わたしは人の顔色を伺いながら、『気分を害していないだろうか?』と気にしていたので、人と関わる仕事では疲れてばかりで成果がでませんでした。
人の顔色が気にならなくなる本、みたいなものを読んでも一向に治らず、疲弊しては会社を辞めるというのを繰り返していました。
生まれつきの遺伝もあるし、大人になってから性格など変わるものではないので、むしろ能力として活用をしたことで給料に換えることができました。
40代で早期リタイアした今は、人の顔色を伺う必要がない生き方をしているので、大分楽になりました。
わたしと同じように気持ちが疲れやすい人に向けて、顔色を伺う能力の生かし方を書いていきたいと思います。
人の顔色を伺う能力は、先読みに通じる
わたしは顔色を伺う性格を、人の行動を先読みする能力と認識してからは、年収が年々上がるようになり、30代半ばからは大企業の平均を下回る事がありませんでした。
会社の仕事は各自が規則性なくバラバラにやっていると効率が悪いので、観察をして最適化することでコストを削減できます。
人の顔色を伺う人は遠慮がちですが、仕事を言い訳にすれば最適化を断行することができます。
わたしは役職が上がって人を査定する立場になって気が付きましたが、人の顔色を伺うスキルは割と高度な才能のようです。
自分の弱点だと思っていることも少し違う角度で見ると強みになります。
相手の視点に立てるから稼げる
人の顔色を伺う人は、自分の行動を相手がどう感じるかを気にします。
その時に意識は自分の視点を離れて、相手の視点に立って見ようとしているはずです。
この感覚が現代の仕事で稼げるスキルになります。
わたしはこの事に気がついてからは人の顔色を伺うのを封印するのではなく、業務改善に積極的に使用しました。
嫌になるほど気にしてしまう
わたしがコンビニに行こうとマンションの玄関から出ようとした時、受付の人が住人に怒鳴られていました。
それで戻る時に「大変でしたね」と缶コーヒーを渡しました。
そんな事が2~3回あってから、
(あれ? 素通りしたら受付の人は、わたしが受付の人に悪感情を抱いていると思わないだろうか?)
と、受付の人の心情を勝手に想像して、気にするようになってしまいました。
他人の感情を過剰に気にして、勝手に気疲れしてしまいました。
人の顔色を伺う社会人は、疲労感との戦いがあります。
人より疲れるので仕事を辞めてしまいがちですが、それは敏感なセンサーを持っているがゆえの負担です。
成功者にも顔色を伺う人はいる
成功者の話の多くは大胆で、内向的な人には大よそ共感できないエピソードばかりで参考になりません。
そんな中でドトールコーヒーの創業者の話は共感が持てました。
創業者は対人恐怖気味だったのに父親に物売りをさせられ、そこでミスをしたら父親が刀を持ち出したので逃げ出し、東京で住み込みの仕事に就きました。
それが喫茶店で、コーヒーとのつながりが生まれます。
流されて営業
喫茶店に就職したものの店主がブラジルに渡ってしまったので、彼は付き合いのあったコーヒーおろし会社に転職しました。
そこで営業をしましたが、対人恐怖症の彼はグイグイ押す事ができません。
そこで彼は店の人がやってほしいと思う事を察して手伝い、店主が一息つける余裕をつくり、自社のコーヒー飲ませて契約をとる事ができました。
自分で店をやるようになると、これも客の視点に立って安らげる店を作って繁盛させました。
こういう対局思考(相手から見る視点)を持っている人は、会社でも希少価値があります。
内向的な人は成功の糸口をつかむ前に、力尽きてしまう事が多いですが、本来は成功しやすいです。
人の顔色を伺う度合い
人の顔色を伺う度合いが強い人は、例え損でも自分の意思を押し込めて、すぐに他人に譲ってしまいます。
他人の機嫌を損なう事が、自分のことより重要でした。
そういった性格で都市部の給料の安い職場だと、タカリ体質の人にとられるばかりでした。
泣いて抗議した友達・泣き寝入りしたわたし
人の顔色を伺う性質は小学生の頃から自覚していました。
ある地域のお祭りで金券を使うとレ点を入れられるのですが、食べ物の列に並んでいたら係のおばさんが数人まとめてレ点を入れていました。
ただこのおばさんはウロウロしながらレ点を入れるので、どの子供まで入れたのかがあいまいでした。
その結果わたしと友達にもう一度、レ点を入れてしまいました。
友達が抗議してもおばさんは非を認めず、泣いて抗議したらおばさんは苦笑いを浮かべながら消していました。
抗議しなかったわたしは、そのままでした。
わたしは泣き寝入りする代わりに、おばさんの顔色を見ていました。
仕事の仕方が適当なのに、自信満々で間違いを認めない顔を眺めていました。
この経験のためかわたしは大人になってから、仕事の仕方をよく考えミスを繰り返さないフロー作りを重視しました。
属人的で間違いが起こりやすい仕事を徹底的になくして、収入にかえました。
気を回し過ぎて失敗
深夜のエレベーターに女性が乗ってたら、男性は一緒に乗らないのがマナーとかいうのを知った次の日、そういう状況が起こりました。
わざわざ「先に言ってください」と言うのも恩着せがましいので、ゆっくりと歩いて前を歩く女性とエレベーターに乗るタイミングをズラそうとしました。
しかしエレベーターの女性はわたしを待っていて、「遅せぇな!」的な鬼の形相で彼女が顔を出したところでバッチリ目が合ってしまいました。
こちらが気を回し過ぎて、かえって気まずい状況を作り出してしまいました。
それにしても女性の目は怖くて、一緒に乗り込んだらこっちがどうなっていたかわかりません。
仕事で活かす
会社の仕事は、各部署で連携する部分が発生します。
連携をスムーズに進めるには相手の部署にとって、どういう形で仕事を渡すとベストなのかを考える必要があります。
この部分がちぐはぐで、部署間のロスが大きいケースが多々ありました。
人の顔色を伺う人は、相手の部署が欲しがる形の『察し』が良いはずです。
わたしは自分の部署だけでなく、あらゆる部署に視野を広げて、全体にとってスムーズな仕事の仕方を考えました。
わたしは自分がないので、どこの部署の視点にも立つことが出来ました。
他人の仕事をやるとお金になる理由
わたしがやったことは、ある仕事を専業でやっている人に成り代わって、より上手な仕事に組み替えることでした。
顔色を伺う観察眼が、他人の仕事を見て把握する能力に繋がっています。
環境に応じてカメレオンのように姿を変えられる人は、会社組織側からすれば非常に使い勝手が良い人材です。
これが出来るようになってから転職をして新しい職場に移っても、順応するのが早かったです。
人の顔色を伺う原因は親が厳しいとか横暴など
人の人格は遺伝と家庭環境で決まります。
人の顔色を伺う人の親は、高圧的な人が多いのではないでしょうか。
力が弱い子供が強者の親に大きな声を出されたりすると、なすすべがありません。
生き延びるには相手の顔色を伺って危険を避ける以外、ありませんでした。
したでに出ると、つけあがられる?
臆病な性格が嫌でしょうがなかったので、昔は抗おうとしていました。
けど無理に強気のフリをしても、中身は変わっていないので心がヘトヘトに疲れました。
社会では、したでに出るとつけあがられると思っていましたが、つけあがるのは変な人だけでした。
したでに出て横柄な感じで接してきた人は、すぐに関係を切っていきました。
結果、ちゃんとギブ&テイクの関係ができる人や、報酬で返してくれる人とだけ付き合う事ができました。
ちゃんとした人は、腰が低い人には同じように返してくれます。
顔色を伺う人は関係を断ち切る事を悪い事だと思いやすいですが、自身の人生を第一に考えてください。