『改善って意識が高そうで苦手・・・』
と思うかもしれないですが、改善は高尚なものではなく楽をしたがる人に向いてる仕事です。
わたしの仕事の話をしても幅が狭すぎると思うので、超簡単な業務改善の考え方を書いていきます。
ソリューションとかコアコンピタンスとか、横文字を使えばわたしの賢さアピールになりますが、賢くないので使いません。
それに難解な横文字を使うとそこで読む人が立ち止まってしまい、スムーズに読み進められません。
こういった小石のようなものを無くすのが、業務改善に必要な思考です。
業務改善はブロックを組みなおすようにして、作り直す事です。
身近なものを例にして説明していきます。
タイトルで『稼ぎました』と言ったのでわたしの(報酬のみの)最高年収を言うと、2,500万円でした。
資産が貯まったので早期リタイアして、自分の経験を書いています。
業務が滞る理由
改善の説明に入る前に、まず業務が滞る理由から説明します。
日々の仕事の中で、社内のいろいろな所で小さな無駄が発生します。
それがゴミのように転がっていますが、誰もが通常業務に追われてそのままです。
その状態で新しい業務が増えるので、何の工夫も無く手作業の多いやり方でフローが作られます。
業務が増えるのを荷物に例えると、整理整頓する前に荷物が増えて山積みにするので、取り出す時にすごく時間がかかります。
時間がかかるから新たな荷物が来ても山積みの中に放り込むしかできず、どんどん肥大化していきます。
これが業務が滞る理由です。
業務が滞った会社に入る
通常業務に追われている内に、中の人達はそれが日常となって適応してしまいます。
こうして無駄な作業をしている内に、後発の会社に追い抜かれていきます。
その後発の会社も似たような道を辿り、やがて通常業務に押しつぶされていきます。
この流れを変える救世主が、業務改善をする人なのです。
業務が滞っている会社ほど、改善してあなたの評価を上げる仕事がいっぱい転がっています。
そういう会社に入ると原始人が苦労をして火を起こしている所に、ライターで火をつける現代人のようになれます。
多分というか、絶対反発を受ける
効率が悪い会社に入って、本当に原始人の前でライターをつける感じでいくと、絶対に反発を受けます。
人は効率が悪い事でも、慣れた作業を変えたくないものです。
ましてや後から来たあなたが仕事を変えようとすると、既存の社員はあなたを侵略者のように感じて嫌がらせをするでしょう。
業務改善の設計より、人の反発の方がやっかいなものです。
なので、どうやって反発を防ぐか方法を書いていきます。
権威のある人にやらされている感を出す
会社の上層部に言われた形にして、あなたが無理な命令を受けた被害者という事にします。
あなたに関わったら自分まで無理な命令をされるかもと恐れ、周りの人は反発しないものです。
優しい人が協力的になってくれるかも知れません。
水面下で進めて、いきなり業務をひっくり返す
通常業務をしながら水面下で改善を進めて、完成したところで一気に稼働させます。
自分の裁量の部分なら好き勝手に出来ますが、そうでない部分は稼働前に上司の上司あたりに話をつけておきます。
直属の上司だと、今までの業務を変えたがらない可能性があります。
自分が出来なかった改善を部下が出来てしまうと立つ瀬がないので、改善に反対するかもしれません。
このあたり、上司の度量によります。
従来の作業が破綻するまで待つ
ちょっと性格が悪いですが、従来の業務が破綻するまで待つ事です。
破綻した時に準備してあった改善策を出すと、周囲はすがるように協力してくれます。
破綻しないまでも過労で職場が疲弊した時など、改善策を披露するのに有利なタイミングを待ちます。
ここまで考えるのは、業務が楽になるのに敵意を向けられた事が、結構つらいものだったからです。
こういう反発期間を乗り越えて、自分の地位を上げていきましょう。
改善によってあなたが出世したら、業務効率が上がる事に対して誰も反発はしなくなります。
超簡単な業務改善の考え方
業務改善を、わかりやすく日常生活に例えます。
通常業務を回す内にたまる小さなムダの積み重ねは、出勤時にこのようにグチャグチャの荷物から身支度をするようなものです。
会社に出勤しないとなのに、必要な物が出てきません。
忘れ物をする確率も高く、出社してからの仕事にも影響します。
まず、この状態に嫌悪感を抱く所から改善は始まります。
改善には割と胆力が必要なので、現状を変えたいと強く思う動機が必要です。
改善の基本的な形
改善の基本の一つとして、『一方向に進むようにする』という考え方があります。
前述の日常生活を例にすると、家から出るドアに向かう途中に、必要なものが順番に置いてある形です。
ただ置いてあれば良いというものではなく、置く順番も細かく考えます。
例えば、もしスーツより前にカバンがあると、スーツを着る時に一度カバンを降ろしてしまい、忘れる可能性が出てきます。
『そんな間抜けな!』
と思うかもしれませんが、実際の仕事の現場ではこういった不協和音が一つあると、そこで間抜けな出来事が起こるものです。
起こりえる状況を全て詰め込み、フローを組み立てる必要があります。
稼働させた後もトラブルが起こる度に検証し、その失敗の要因を潰します。
最初にまとめて処理をする
もう一つ、改善の基本的な形の一つを紹介します。
ダメな業務は、各工程で似たような処理を何度もさせます。
一番最初の工程で、ちょっと面倒でも後々の工程の分まで下処理を済ませてしまいます。
例えばコンビニなんかで見るバーコードです。
単に品名だけでなく、品種や価格などをデータベースに記録しているので、後の工程で使う時にはピッと読み取るだけです。
この図のように最初に商品番号を登録して、コンビニ店舗では読み取りだけを行います。
こういう下処理は、業務の一番最初に持ってくるのが正解です。
下手な会社は下処理しないでまず出荷して、その後で店ごと商品番号を登録させるようなアベコベな業務を作っています。
複数の仕事を一回で済ませる
バーコードはただの棒線で、読み取るとシンプルな英数の商品番号が出てきます。
その商品番号でデータベースから商品情報を検索し、価格などをレジに返します。
それと同時に何がどれだけ売れたのか把握できて、発注する時の参考になります。
レジでお客に販売をする業務だけでなく、同時に売れ行きを分析しているのです。
これは二つの仕事を一回でやっている事になります。
改善の時にはどの仕事を組み合わせれば一回で済むのか、そういう視点で見ると改善策が浮びやすいです。
バーコードが無かった頃
店舗でバーコードを使っていなかった時代、店は在庫を眺めて減っていたら発注をするという方法でした。
レジでは値段のシールを目視して、値段の合計を出すだけでした。
全ての業務がバラバラで、無駄の多いものでした。
人が自然と業務を組み立てると、こういう行き当たりばったりな方法になります。
バーコードの登録作業のように、一番最初に後々の業務を見越した作業は、意識しないと設計できないです。
改善とは怠けること
改善はいかに楽をするかという事です。
改善の作業には時間がかかりますが
『ここで5日かけて作れば、年間30日分は楽ができる』
こういう考え方で取り組みます。
怠け者に見えますが、楽をしようという発想がないと効率化の案が浮びません。
頑張らないといけない業務をなくす
キーボードや電卓を鬼の形相で叩く人って、スゴイと思いますが仕事的にはよくない事です。
その日の体調によって左右される集中力が必要な業務は、ムラがあって安定した仕事にはなりません。
頑張らないといけない部分を減らせるなら、
『5日かけて作って、年間5日の時間が浮く』
というように、時間的にプラマイゼロでもやるべきです。
時間以外にも精神が疲弊する業務を減らす事は、改善する意味が大いにあります。
スキルは一生もの
わたしは業務改善のおかげで、30代からは楽に会社を渡り歩く事ができました。
新しい会社に入る度に破綻していた業務を改善して、スキルと年収を積み上げていきました。
どこで経験を積めばいいのかわからない方や、年収の上げ方に興味がある方は、別カテゴリに色々と書いているのでよければ読んでみてください。
無職期間があっても就職できた方法なども書いています。