『HSPでも恋愛や結婚ができる』、というのは他の方にお任せします。
わたしが恋愛経験を経て独身を選択した結果、どのようになったのかを書いていきます。
人並みに男女交際を経験してきましたが、毎回つきあいが進むにつれてしんどくなって、ギブアップしてしまいました。
相手が違っても同じような顛末になるので、自分の心は恋愛や結婚を望んでいないのでは?
と考えるようになりました。
そして
【恋愛と結婚をしなくてもいい】
という結論に至ってからは、気が楽になって解放されました。
独身を推奨しているわけではなく、あくまで選択肢の一つとして拾っていただければと思います。
誰にとっても恋愛と結婚が幸せなのか?
世の中の価値観は、多数の人に合わせて作られています。
動物は繁殖のために生きているので、『恋愛と結婚が幸せ』というのは人間にも当てはまります。
わたしも若い時には何の疑いもなく、恋愛と結婚を義務のように思っていましたが、あまりに上手くいかないので
『果たして自分にとって幸せなのか?』
と疑問を持つようになりました。
HSPという言葉がまだ世にない時代、実際に失敗をして傷ついて、徐々に自分が望む生き方に近づいていきました。
社会に2割くらいしかいないHSPには、独自の価値観があり
『世間一般とは異なる幸せがある』
という結論に辿り着きました。
相手に人生の主導権を握られそうになる
HSPという概念がない時代に、仕事を辞めて引きこもってしまう理由が自分でもわかりませんでした。
その無職期間の時に、付き合っていた相手から
『仕事は探している?』
『お金は大事だよ』
などと言われ、違和感を覚えました。
同棲しているわけでもないし、お金を借りているわけでもなかったですが、わたしとの将来を心配して相手は言ったのだと思います。
わたしのために言ってくれたかもしれないですが、いつも他人に合わせて疲れているのに、
『自分の人生の主導権さえ他人に握られる?』
そう思ったら怖くなりました。
その相手とは別れて、一人で英気を養って、再び就職して仕事に復帰しました。
HSPは孤高が合っている
犬やオオカミの中で、人に寄ってくるのは人懐っこいのではなく、群れの中で警戒役の個体なのだそうです。
HSPは音や光に敏感な脳をした人が多く、心配事も増幅するので、人間社会の中で警戒役なのではないかと思います。
群れから少し離れたがるのも、警戒役ということなら説明がつきます。
別の説として群れが一ヵ所に固まっていると全滅しやすいので、生物の多様性の観点から一人になりたがる人間が作られた可能性もあります。
ともかくわたしは、誰かと一緒にいるよりも、一人の時に幸せを感じます。
これを大多数の人は『寂しい』と思うでしょうが、快適な温度が人によって違うように
孤独=快適
に感じる人間がいても、良いのではないでしょうか。
HSPと相性がいい相手は?
好きになった相手に好かれると、嫌いになってしまう蛙化現象というものだったので、10代の頃は付き合うまでには至りませんでした。
蛙化現象は自己肯定感が低い人がなりやすいので、HSPが何となく関わっていそうな気がしますが、関連性は定かではないです。
そんな経験を何度かしたからか、それとも年齢のせいか、20代になると胸が高鳴るとか恋愛感情っぽいものがなくなりました。
ただ、当時のわたしは
『人間は恋愛して結婚をしなくちゃいけない』
と思い込んでいたので、20代で人並みに男女交際をするようになりました。
基本どのタイプといても、脳のエネルギーの糖分が全部蒸発したように、脳がくたびれる感覚をおぼえました。
HSPとおとなし目の相手
おとなしい相手が、付き合って一番疲弊しにくかったです。
ただ、デートで行きたい場所を聞いても希望を言わないので、毎回プランを作る義務が負担に感じました。
HSPは相手が喜ぶことを考えられますが、深く考えるために精神力を消耗します。
わたしの場合はデートプランを相手の視点に立って考える場合、幽体離脱をするようにドップリと相手になり切ります。
自分の意思と離れる時間が長いほど、自分の存在がなくなったように感じます。
相手にとってわたしは、何人目かの交際相手でしたが、
『一番合う』
との事でした。
おとなし目の相手でも別れる
わたしは相手に合わせ過ぎて疲れてしまいましたが、合わせ具合を下げる事はできませんでした。
HSPは機械ではないので、都合よく感度を下げたりはできないです。
仕事でもプライベートでも疲れを感じて、仕事を辞めてしまいました。
無職期間に入っていたら
『仕事は探している?』
と聞かれ、現状に焦ってしまいました。
自分の人生は自分で決めたいという思いもあったし、仕事復帰の目途が立たずに申し訳ないので別れました。
一人になって再就職に没頭できて、無事に復帰しました。
重要な決定は、一人で沈思黙考して決めるのが合っています。
自己主張の激しい相手
今度は付き合うキッカケから、相手主導の人とのケースです。
同棲をしたので、仕事から帰っても一人の時間がありません。
HSPの存在自体が発表される前だったので、ケンカでもしない限り一人の時間を作るのは、おかしな事と思われていました。
相手の人は自己主張だけでなく行動も活発で、休日の夕方に突然ゆうえんちに行こうと言い出したりしました。
HSPだから通勤や会社で疲弊した分を、休日にこもってリセットがしたかったので、夕方からゆうえんちというのはキツかったです。
断ることさえ、申し訳ない気持ちが強くて負担に感じます。
ただ普段は、HSP的に100%相手を楽しませていたので、険悪にはなりにくかったです。
突然親族が来る
わたしの行動が消極的だったので、相手が結婚方向に進展がない事にシビレを切らしたのか、とつぜん相手の姉夫婦を家に呼びました。
休日の朝でスウェット姿の所にサプライズで来たので、すごく気まずかったです。
HSPが感じる気まずさって、後悔とか罪悪感が強くて大ダメージです。
結婚したら事あるごとに、こんな時間を過ごすのかと思うと付き合うのが怖くなりました。
たった一人と付き合っても負荷を感じるのに、結婚したら何人もの親族と付き合いが発生します。
このあたりから、結婚というイベントに対して葛藤が生まれました。
付き合ううちに疲れてしまって、休日にわたしだけ部屋で休む時間が増えて、別れる事になりました。
相手には悪いですが、悲しい気持ちよりも解放されたような気持ちが強かったです。
結婚しない事を決める
HSPが他人に奉仕するタイプだとしたら、それとは真逆の依存型の人と付き合って疲弊し、結婚というのはしない事に決めました。
依存型と言っても普通のレベルではなく、病的に人に依存をしてきました。
詳細は、下記のページに書いてあります。
HSPが持つ他者の苦痛への共感を悪用され、振り回されました。
相手は実家に住んでいましたが、平日でもわたしが家に行かないとひと騒動起きます。
結果、相手の実家にほぼ同棲のようになり、相手の家族に混じって暮らす事になりました。
相手家族と一緒に過ごす
HSPなので相手家族を不快にする事はなく、精神力を消耗しながらも、場に合わせる事はできました。
その家で自分が最も弱い立場という事を受け入れ、波風を立てずに過ごしました。
それが結婚というものだと思っていましたが、相手の要求がエスカレートしてきました。
イベントは高いレストランや、高額なプレゼントを要求され、難色を示すと守銭奴のように罵られました。
休日は強制外出で睡眠時間は削られ、会わない日は朝まで電話をさせられました。
人の痛みに敏感なHSPだったので、別れようとするたびに相手が被害者のようにふるまうので心をえぐられて、別れる事もできませんでした。
辛くても逃げる事も出来ず、人生を終わらせたいと思い詰める事もありました。
このあたり今思い出すとおかしいと思いますが、当時は追い詰められていました。
HSPは押し付けられやすい
相手が問題のある性質だということを、相手の家族は知っていました。
わたし以外と付き合った時にも、毎回騒動ばかり起こしていたようです。
その中でわたしが最も忍耐強かったために、結婚の話が進められてしまいました。
HSPは損な役回りを押し付けられやすいです。
しかしわたしは心の中で
『こんな事の為に生まれてきたわけじゃない』
と何度も言って、脱出する気持ちを奮い立たせました。
最終的には逃れる事ができましたが、婚姻届けまで用意させられていたのでギリギリのところでした。
この事を経てから、結婚が自分にとっての幸せではないとハッキリ認識しました。
HSPの幸せ
恋愛と結婚は、人間の動物的な部分が満たされる幸福感ではないでしょうか?
遺伝子は次代に引き継がれる事を渇望していますが、人の心はどうでしょうか?
わたしは自分の一代の生を堪能し、最後まで自分主体でいるのが幸せだと感じます。
昔のお坊さんが独身で、毎日を修行に費やすのはしんどい事ではなく、心が充足していたのではないでしょうか?
今のわたしも規則正しく生活し、満たされた日々だと感じています。
仕事に没頭した事で、経済的に自立
独身なので転職もちゅうちょなくできて、最終的に共同出資で起業をしました。
会社に泊まったり土日にも仕事をしましたが、会社が成長していく過程を楽しむ事ができました。
年収は大企業平均より多くもらって、収入の割に出費は少ない方だったので、貯金が貯まっていきました。
株やFXもやって、大勝ではないですがHSPらしく損をしないトレードをして、資産を増やしました。
40代で経済的なメドが立ったので、早期リタイアをする事にしました。
今もあまり遊んだりはしない生活ですが、一日にやる事は完全に自分で決めています。
今までの人生では、回りに合わせて自分を失う時間が長かったので、今は徐々に取り戻しています。
これが心の充足感に繋がっているのだと思います。
一人で感動する
家で映画とかを観て、感動を共有したい人は多いと思います。
映画を観てパートナーと感想を言い合う事が、気持ちの共有になって幸せと感じるのでしょう。
ですがわたしは、深く感動を味わい自分の中で消化をしたいです。
たまに映画やドラマで号泣しますが、他人を気にするHSPとしては、一人の時にしか泣けません。
誰かが側にいると、自分の感情を抑えてしまい没頭できません。
今は一人で、存分に観ることができています。
結婚イベントを拾わなかった人生
HSPで生きてきて幸福を得る事より、不幸を避ける事の方が性に合っていると感じています。
自分一人なら進路も家計も、コントロール不能になる事はないという自信がありました。
わたしは他人のツケやトラブルを持ち込まれる事が多く、そういう人間関係をカットしたら、人生がスムーズに進みました。
その結果、人生において結婚というイベントを拾わなかったわけですが、不幸だとは思いません。
相手がいる事で起こる予期せぬトラブルを避けた事で、平穏無事という幸せを手に入れました。
別に不満はない
わたしの人生に結婚イベントこそないですが、
家を売買
共同で会社を起業
役員
この辺りを経験して、今は欲しいものとかは無いので、満足な人生だと思っています。
別にイベントがなくても、絵が上手いとか楽器が弾けるとかでも、HSPの感受性なら十分に満たされると思います。
旅行とか外部刺激に頼らなくても、深く感動できるのがHSPの才能です。
結婚していたら
自分が結婚していたらと思うと、あまり良いイメージが浮かびません。
わたしは他人を押しのける事ができないので、恐らく家族にも他者を優先するよう求めてしまうと思います。
それに子供が敏感過ぎる性質を引き継いでいたら、自分と同じように疲弊すると思います。
世間体に惑わされず、自分の性質に合った独身を選べた事は、わたしには正解だったと思います。
誰かと付き合っている時に感じた、自分を喪失する気持ちというのが全くありません。
他人の結婚を妬む事はない
すごく幸せな家庭を築いて、親の愛情を受けている健全な子供を見ると、こっちまで日向ぼっこしているような気持ちになります。
わたしは群れとは距離を置き、一人で生きるのが性に合っていると納得しています。
映画を観るのと同様に、他人の家庭が幸せだと微笑ましい気持ちになるので、妬むような事はありません。
HSPの共感能力で、他人の幸福な結婚でかなり満たされます。