株が暴落した時の、心理的な対処法

実体験に基づく投資のやり方

 

暴落というのは事故みたいなものではなく、株を続けると必ず遭遇するものです。

 

アイス・スケート場で、客がリンク外に出されて、氷を整える作業車が場をキレイにするのに似ています。

 

暴落は、あるあるネタ

 

だと思っていると、冷静に対処できます。

今でこそこんな風に、余裕で暴落を語れますが、わたしも過去に暴落で人生が終わったかも、と思った事があります。

 

資産の7割くらいを株にしていたのに、含み損が700万円くらいになりました。

ニュースは傷口を広げるかのように、このまま破綻するみたいな勢いで煽ります。

 

全ての株が紙切れになってしまうかもと、毎日を不安の中で過ごしました。

この時に不安に負けて、早まった行動を取っていたら、二度と資産運用ができなかったと思います。

 

暴落を乗り越えて、今は余剰資金で株をこなすまでに回復しました。

 

暴落でパニックになったら、本当に終わります。

株が暴落した時の不安に対処する

 

暴落は株の中の人(機関投資家)が、いったん参加者を整理する作業です。

 

株式市場に資金が入って儲けやすくなると、そこに素人が集まってきて、更に資金が膨らみます。

 

船にフジツボがつくと速力が落ちるため、定期的に取り除くように、株式市場も増えすぎた素人が減らされます。

 

暴落でも生き残った残った少数の人に、底値で買える美味しい相場が与えられます。

だから恐怖を抑えて、暴落を乗り切る事を考えます。

 

 

暴落で詰むのは、心理的パニックのせい

 

人が慣れ親しんだ飲食店を選ぶのは、失敗を恐れるからだそうです。

 

人間は成功より、失敗を恐れる心理の方が強いのです。

だから株価も上昇より、下落の方が速度が速くなります。

 

これはニューヨークダウですが、数年かけた上昇分が、わずか2週間で飛んでいます。

市場のみなが、我先にと逃げ出しました。

 

株は計算より、人間心理を知っていた方が理解しやすいです。

あなたが失敗するとしたら、暴落の恐怖でパニックになった時です。

 

暴落を最初から起こりえる事だと知っておき、怒った時に対処するタスクを作っておけば、被害を防げます。

 

暴落時、あなたは不安な情報ばかり見る

 

暴落をすると、メディアはこぞって不安を煽る情報を出して来ます。

 

不安な情報の方が人々がすがりついてくれるので、ヨダレを垂らしながら記事を書きます。

暴落を予測できなかったくせに、これからもっと暴落するとか、最悪どうなるとか散々脅してきます。

 

年金暮らしでお金に不安のある人が、投資詐欺に騙されるのと同じ構図で、ついつい権威にすがりついてしまいます。

 

メディアは、株の未来予測などできません。

彼らはいつも、後付けの理由をつけるだけです。

 

暴落すると、資産のすべてを失う恐怖心がわく

 

人は不安な時に、極端な思考になります。

 

わたしは含み損が700万円になった時、メディアに煽られたのもあって、持ち株が紙くずになると思いました。

 

今までお金を貯めた時間が、全て無になると思うと、人生が奪われるような感覚に襲われます。

何をしても気分転換にならず、常に含み損の重圧がのしかかる毎日でした。

 

この頃はまだ、自分は暴落にあわないと思って全力投資をしていたので、振り回されていました。

一気に儲けようと思って全力で入ると、不幸な時間を過ごす事になります。

 

先行きがわからない不安な時間を過ごすと、人生が幸せとは感じなくなります。

 

運悪く暴落にあったら

 

暴落のパニックは、事前に資産を分散しておくことで防げます。

 

しかし人間は、経験していない痛みに対処しようとしません。

投資を始めた頃のわたしも、資産の6~7割を突っ込んでしまいました。

 

何の準備もしないで暴落に当たったら、腹をくくることです。

単なる精神論で言っているのではなく、腹をくくると自分がやる事が明確になり、恐怖が静まります。

 

致命的な失敗をする人は暴落の恐怖で錯乱し、次の行動を間違えるために終わります。

 

最悪、生きていける事を知る

 

恐怖心は終わりが見えない方が怖いので、底を知る事で軽減されます。

 

資産を失ったら最悪、自分がどこまで落ちるのかを想像してみてください。

勤めていた頃に暴落したわたしの場合は、早期リタイア資金を失い、労働期間が延びる事でした。

 

さらに景気悪化で勤めている会社が倒産したら、路頭に迷います。

しかしわたしには、20代の頃に住み込みでバイトをした経験があります。

 

リゾートホテルでスキーをやりながら、毎日余った寿司を食べていた生活を知っているので、そこに行けば食えると知っています。

 

そこまで考えると、暴落の恐怖心は薄れます。

怖がっても株価が回復するわけではないので、なるべく早く恐怖心を取り払います。

 

暴落の恐怖心のダメージ

 

恐怖心といっていますが、実際は脳のダメージです。

 

脳というのは、癖がつく特性があります。

例えば複雑なマニュアル車の運転でも、毎日やっていれば難なくこなせるのは、脳に癖がついたからです。

 

脳に同じ情報が流れ続けると、その道が太くなり、関連する情報の出し入れが速くなります。

だから恐怖心によって悪い情報ばかりが流れると、どんな時でも悲観的な判断をする脳になってしまいます。

 

暴落後のおいしい相場に、素人がなかなか挑戦しないのは、資金のみならず脳のダメージのせいでもあります。

 

運悪く暴落にあったら、脳に癖がつかないようにして、おいしい相場を見逃さないことです。

 

 

暴落の事を忘れる方法

 

わたしが700万円の含み損を抱えた時、

 

『レクサスを買った』

と自己暗示をかけて、損をしている気分を忘れることができました。

 

何だか駐車場にレクサスが置いてあるようで、資産が減った気になりません。

下らないと思うかも知れませんが、気分というのは人間心理が反映される相場では、無視する事ができません。

 

暴落はいつまでか

 

わたしの今までの経験だと、

 

『もうムリ!』

と悲鳴を上げてから3回くらいは落ちる感じです。

 

誰もが悲鳴を上げる声さえ枯れた頃に、復興がはじまります。

 

暴落の対処は、事前準備に尽きる

 

暴落を経験して、分散投資のルールを決めました。

 

今現在、コロナの暴落で600万円程度の含み損ですが、分散していたのでこの額で済んでいます。

現物のみなので、選んだ会社が倒産しない限りは大丈夫です。

 

金額に関しても、多くて1銘柄500万円程度です。

最初に暴落を経験した時より資産が増えていますが、株式に偏っていないので、恐怖心はありません。

 

事前に対処法をとっていたので、いざ暴落が起こっても全く問題がありませんでした。

 

別の収入源を用意

 

最初の暴落時に、わたしは給与収入がありました。

 

株で損をしても定期的に収入がある状態だと、恐怖心は低減できます。

わたしは現在、早期リタイア生活に入っていますが、配当金やWeb収入があります。

 

わずかでも新たなお金が流れてくるルートがあると、人は安心します。

専業トレーダーが長続きしないのは、恐怖心が大きすぎるからです。

 

 

恐怖心はないけど、反省はする

 

コロナの暴落の直前に、楽天の株を400万円分買ってしまいました。

 

送料無料化問題で公取委に入られたりして、株価が下がっている所を買い、1週間で30万円くらいの含み益になりました。

 

しかしコロナの影響が世界に広がって、日経平均全体の下げで含み損に転落しました。

 

銘柄的には正解でしたが、相場的にはNYダウが連日の高値更新をしていて、暴落の危険性が高まっていたはずでした。

 

それなのに買ってしまった心理を、検証しています。

暴落のインパクトは、人を賢くしてくれます。

 

この経験が、暴落終了後の相場で儲けさせてくれます。