わたしのやる前から諦めるクセは、受験の時から始まっています。
余裕で合格する学校に入り、就活では1社も受けずにフリーターになりました。
自分の逃げ癖が、後に回避性パーソナリティであると知りました。
自信がなくて行動できない人は程度の差こそあれ、回避性の可能性があります。
回避性パーソナリティは、例えばこんな特徴があります。
・好かれていると確信できないと、人と関係をもちたがらない
・親しい相手にも遠慮がち
・他の人より劣っていると考えがち
・恥をかくことを恐れて、挑戦を避ける
他にも何か辛い事があったら誰かに励まされるより、一人で休養したいといった特徴があります。
大半のところで逃げる選択をしたわたしは、40代で会社生活から逃れてリタイア生活に入りました。
しかし経済的には安定しているため、回避性がどのような働き方で勝ち逃げできるのかを書いていきたいと思います。
回避性パーソナリティは他人に相談事ができない
わたしは進路に関して、誰にも相談した事がありません。
まず自分の弱みを晒すのが恥ずかしかったし、他人に頼るのも申し訳なく思ってしまいます。
回避性パーソナリティは自分のことを卑下していて、他人に助けてもらうに値しないと考えるそうです。
だからわたしも進路に関しては、とりあえず就職しては打ちのめされて辞めるのを繰り返しました。

失敗した時の恥ずかしさに耐えられない
自分の失敗を人に知られると、全てが台無しの気分になってしまいます。
回避性の人は他人よりできないという劣等感を抱え、それを知られるのを恐れます。
もしも失敗を見られたら、二度とその人の前に立ちたくなくなります。
だから一度の失敗でも、ずっと引きずってダメージを受け続けてしまいます。
わたしの場合は仕事を辞めて、布団の中にずっとこもるのが回復方法でした。

対人接触を避けたい気持ちが強い
世の中には、他人に文句をつけたがりな人が多くいます。
回避性はただでさえ失敗を恐れるのに、人の目があるとプレッシャーで余計に失敗しやすくなります。
なので仕事選びは、対人接触がなさそうなものを選んでいました。
けどそういう仕事ほど、給料が安くて文句つけたがりな人と接する機会がありました。

逃げすぎて逃げ場がなくなる
人と接しないと思って選んだバイトでは、ことごとく嫌な思いをしました。
例えばビルの窓ふきは外側の作業は一人で気ままにできますが、内側の作業の時は嫌味を言う人がいました。
夜の交通誘導は車を相手にしているだけと思ったら、ヤンキーの車がわざわざ罵倒してきたり。
回避性は10人良い人に会っても、1人の嫌な人間に心が壊されます。
こういう経験を繰り返して、
『嫌な人間を回避できない末端アルバイターが、最も辛い生き方』
という結論に至りました。
次に落ちたらホームレスしかないという経験をして、ようやく就職に挑戦する勇気が持てました。
回避性パーソナリティの特性を仕事に
やる前から失敗を恐れる人は、それだけ想像力があるという事です。
それを体系的に使うことで、能力に昇華させることができます。
よく観察し、どんなアクシデントが起こるのかをピックアップして、未然に防ぐ施策を考えます。
防げなかったらどうしようと怖気づいてしまうところですが、わたしはホームレスになる恐怖の方が大きかったので、仕事を進めるしかありませんでした。
回避性の人は、やるしかない状況に追い込まれると腹が据わります。

建設的な方向に逃げた
誰にも期待されていなかった新人の頃に、与えられた業務外の改善作業を水面下でやっていました。
それである時、大幅に業務改善した方法を打ち出し評価を得ることができました。
もし失敗していたら会社に居ずらくなったかもしれませんが、行動を起こさなくてもどうせ辞めたくなっていたと思います。
社長に評価されましたが、面と向かって『前のやり方の方がいい』と言ってきた人がいた時は、やはりグラッと動揺してしまいました。
しかし仕事でついた自信の方が大きかったので持ち直しました。
経験を重ねると悪い想像の8~9割は起こらず、起こったとしても対処できることがわかりました。
なるべく人と接しない仕事方法
出世をして業務を設計できるようになると、会社の人員が増えても人と接しないで済む方法を考えました。
指示系統をツリー状にして、軍隊のような情報の流れ方にしました。
会社はグループ合計で数百人規模になりましたが、わたしが双方向でやりとりするのは10名くらいでした。
ちなみにわたしは口座や重要情報を扱う名目で別棟の個室を使い、やり取りの多くはデータやメールでした。
電話もそんなに多くは使いませんでした。
属人的な業務は時間をロスするため、わたしの仕事方法は経済的にもITベンチャーでは有効でした。

対人的なものを任せる
教育などでどうしても人と接しなければならない時は、助手のような人にお願いしていました。
わたしはメソッドや枠組みを作り、指導は助手にお願いしました。
部署に新人が入った時も、助手にお金を渡して食事会っぽいことを任せました。
本来、回避性パーソナリティは遠慮がちで人に頼みごとをするのが苦手です。
しかし助手は他所でお金に困っていた時わたしが手を貸した相手で、その恩を返すために色々とわたしの苦手分野を補ってくれました。
回避性パーソナリティは変わっていない
仕事で自信をつけ、経済的な面で不安感がなくなりましたが、回避性パーソナリティはいまもわたしの人格の根本にあります。
最後の会社は年末までいれば、年収が3千万円超になる年に辞めました。
消化試合のように年末まで居座るのも申し訳ないので、引継ぎが終わったタイミングで辞めました。
リタイア資金が貯まったというのもありますが、回避して引きこもりたいという願望もあったと思います。
会社のメインオフィスが大きくなっていって、そちらに移ってほしいという話がやんわり出ていたのも気になっていました。
大勢の人と一緒の空間は、やはり気疲れしてしまいます。

嫌だと思ったら、極端に距離を置く
昔、会社の人とラーメン店に行った時の事です。
カウンターの店でわたしだけ食べ終わったので、時間調整のために替え玉でも頼もうと思ったら、並んでいた客が無言で後ろに立ちました。
『どけ』という感じで、すごく嫌な気分になりました。
それ以来、10年以上ラーメン店に行っていません。
美味しい!と感激する事より、対人的なことで不快な気持ちにならない方が幸せです。
こういう考えも回避性が変わっていないと感じるところです。
人が見たら楽しくない生き方に見えるかも知れませんが、わたしは楽で生きやすいと感じています。

回避性とは逆の行動で躍進できた
上手くできるようになってからは、仕事を軸に人間関係が築けました。
回避性は素の自分を見られる事がプレッシャーとなりますが、わたしは仕事を盾にしたら自然と付き合う事ができました。
保有していた自社株の利益に関しても、それなりに仕事をした自負があったので、委縮することなく受け取れました。
他害な人を切り捨て、共存共栄できる人とだけ付き合うメリハリをつけたら、経済的な余裕が生まれました。

今、回避性パーソナリティで悩んでいる人へ
わたしはどん底のアルバイトを経験して、そこから逃げるために挑戦ができました。
やってみたら人より上手にできる仕事があり、そこから経済状態が良くなりました。
落ちる事を想像すると怖いかもしれませんが、わたしの経験では底まで落ちると妙に落ち着きます。
落ちる前の想像している段階が、最も怖い状態だと知ってもらえればと思います。