会社選びのアドバイスは、答える人にとって無難な回答が多いです。
だから、その時点で評判が良い会社をあげてきます。
そういう会社は斜陽の入り口に差し掛かっていて、アドバイス通りに入ると右肩下がりの会社生活を送ることになります。
会社選びのアドバイスがあまり役に立たない理由
未来予測というのは専門家であっても当てるのが難しく、特に技術的なことが絡むと見当違いな事が多いです。
例えば昔、プログラマーは40歳で定年だと言われていました。
このため、長く出来ない仕事だとあきらめる人も多くいました。
現実は、今でも古い言語で作られたシステムが多くあり、それらの保守のための人材が不足していて、古い言語が出来る年配の人が高給で仕事をしています。
それに新しいプログラム言語は作りやすくできているため、昔よりも脳の若さに依存する事が減っていて、ベテランも仕事をしています。
技術の進歩が速過ぎる
昔は年長者の意見は参考になりましたが、それは対人要素が強い仕事が多かったためです。
今でも、どういう結婚相手が地雷ではないかなどは、年長者の経験が参考になります。
しかし技術的な分野は進歩が速過ぎて、数年前の知識では古い事があります。
機械が人間の進歩を上回ったため、人文的な分野以外では年長者のアドバイスが役に立たなくなってきました。
人は無難な回答をする
アドバイスを求められた人は、特にリスクを犯す必要性がないので、無難な回答をします。
例えば飲食のデリバリーを始める人が、えらい人に質問をしたとします。
「配達の原付バイクは、時速何キロくらいで走ればいいですか?」
公道での50cc原付バイクの速度制限は30kmなので、えらい人は
「時速30キロで走ることが義務付けられている」
と答えるでしょう。
しかし実際、街中を走るデリバリーは30キロ以上ではないでしょうか。
事業の成否はいかに回転を上げるかにかかっているので、無難ではなくギリギリの答えを知りたい所です。
そういう答えをしてくれる人は、なかなかいません。
会社選びはネット検索+自分の知恵
ネット検索で知識を拾い集めて、自分の知恵で組み立てるのが一番良いです。
他人のアドバイスはあくまで一般論であり、自分自身の気質と合う仕事かという要素が抜けています。
ネット検索で集まる口コミ情報はネガティブなものに偏りがちです。
特に不満がない人は口コミに書かず、不満がある人は積極的に書き込みをするためです。
逆に良い情報も、ステマ(やらせ)の可能性があります。
ステマを見抜く嗅覚は、特に映画レビューを観ると養えます。
たくさん読んでいると、ステマ特有の作り笑顔のような書き込みがわかるようになります。
否定・肯定の両方の情報を集めて、自分で組み立てて判断を下します。
ネット検索でもわかる事がある
ネットで会社のHPを見ただけでもわかる事があります。
社長の言葉は大抵、当たり障りのない事が書いてありますが、たまに本気を出してブラック臭を漂わせてしまう会社があります。
社長が末端の業務に口を出す会社は、役割の分離が進んでいない事をあらわします。
こういう会社は変な中間管理職がいたり、仕事がやりにくい傾向があります。
それと従業員数もチェックします。
従業員の人数が多いと規模が大きいなと安心してしまいがちです。
しかし事務所の住所を検索して不動産情報を見ると、狭すぎて従業員が入りきれるわけがなかったりします。
株式投資をすると会社選びの勉強になる
実際に転職を繰り返さなくても、株式投資をすると会社選びの嗅覚が養えます。
会社の評判と栄枯盛衰の流れが、短いスパンで体感できます。
ものすごく好調だという情報が沢山出てきて株価が上がりますが、水面下では問題を抱えています。
株価が上がりきった所で、問題が表面化して一気に暴落をしていきます。
会社やメディアが発する
『好調だ』
という情報は、まったくアテになりませんでした。
だいたい好調さに陰りが出てきた頃に、好調だという情報が沢山流されます。
無難と思って株を買ったのに
イメージだけで銀行は無難だから大丈夫だろうと思って株を買い、下がった事があります。
銀行と接した経験があるのに、自分で考えずに世間のイメージを優先させた結果、失敗しました。
会社の法人口座がある銀行に、黒字経営だったにも関わらず融資を断られて苦労をしました。
もう運転資金に不安がなくなるくらい口座残高が増えたら、銀行から貸付をさせてほしいと連絡がありました。
本業がこの状態で、どうやってお金を稼ぐのかと思いました。
さらに個人口座が増えたら金融商品を勧められ、調べたら元本割れが多いものなので断りました。
こういう商品を売らざる得ないほど困っているのかと思いました。
古い常識に囚われると、正常な会社選びの判断ができません。
会社選びは自分の好きな事を参考にする
自分が好きだと思う事には、仕事を選ぶ時の参考が含まれています。
しかし、一般的な
『好きを仕事にする』
という言葉を誤解している人が多いです。
例えばアニメが好きだからアニメ制作の仕事をして、上手くいかない人がいます。
これは、『アニメ制作が好き』ではなく『アニメを観るのが好き』な人が間違って働いた例です。
恐らく『模型作りが好き』という人の方が、アニメ制作に適性があります。
会社選びも好きなものではなく、自分が好きな行動を軸に考えると、適職に辿りつきやすいです。