投資をする時に、決算書って見ていなかったんですよね。
すごく項目が多くて、面倒くさかったので。
それに見てもあんまりパッとこなくて、会社の行動分析っぽいもので投資判断をしていました。
行動分析とは、会社を人に見立てて採用面接のように、能力を見極める方法です。
この方法だと『いい人』というのはわかりますが、『いい人だけど調子が悪い』というのはわかりません。
行き詰ったのでようやく、面倒じゃない方法で決算書を見る事にしました。
決算書の項目は、そんなに沢山見ない
利益だけでも営業利益とか経常利益とか、似たようなものが沢山あります。
けどこれらは、全て見る必要はありません。
一つの項目を見て、疑問があったら補助的に他の項目を見るくらいです。
飛行機のコックピットに沢山の計器がありますが、飛ぶ時に見ているのって全部じゃないと思うんですよね。
決算書もそれと同じです。
なぜ、決算書はよくわからないのか?
企業のページで決算書を見ても、わたしには株価のイメージがつかめませんでした。
一期のみの決算書を見ても、静止画のようで動きが全くわかりません。
『決算書』は、本当は時系列データとして扱わなければならなかったのです。
その企業の調子が右肩上がりか、下がっているのかは、連続したデータでなければわかりません。
連続データは、例えば『決算プロ』というサイトで、『全上場企業・短信XBRL一括ダウンロード』のページでダウンロードする事ができます。
このダウンロードデータを、自分が見やすい形に加工をする事で、決算書のイメージを掴む事ができます。
項目を沢山見ると、逆にわからなくなる
決算書の見方を調べると、項目の説明はありますが、大して見る必要がないというアドバイスはもらえません。
結果、初心者はどこを見ていいのかわからなくなります。
最初から沢山の項目を見ようとすると、一方では株価が上がりそうに見えて、もう一方では低く見えて、結局は判断がつかなくなります。
だからわたしは、経常利益(後で説明)だけを見ています。
そこで気になったら、他の項目を見ます。
株の専門家に見方をけなされようとも、自分なりの視点を持つことが重要だと思います。
現に株の専門家だって、予想を外している場面しか見たことがありません。
経常利益と株価を比較
株式投資の目的はデータを眺めることではなく、予想を楽しんで利益を上げる事です。
わたしが選んだデータの切り口は、経常利益と株価を比較する事です。
ニュースで『好調』と言われてから、その企業の経常利益と株価を見ると、株価は既に高いと感じる事が多いです。
これは、わたしが優待券で食べたいと思ったファーストフードチェーンのデータです。
経常利益と株価の関係が、パッと見で理解できます。
これを書いているのは2020年5月ですが、安心して買えたのは2019年5月頃でした。
好調な内容の2019年3月期決算(18年4月~19年3月)は、19年5月初旬に発表されました。
6月末まで、決算が振るわない2018年3月期と同じ、2000円以下で株を買う事ができました。
株価を決算期に合わせる
わたしが決算書に併記している株価は、決算期に合わせて計算したものです。
例えば2019年3月期決算(18年4月~19年3月)
であれば、株価は
2018年4月~2019年3月の株価の平均を使っています。
これが絶対的な正解がどうかわかりませんが、少なくともデータに一貫性は持たせられます。
株価の算出
始値・高値・安値・終値 の4つを追おうとすると、多すぎて疲れます。
年間の株価ですが、わたしは
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その12ヶ月平均
という方法で、年間の株価を出しています。
月毎の高値と安値は、yahooなどから画面コピーでエクセルに貼り付けます。
エクセルの巻数とかでもできると思いますが、わたしはVBAの方が慣れているので、VBAを使っています。
一つの値に絞ることで、経常利益がどれくらいで株価がいくらなのかというのが、把握しやすいです。
気になる銘柄を深堀りする
わたしが気になっていたファーストフードチェーンは、2019年3月期決算が急上昇しています。
2018年4月~翌年3月の間に、何があったのか調べました。
このファーストフードチェーンは、ユーザーに『クリスマスに食べるもの』というイメージがついてしまっていて、それが売り上げが伸び悩む理由でした。
そこで、平日にかなり割安なランチを提供し、12月以外にも食べるイメージを定着させていきました。
こうして深掘りをする事で、どういう施策で株価が上昇するのか、勉強になります。
株は勉強がないと、単に数字遊びになってしまい、面白くありません。
決算書の項目の説明
ここまで、経常利益と株価だけを使ってきました。
そもそも経常利益というのは、何でしょうか?
お好み焼き屋さんに例えると、
営業利益:本業のお好み焼き事業の収支で、人件費等を引いた利益。
経常利益:本業の利益の他、持っている店舗を他人に間貸ししているなどの利益を含む。
経常利益の方が、その会社の状態が反映されやすいです。
純利益ってなに?
純利益の方が、響き的にわかりやすい気がしますが、そうとは限りません。
またお好み焼き屋さんを例にすると、
純利益は経常利益(本業+副業)に加え、親の遺産が入ったとか、一過性の収入まで含まれてしまいます。
だから純利益で会社の調子を見ようとすると、正確ではなくなります。
キャッシュフローって何?
キャッシュフローは、お金の増減です。
経常利益みたいに使えそうに見えて、自社ビルという資産価値のあるものに使っても、キャッシュが減るので経営が悪く見えてしまいます。
キャッシュフローを、わたしは補助的に使っています。
営業キャッシュフロー:本業で得たキャッシュ。プラスなら儲けてお金が増えたということ。
投資キャッシュフロー:投資や、固定資産を買ったり売ったりしたキャッシュの増減。
財務キャッシュフロー:お金を借りたらプラスで、返済したらマイナス。
通常は営業キャッシュフローがプラスで、財務キャッシュフローがマイナスの方がいいけど、成長著しい会社は借りながら拡大するのでプラスになる。
あまり見ない項目
わたしが売買するのは一部上場ばかりなので、会社の規模に関する項目はあまり見ません。
見なくても、それなりに大きいからです。
時価総額:時価×発行株式数
発行済み株式数:発行可能な株式数の内、発行済みの株式数。多ければ
「ふぅーん、沢山発行しているね」くらいの認識。
純資産:資本金とか持っているお金。お好み焼き屋さんの例だと、厨房機器とか貯金。
総資産:純資産に、負債を加えたもの。負債が混ざっているので、感覚的には『資産』と言うのが不思議に感じるもの。
額が大きければ「大きな商いしているんだね」くらいの認識です。
本当はもっと別の使い方があるのかも知れないですが、わたしはバッサリと切り捨てています。
資産等を細かく見る代わりに、世界のお金の流れを見たりしています。
その辺りは、別のページに書いているので、興味があれば読んでみてください。
大事なのは、自分なりの基準を作る事
株をやっていて失敗するのは、不安な気持ちに右往左往する時です。
決めていたルールがあいまいになり、株価に往復でダメージを受けたりします。
決算書の見方に多少の間違いがあっても、自分なりの基準を作って、継続的にデータを見る事です。
株は余剰資金でやる
株でお金を増やし続けるのは、非情に難しい事です。
100万円の元手が1億円になったとかは、
『100万円分の宝くじを買って1等が出た』
というのと同じくらいレアなケースです。
誰かの成功談を聞いても、煽られないようにしてください。
わたしは株の成績は、8年で800万円くらいです。
ただ元手は千万単位で、利率は大した事がありません。
まず種銭を稼ぐ能力を上げる
わたしが株で勝てたのは、本業で種銭が貯まるまでトレードをしなかったからです。
どの仕事でも上達すれば、考え方を株式投資に応用できます。
わたしの場合は、ネット広告のデータ分析を応用しています。
逆に言えば、本業で稼ぐ能力が上がっていない内は、株で損をする可能性が高いです。
わたしは貯金が増えて、インフレで目減りするリスクが出て来てから投資を始めました。
遠回りでも、まずは本業に集中する事をオススメします。
年収の上げ方とか、転職が上手くいった方法などを別カテゴリーに書いているので、興味があれば色々と読んでみてください。