注意が必要です。
優しい言葉で近づいてきて、取り込もうとします。
「政治が悪い」
と言って、自分たちの勢力に引っ張り込んで運動員にしようという人たちもいます。
そういう二次被害にも注意をしてください。
氷河期世代の奪われた資源
本来、氷河期世代にも回されるはずの資源がバブル期に浪費されて、富が少ない中で社会人生活をスタートさせる事になりました。
バブル世代が優れていたから豊になったのではないように、氷河期世代が劣っていたわけではありません。
バブル崩壊時でも年功序列は崩壊しておらず、氷河期世代の新卒が犠牲になりました。
こういう悲観的な事実によって自分に植え付けられた
『何をしてもうまくいかない』
という気持ちを振り払わなければ、いつまでも苦しいままです。
自分で尊厳を取り戻していく方法
就職氷河期世代で生きてきて、誰かが何かをしてくれた事はないし、これからもないと思います。
武器が何もない状態で就職しても、自信を喪失していくばかりなので、何か自信の核となるものが必要です。
わたしがおすすめするのは、独学ができて就活のPRにも有効なプログラミングです。
SEにならなくても、一般の仕事で活用できる範囲が広いものをピックアップしました。
就職氷河期に奪われた自信を、少しずつ取り戻す手段です。