求人の応募さえできない、ザコ社会人の末路

社会人

 

わたしがフリーターの頃、求人の応募は電話が主でした。

 

電話連絡をするのに何日も決心がつかず、ズルズルと無職期間を長引かせたりしていました。

 

わたしは求人募集中の会社に

 

『応募したいのですが・・・』

をなかなか言うことが出来ない超ザコな存在で、どうやって人並みに生きられるのだろうかと悩んでいました。

 

結果、ザコ時代はいつまでも続くものではなく、後半戦は余裕で仕事をこなせるようになりました。

ビビッて応募しないザコ人間

 

わたしがフリーターをしていた若い頃、求人はアルバイト雑誌が主でした。

 

雑誌を見てめぼしいバイトに何個か赤丸をつけて、ピックアップをします。

雑誌は週1か2回という頻度で発売していて、いいバイトにありつくためには早目の連絡が必要でした。

 

ですがわたしは電話連絡がとにかく嫌で、何かと理由をつけて先延ばしをしていました。

まずめぼしいバイトに赤丸をつけたら、その日の作業はそれで終わらせてしまいます。

 

怖いものからは逃げる。これがザコの処世術です。

 

明日電話しよう

 

赤丸をつけた翌日、電話連絡をするつもりがグズグズします。

 

『今日は雨だから、電話して今日の内に面接が決まったら嫌だな・・・』

『なんか、頭にモヤがかかったようで、今日は日が悪いのかな?』

 

頭にモヤって、クモ膜下かなにかでしょうか?

 

電話しない理由をあれこれ引っ張り出してきて、結局は

『よし、明日電話しよう』

となって、1日の猶予に解放感を得ます。

 

と言っても、刑務所に収監されるのが1日伸びた服役囚みたいなもので、状況は変わらないのですが。

 

電話を断念する

 

受話器を手にしても、まだ油断はできません。

 

実家の電話機が骨董物のダイヤル式で、一つずつ数字を回すのですが、一回ごとにダイヤルが戻るのを待つ必要があります。

 

9とか大きい数字だと、ダイヤルが戻るまで1秒くらいかかります。

その戻り時間の間に迷いが生まれて、結局は電話を断念してしまいます。

 

最後まで電話番号を回して、トゥルルル・・・と呼び出し音が鳴り始めても、油断できません。

 

呼び出しが4~5回くらい鳴っても相手が出ないと

 

『あまり長く鳴らしても失礼だし』

と言い訳して、ガチャンと切ってしまいます。

 

電話がつながらない事にホッとして、今日はもう十分頑張ったとなって、電話連絡をやめてしまいます。

 

 

『もう募集は終わってるだろう』

 

グダグダと電話連絡を伸ばした挙句、

 

『求人誌の発売日から日数が経ったし、もう募集は打ち切っているだろう・・・』

と言い訳をつけて、次の雑誌の発売日まで求職活動をやめてしまいました。

 

それで週刊漫画とポテチをキメて、現実逃避してしまいました。

数日間の猶予を得たとしても、翌週また同じ事がはじまる、無間地獄のような日々をいたずらに繰り返していました。

 

電話がつながっても困る

 

求人応募の電話で言う事なんで決まっているのに、話している内に変な丁寧語になって、勝手に噛んでしまいます。

 

「求人の募集はまだやってらっしゃいますでだばばばっ」

みたいになって、電話を切った後に自己嫌悪に陥ります。

 

仕事にありつく第一歩の段階でコレなので、この先の社会人生活が上手くいくとは思えませんでした。

 

ですが最終的に会社の役員までを経験して、一番精神的なハードルが高い作業は、求人に応募する時の電話だったというのが実感です。

 

何の自信も実績もない若い頃に、会社に電話をするのはとてもハードルが高かったです。

 

電話を無くしてしまえばいい

 

ザコ時代に電話の非効率さを味わった経験が、後に活きました。

 

就職して役職がついてからは、会社の業務から電話を排除するよう推し進めたので

 

「だばばばっ」

する事はなくなりました。

 

電話は多分すごく難しいツールなので、上手く出来なくても問題ないです。

グーグルとかフェイスブックとかは基本的に電話をメインに使っていないし、電話番号を公開しない会社も増えてきました。

 

電話は無くしていくのが正解です。

ザコゆえに、自分に脅威を与えた相手をいつまでも覚えていて、避けて上手くいくよう考える知恵が発達します。

 

 

就活はメールがメインに

 

ハローワークは一回しか使った事がないのでわかりませんが、就活はメールか応募フォームがメインになりました。

 

苦手な電話を克服しなくても、社会が変化してくれたおかげで助かりました。

この経験からわたしはITが自分に合っているような気がして、IT系を目指すようになりました。

 

それまで自信がなくて、自分に合った仕事など就けないと思い、最初から変な仕事ばかり選んでいたのが変わりました。

 

自分がザコで良かったのは万能感がない分、自分に合わない方向性を敏感に感じ取るセンサーが発達していた事です。

 

臆病な動物ほど物音に敏感なように、ザコな社会人にも生き残るための敏感さが備わっています。

 

ザコ社会人が最強な理由

 

人類は地球上の生物の中で、かなりザコな存在でした。

 

猿の時代は平原に住む事が出来ず、森の中でほそぼそと暮らしている弱い種族でした。

弱いゆえに変化をしていって、やがては最強になっていきました。

 

ザコ社会人だったわたしも人類と同じような足跡を辿って、後半は安心して食えるようになりました。

 

やる前に恐れるのは正しいこと

 

物事をやる前に怖気ずくのは、未来予測の知恵が発達した人です。

 

自分がこのザコタイプの人間で、本当に良かったです。

かつては大胆に即行動できる人に対して劣等感を感じていましたが、勢いで何でもやっちゃう人って、

 

『何とかなると思えば、何とかなるんです!』

と行き当たりばったりの行動をして、35歳くらいで破綻しています。

 

ドキュメンタリーの漂流家族というので、そこの家のお母さんがまさに

 

『何とかなるんです!』

って自信満々に言っていたのに、しばらくしたら失踪していました。

 

恐れを知らない行動を取れる人は、単に想像力がないだけです。

臆病で事前に身構える人の方が、失敗をしないでコツコツと積み上げができます。

 

臨機応変に動けないザコ

 

わたしはパッパッとその場で仕事を見つけるような事が、非常に苦手でした。

 

『えっ、何をしたらいいの・・・?』

とマゴつく姿は、ザコそのものです。

 

けど、そんな風に無軌道に動き回る仕事は、給料が安い仕事ばかりでした。

それに若くて動けるほうが有利なので、年齢を重ねたら不利になります。

 

動くだけの仕事よりも、知恵を使って作業の動線を考える方が給料が高く、息の長い仕事です。

 

恐怖心が強い人は追い詰められたら強い

 

ある種の虫は、追い詰められた時にIQが非常に高くなって、逃げる事ができるのだそうです。

 

普段から恐怖心が強い人は、頭の中で様々な事を想定しているので、予測脳が発達しているはずです。

 

わたしも予測する能力を使う仕事に就いた時、他人の数倍の予測ができる事に気がつきました。

当事者がよくわかっていない未来の事を、わたしが先に想定してトラブルを未然に防ぐ事が多々ありました。

 

求人応募の電話にビビる恐怖心と、トラブルを予測するのは同じ能力で、それによって業務設計も行えます。

 

ザコだと思っていた性質が、実は才能だったのです。

 

 

ザコさは克服しなくても大丈夫

 

パッパッと動けないでウロウロするザコさは、正社員になっても変わりませんでした。

 

朝の掃除がある会社では、やってる感が出せてマゴつかなくて済むクイックルワイパー(紙製のモップみたいなもの)を奪取していました。

 

この性質のままで仕事を続けて、どうすれば臨機応変に動かなくて済むのかを考えていました。

その結果、無駄のない定型の仕事を作る事に特化して、それが会社の効率を上げる事に繋がりました。

 

自分が苦手とする突発的なトラブルや、電話などを無くすことが、利益を上げる事に繋がりました。

 

『自分はザコだからダメだ』

という劣等感に苛まれない限り、人生を向上させるルートは必ず見つけられます。

 

そのあたりの改善や昇給の事を、別カテゴリーに書いているので、よければ読んで見てください。