お笑い芸人の仕事で見る、独身と既婚の違い

社会人

 

お笑い芸人は感性の鋭い人が多いですが、彼らが言う

 

『結婚をすると、面白くなくなる』

というのは、本当でしょうか?

 

独身のわたしの観察では、漫才やコントなど自力で笑わせるのが独身型のお笑いで、MCで場を支配するのが既婚者の仕事という感じです。

 

面白さの鋭さで言ったら独身型ですが、息が長いのは既婚者です。

 

独身と既婚で仕事が変わる理由

 

適者生存とは、自分が生きる環境の生存競争で生き残るのに適した姿のことです。

 

人格が定まっていない10代の頃は、誰もが適者の形を模索している状態です。

人も動物なので、適者となり生き延びて、自分の遺伝子を残すことを目的にしてます。

 

だから男性が芸人になる理由は

 

『モテたい・お金持ちになりたい』

というのが殆どです。

 

男性は競争をしないと遺伝子を残せない時代が長かったので、他の男性より目立つ必要がありました。

これが『面白さ』のスキルを上げる、動機づけになります。

 

 

青年期の芸人の冒険

 

若い独身の芸人は、様々なジャンルに挑戦します。

 

様々なフィールドに旺盛に進出して、自分の領域を広げようとします。

その姿は、成長したオスのライオンが群れから追放されて、自分で居場所を作っていく姿に重なります。

 

出演した番組では何とか爪痕を残そうと必死なので、ガツガツして前に出て笑いをぶんどっていくスタイルです。

 

野生に近いので感覚も鋭敏で、倫理的にギリギリの笑いを提供してくれます。

このトガッた笑いを基準にすると、結婚してガツガツする必要がなくなった人のお笑いは、物足りないと思うでしょう。

 

お笑いに限らず、独身の研究者の方が発表する論文の量が多いなど、自分の存在感を出す活動を継続させます。

 

量が多ければ良いというわけではないですが、未婚・既婚の行動の違いは表しています。

 

結婚した芸人が落ち着く理由

 

結婚した芸人は、もう生存競争のためのアピールが必要ないので、ガツガツすることはなくなります。

 

更に子供が産まれれば、後は子供が生存競争に有利になるよう、教育資本を稼ぐだけです。

この段階で漫才やコントの大会に出たら、鬼気迫る若手には勝てないでしょう。

 

ですが結婚して子供が出来た芸人は、MC(司会・番組進行)の道があります。

 

結婚と子育てで大人も成長する

 

大人になると人格が定まって変化しにくくなっていきますが、もう一段の変化を促すのが子供の存在です。

 

結婚をして他者と暮らすだけでも、互いに影響を受けますが、親になるのが最もインパクトが強いです。

 

父性の気質が上がる事により、責任感や厳格さが身につきます。

親の目線から子供を見る視点が、仕事ではMCで役に立ちます。

 

全体を見て勢いのある若手にパスを回すので、自身はそんなに体力や瞬発力が必要ありません。

だから長く芸能の仕事を続けられます。

 

 

芸の肥やしとは

 

芸人は芸の肥やしと称して、結婚しても奥さん以外の女性と付き合ったりします。

 

これはオスの野良猫が方々で子供を作っては、放浪する姿に似ています。

いつまでも現役感を失わずギラギラとしているのですが、子育てをする奥さんにとっては危機でしかありません。

 

女性の発言力が増した現在、野良猫型芸人は許されなくなってきています。

かつては政治家に奥さん以外の女性がいたのも、仕事で成功するための発奮材料でした。

 

それほど男性にとっては、モテるという要素が重要でした。

 

独身のお笑い芸人

 

独身の岡村隆史さん(執筆時点)は、笑いでも若い頃と同じ立ち位置でやっています。

 

体力と瞬発力が必要なスタイルで、感性の鋭さも求められます。

それでいて芸歴を重ねているので、失言が許されない立場になり、やりにくさがあると思います。

 

コロナ関連で女性に対する失言があった時は、相方の矢部さんに

『結婚しろ』

と説教されて、痛々しかったです。

 

自身も結婚願望がある事を言っていましたが、神経が細かい人がずっと誰かと一緒にいるのって、辛い事なんですよね。

 

神経が細かさがお笑いのセンスに繋がり、面白さとしては矢部さんより岡村さんの方が上でした。

それが立場が逆転したかのようで、切ない光景でした。

 

同じ独身でも有吉さんは結婚願望を前面に出さず、バランスよく仕事をしています。

結婚するかどうかより、自身の気質に合った方を選択した方が、生きやすくなります。

 

既婚のお笑い芸人

 

ダウンタウンの浜田さんは、26歳で結婚をしています。

 

その後も勢いが衰えず、ダウンタウンは黄金期を迎えました。

ただ、奥さん以外の女性と付き合っていた事が発覚して、野良猫型でモチベーションを保っていたことが伺えます。

 

極楽とんぼの加藤さんも早めに結婚しましたが、結婚してからの方がバランスが取れています。

二人とも父性的な気質で、場を支配するMCを得意にしています。

 

独身と既婚者は、ゴールが違う

 

独身が無理に既婚者の価値観に合わせる必要はありません。

 

両者は人間としてのゴールが異なります。

独身の人は生涯をかけて、内なる自分と完全に融合するのがテーマになります。

 

禅の境地のような感じで、自分を理解する事で社会の人々を理解する事ができます。

鋭敏な感性で人間理解の境地に達したら、それを社会の人々にフィードバックする事で満足します。

 

子供がいる既婚者は、自分の配偶者と良好な関係を築き、子供が次の遺伝の引継ぎに有利になるよう育てるのがテーマになります。

 

ゴールはそれぞれ異なりますが、境地に達した時の幸福感は同じです。

 

 

各々に不幸がある

 

独身の人の不幸は、自分の内面と融合する事ができず、他人と比較して人生に足りないものを思って恨むことです。

 

世を呪うだけの存在になり、負の感情に支配されて不愉快な毎日を過ごします。

既婚者の不幸は配偶者との相互理解に失敗し、一番近い距離で憎しみ合う関係になる事です。

 

こういった不幸は、本来は独身になるべき人が結婚する事で起こります。

自分が独身と結婚のどちら向きなのかというのは、人格が定まるまで判然としません。

 

それゆえにミスマッチが生まれます。

独身でも不安のない生き方などを他のページに書いているので、よかったら色々と読んでみてください。