社会人にオススメの漫画

社会人
センゴ(8)ク 宮下 英樹著

 

わたしの社会人生活は

無職とフリーター

正社員でも何度か転職

ベンチャーを起業(共同)

資産を築いて早期リタイア

というルートを辿りました。

 

少し早めに社会人生活を上がって、社会人の実生活に役立つ漫画がわかりました。

 

社会人生活にモチベーションが欲しいという方に、『センゴク』という漫画シリーズをオススメします。

 

漫画センゴクシリーズ

 

 

戦国時代の漫画と聞いただけで

 

『ああ、どうせいつもの・・・』

と思うのは早計です。

 

いつもの漫画だと、信長・秀吉・家康あたりが主役で、おなじみのイベントを眺めるだけになりがちです。

 

こういう漫画を読むと、何だか歴史に爪痕を残さないといけないような焦燥感にかられます。

それに人物描写も紋切型で、人間味がありません。

 

センゴクシリーズは、仙石秀久という何も無い兵卒の視点から描かれています。

彼は要所要所の頑張りで、なんとか武将にはなりますが、それ以降も失敗を繰り返します。

 

この失敗を挽回する姿が、現代の会社員生活とシンクロしていました。

 

これまでの英雄譚のような漫画では違和感のあった部分が、普通の人間の視点から描かれているので、すっと入ってきます。

 

例えば武田信玄

 

普通は、武田というと風林火山の旗と騎馬で描かれるのが多いですが、センゴクでは違います。

 

センゴ(8)ク 宮下 英樹著

 

「合戦の前に勝利を決めよ

矢を放つ 槍を合わすは事後処理にすぎぬ」

 

普通の漫画ではメインイベントの合戦を、単なる事後処理と言い切ります。

 

仕事はぶっつけ本番の方がドラマチックですが、長い社会人生活を生き残るのは、段取りができる人です。

 

武田信玄の強さは、詰将棋で勝てる状態まで進めて、最後の一手である合戦をするので、当たり前のように勝ち戦を重ねます。

 

しょっちゅう合戦などしていない

 

普通の戦国漫画に無理があるのは、合戦をメインに描くからです。

 

奇襲とか強い兵士がいて無双するとか、すごく薄い話になっています。

実際は戦国時代と言えど合戦以外の時間の方が多くあり、センゴクではそこに焦点があたっています。

 

武田信玄に報告に来た者が、徳川家の動きを話すと、

 

センゴ(8)ク 宮下 英樹著

 

「知っておる。 どんな瑣末(さまつ)なことでもよい。

ワシの知らぬ情報のみを知らせよ‥‥」

 

そこで一人が、自軍配下の作田という男が、ただ一度の口論の末に女房に逃げられた事を、冗談まじりに言いました。

 

信玄がその場にいた家臣らに

 

「(女房は)戻ってくるかの?」

と質問し、無論と答える家臣に根拠を聞きます。

 

家臣らは表面上でわかる、当たり前のことしか言いません。

 

信玄は

「女房の性格は調べたか?」

 

と聞きますが、家臣は『いえ・・・・』と言います。

 

ただの冗談話が、既に軍議のようになっています。

 

「女房は戻らぬ。

喧嘩は女房より仕掛けたのじゃ

元々愛想を尽かし別れるキッカケをずっと窺っておったのよ」

 

センゴ(8)ク 宮下 英樹著

 

「準備の周到な女よ

我らも見習わねば」

 

このようにして信玄は、家臣や我々に教訓を教えてくれます。

 

 

徳川家康

 

織田が武田とぶつかるのを嫌がって、同盟を結んでいた頃のこと。

 

機を伺っていた信玄が行動を起こします。

 

センゴ(9)ク 宮下 英樹著

 

信長の心情を、反転する絵で表しています。

 

織田が手いっぱいで動けない中、まずは織田の同盟の徳川に攻め込みます。

この時はまだ織田と武田にも同盟があり、織田は直接対決に踏み切れないでいます。

 

この迷いにより、織田と徳川の同盟に揺さぶりをかけるのが信玄の目的です。

実社会でも、連鎖して起こる状況を想像できないと、いつまでも仕事ができない人になります。

 

武田軍は支城の攻略にも巧みな心理戦を織り交ぜ、普通は攻略に1ヶ月かかる城を、三日に一城を落して進軍します。

 

失敗をする家康

 

信玄に負け続けて、例え小競り合いで勝っても、それすら信玄の術中にはまっているのではと疑う家康。

 

センゴ(9)ク 宮下 英樹著

 

「この先 何度賭けに勝利しようとも

敗北の坂を転がり落ち続けているようにしか思えん」

 

最後には天下を統一する家康も、不安な心理に揺さぶられます。

ですが、失敗を忘れないでコツコツと階段を上り続ける事で、戦国時代を勝ち上がる事ができました。

 

社会人生活では、過去の武将たちと同じような気の迷いが沢山あります。

それを乗り越えるヒントが、センゴクにはあります。

 

センゴ(9)ク 宮下 英樹著

 

センゴクは、失敗に焦点を当てた作品とも言えます。

 

わたしが社会人生活で痛感したのは、10連敗してもドロップアウトしなければ、勝利のチャンスがあるという事です。

 

わたしは、ニートをしていた10年後には、年収が1千万円を超えていました。

センゴクという漫画には、ポジティブシンキングとは違う、日本人らしい粘り強さが描かれています。

 

今川義元

 

センゴク外伝 桶狭間戦記 宮下 英樹著

 

これまでの漫画では、今川義元は公家のような恰好をした、単なる無能に描かれていることが多かったです。

 

ですが、そんなボンクラが下克上の世の中で、大名でいられるわけがありません。

領国運営に優れていて、画期的な法律や兵力の動員体制など、会社運営に近いものがあります。

 

会社運営とまでいかないまでも、課の運営にも通じるものがあり、社会人の参考になります。

 

現代でも平社員が

「経営者がわかってない」

 

と言ったりしますが、わたしが接した限りでは経営者には人よりも多くの感覚があり、凡人のわたしが感じ取れない事も読み取っていました。

 

優れた他者を認め、その能力を参考にする事で、自身の人生は向上します。

そのおかげで、凡人のわたしの年収は最高で2,500万円まで達しました。

 

実績のある人に対して批判的ではない方が、得るものは大きいです。

 

 

現代の仕事にも通じる

 

センゴク外伝 桶狭間戦記 宮下 英樹著

 

義元の国では、細かな法度(法律)によって、役人が効率的に領国運営をしていました。

法度は、会社の仕事を人に振るためのマニュアルのようなものです。

 

そのマニュアルは、あらゆる角度から問題を解決できるようになっています。

このあたり、システムエンジニアの設計業務にも通じます。

 

センゴク外伝 桶狭間戦記 宮下 英樹著

 

自分の仕事が、数百年も昔の戦国大名にも通じていると思うと、モチベーションが上がらないでしょうか?

 

義元は戦国時代のことを、自分にとっての遊び場だと言っています。

こういう肩の抜き具合も、仕事のストレス対策になるのではないでしょうか。

 

無論、漫画としても面白い

 

織田領に侵攻中の義元が、景色を眺めて足を止めて部下に聞きます。

 

「ほう 絶景よの

この山はなんというのかね」

 

『地元の民に聞いてまいります』

 

センゴク外伝 桶狭間戦記 宮下 英樹著

 

この静かなコマの次に、

 

センゴク外伝 桶狭間戦記 宮下 英樹著

 

「ほう 桶狭間か」

 

と、かの有名な場所、桶狭間を紹介しています。

戦の気分を盛り上げるのではなく、誌的な導入で入ります。

 

このように漫画としても、優れた表現があります。

 

センゴクシリーズのオススメの読み方

 

センゴクはシリーズ全てだと、数十冊に及びます。

センゴク
センゴク天正記
センゴク一統記
センゴク権兵衛
センゴク外伝 桶狭間戦記

 

巻数が多いと、いまさら読もうと思わなくなる人も居るのではないでしょうか?

 

わたしもそうで、ワンピースとかキングダムとか、巻数の多さにしり込みしています。

 

全部は読めないという人にオススメするなら、

 

センゴク一統記(1) (ヤングマガジンコミックス)

 

です。

 

本能寺の変もここに含まれますが、明智光秀の恨みではなく、新たな動機を描いています。

他にも四国の長曾我部や、豊臣秀吉と徳川家康の対立など、歴史の勉強ではサラッと流されがちな部分が出てきます。

 

センゴク

 

シリーズ最初のセンゴクは、プロローグの色合いが濃いです。

 

仙石秀久の年齢的にも、まだ人格が定まっていない頃です。

武田が出てくるのは8巻くらいからで、戦史が好きな方はそこから読むのがオススメです。

 

センゴク天正記

 

武田との戦に続き、上杉謙信や毛利が出てくる章です。

 

謙信は義の武将と言われていますが、センゴク天正記では別の解釈がされています。

戦国の混乱こそが、自然の営みと同じく人を鍛えてくれる。

 

永遠に終結しない戦さこそが、人の世のあるべき姿だと思っています。

 

センゴク権兵衛

 

前半は九州の島津との激闘で、そこから戦のない世に移行します。

 

仙石秀久も管理職のようになり、いろいろなしがらみが生まれます。

このあたり、現代の会社員ともかなりシンクロする部分があります。

 

センゴク外伝 桶狭間戦記

 

織田信長と今川義元の話ですが、興味深いのは織田の貨幣経済です。

 

信長は高価な茶器などを集めたりしましたが、あれも現在のインフレ・デフレ政策に通じるところがあります。

金の算出が豊富な武田が破れたのは、貨幣経済で負けたのも一因です。

 

近代の日本が世界的な金融市場の一角になれたのは、早い段階で貨幣の運用をしていたからではないでしょうか?

 

わたしは起業により株を取得し、それが早期リタイア資金の一部になりました。

今は銭の運用をしていますが、信長当時の運用と、あまり変わる所はありません。

 

 

社会人に歴史漫画をオススメする理由

 

センゴクシリーズでは、『縁』の概念が随所にあります。

 

わたしは一人で居る事を好む性質ですが、社会人生活が上手くいったのは、人間関係の要素がかなり大きいです。

 

良縁を結ぶためにはどういう振る舞いをすればいいのか、参考になる部分が沢山あります。

技術は進歩をしますが、人間に関する事は数百年前とあまり変わりがありません。

 

機械の無い当時の話の方が、人間の本質がわかりやすく学べます。

現代社会で、わたしがどういう選択で大企業平均以上の収入が得られたかなどは、他のカテゴリーに書いてあります。

 

よければ色々と読んでみてください。