雑誌やテレビだけの時代、広告の手法が視聴者に教えられる事はありませんでした。
わたしはネット広告業界の出身で、ネガティブなニュースが商売だという事を知っています。
ここではわたしの半生の経験を晒して、実際はどうだったのかを書いていきたいと思います。
予め言っておくと、わたしは40代無職です。
ここだけ切り取ると悲惨なイメージしかありませんが、生活には困っていません。
メディアは一部を切り取って、最悪の部分しか映し出しません。
『〇〇だから就職できない』のウソ
SNS時代に暴かれたのは、テレビの偏った制作方法です。
例えばあるデビュー前のアイドルについて、街頭インタビューをしたら、女子中高生の人気が高いという内容を放送しました。
ですがSNSには、スタッフが『このアイドルを好きな人』というフリップを持って、インタビュー相手を探す画像がアップされました。
さも無作為な街頭インタビューのようにして、一般人気が高いという風に見せていました。
こういう体質で
『就職できない人達』
という番組を作ります。
ではなぜ、彼らはそんな意地悪をするのでしょう?
不安を煽ってすがらせる広告
テレビCMを見ると、悲鳴を上げたりサイレンを鳴らしたり、いろいろな方法で不安を煽ってきます。
CMだけでなく、テレビ番組も観ると不安な気持ちにさせられるものが多いです。
これは人が不安になると、何かにすがろうとして広告の効果が上がるため、テレビは故意に不安を煽ります。
人が不安な時の行動は企業に計算されていて、人は実際のリスクよりも大きく被害を見積もって出費をします。
その心理を直接利益にしているのが、保険会社です。
不安な時ほど、不安な情報を集める
人は不安な状況に陥ると、
不安な気持ち⇔気を確かにしないと
という、不安定な心理状態になります。
この葛藤を解消するため、不安になる根拠は何かを調べ、不安な情報ばかりを集めてしまいます。
こうなると不安が不安を呼ぶ状態になり、負のループから抜けられなくなります。
このパターンで、3.11の放射能とかコロナウィルス下で、テレビばかり観てノイローゼになる人がいました。
就職に関する不安も、命に係わるような大きなストレスなので、不安のループに陥りやすいです。
そうなると、自信がどんどん削られていきます。
既卒は就職できない?
新卒で就職を逃したら、ロクな会社に入れないというのが定説でした。
ですが実際は定説と言うより、都市伝説というニュアンスの方が正しいです。
多くの人が信じようとするから、何となく事実っぽく感じられるだけで、当事者がいない話です。
この話の出どころは、
▼
そのためにいい大学
▼
偏差値を上げよう!
という、教育界の思惑ではないでしょうか。
テレビの仕組み
子供の頃に、『流行りのテレビ番組を観ていない子供は、学校で仲間外れにされる』なんていうのが、大人向けの情報番組で流されていました。
当の子供のわたしは、(そんな事ないのに・・・)と思っていましたが、少なからぬ大人が信じていました。
テレビで使われるインタビューはヤラせか、本当に仲間外れにされている子の親か知りませんが、一方の意見だけを使います。
就職に関しても、一回の選択ミスで奈落の底に落ちるような事ばかり発信しています。
彼らが悪質なのは、奈落に落ちる事ばかりを発信して怖がらせて、落ちたらどうやって這い上げるのか教えない所です。
誰も教えてくれませんでしたが、奈落に落ちてもすぐそばに通用口みたいなのがあって、わたしは普通に這い上がる事ができました。
5~6年就活しなかった結果
わたしは専門学校を卒業後、5~6年は就活をしませんでした。
就職氷河期の当時にこんな事をするのは、人生を諦めた人の行動です。
就活をしても受からないと思って逃げ続けていましたが、逃げ場がなくなってから、就活をしたら普通に就職できました。
ブランクがあるのであまりいい会社ではなかったですが、そこから転職をしていって、待遇が良くなっていきました。
わたしが今、無職なのはリストラされたからではありません。
30半ばくらいから年収が大企業平均を下回る事がなく、自社株の利益もあって経済的にメドが立ち、早期リタイアしたからです。
このあたりの詳細は別カテゴリーに書いているので、よければ色々と読んでみてください。
ただ、わたしが不安に煽られて無駄にした時間は取り戻せないので、せめて誰かの役に立てばと経験を書いています。
その結果、読んだ方が不安で動けない時間が減ったら、わたしも時間を取り戻せた気になります。
不安な気持ちの逆を
不安な気持ちの時に、より不安になっていくのは前述のとおりです。
就職をする時は、これと真逆の事をすると効果的です。
つまり自分に
『就職できる』
という自己暗示にかける事です。
デスクワークを希望していたわたしは、自分がオフィスで働いている場面を四六時中思い浮かべ、そこにいるのが当然という心理状態に持って行きました。
こうすると無意識のうちに、就職に関する情報を集める時に、成功するものばかり溜めていきます。
くだらないと思うかも知れないですが、この方法は効果がありました。
明確な姿を想像するイメージトレーニングは、プロスポーツ選手などもやっている事です。
費用もかからないし、やっても損はないですよ。
就職できないから起業する?
不安を煽る広告以外でも気を付けるべきなのが、興奮を煽る広告です。
不景気の時に目についたのが、
『独立起業』
の広告です。
月収〇万円可能とか書いてあって、会社勤めより楽に稼げそうな印象を受けます。
フランチャイズは、フランチャイズ運営元が儲けるための業態です。
わたしのパターン
わたしは一人で起業をして、失敗したことがあります。
フランチャイズとかではなく、自分のスキルを売り物にした自営業です。
仕事の依頼は来たのですが、
『お金をください』
と言うのが苦手だったので、稼ぐことができませんでした。
それでもあまり敗北感がなかったのは、会社勤めをしていた時から仕事が評価されて、起業をしてからも色々と声をかけてもらったからです。
つまり会社にいる時から下地があったので、一人でも仕事が入る見込みがありました。
起業は自分のスペックが上がって、会社が足かせになった時にするものだと思います。
就職できない理由を探さない
就活で落とされるとショックなので、事前に
『ブランクがあるから落ちる』
『未経験だから落ちる』
といった理由を、自分の中に探そうとします。
こういう風に自分の弱い部分に焦点をあてると、落ちる確率が上がります。(自分調べ)
自分にある物に注目する
就職できないループにはまる人は、自分にないものばかり注目します。
わたしは必要のないものが頭に一切入らないという、病気か何かしらない症状があるので、資格は運転免許くらいしかありませんでした。
その代わり、興味のある方向にはどん欲なので、好きな方向ばかり伸ばしていきました。
苦手分野はお茶を濁す程度にして、得意科目に注力して、他の人より頭二つ出ればスペシャリストとして通用します。
何が得意かわからない場合
適職診断も商業的なものが多いので、適職診断の元に使われるエゴグラム等の性格診断をオススメします。
ちなみにわたしは『臆病さ』に関する気質が最も高くて、ガッカリしました。
ですが臆病なので段取りをしっかり組む事で、本番の弱さを回避できました。
それが高じて仕事では、設計をするのが向いていて、よく稼げました。
他人が言う就職できない話より、自分の内面にフォーカスを当てた方が、シックリとくる答えが出てきます。