普通に生きているだけでヘトヘトに疲れるHSPですが、パターン・シーカー(規則性を見つける)という才能があるそうです。
わたしの社会人生活を振り返ってみると、パターンを読む仕事に就いてからパズルゲームでお金をもらっていたような気がします。
社会人の前半ではデキる仕事がこの世にないと思っていたわたしが、後半では何でも攻略できそうな確信が持てました。
HSPの傾向があって仕事選びに迷っている方に、参考のひとつとして書いていきます。
パターン・シーカーとは
パターン・シーカーというのは、不規則なことの中にパターンを見出す能力のことです。
例えるなら夜空に浮かぶ無数の星を見て、星座を見つけ出す能力みたいなものです。
わたしは昔から無意識の内にパターンを探す習性があったようで、それが学校の授業や初期の仕事場で苦労をした原因でした。
パターン化と出会う経験が必要
パターン・シーカーの適性がある人でも、仕事で活用するには気づきの経験が必要です。
わたしがネット広告の会社に入って数値データを見た時に、上司が瞬間的な数字の羅列としか見ていないものの中から、連続したパターンを見つけることができました。
HSPが疲れるのは人が気にしない細かい部分が見えてしまうからですが、それが数値データを扱う時には貴重な才能になりました。
パターンを読んで公式を作る
数値データはバラバラだとただの点ですが、それをつなげて線にすると見えてくるものがあります。
たとえば過去と現在の点の情報をつなげれば、その延長線上に未来の到達点が見えてきます。
そんな風にして仕事のパターンを読み取って公式を作り、後はその公式に当てはめるだけで仕事が回るように業務を改善しました。
基幹業務をルーティーン化できたので、余力で仕事を進化させ続けることができて、楽になる上に給料は上がりました。
人の動きのパターンを認識する
ネット広告の仕事でパターン・シーカー(規則性の発見)に向いていることに気付いたわたしは、誘われて入った次の会社で業務作りの仕事を任されました。
成長の早さに社内体制が追いつかないベンチャー各社は、悪しき臨機応変で行き当たりばったりの業務になっていることが多いです。
営業と管理でワチャワチャになっていたところに、全員の仕事を観察してパターンを見出して、工場の流れ作業のように整然とした仕事に作り変えました。
パターン・シーカーの能力が人の動きに対しても有効なことがわかり、大抵の仕事に応用ができそうな自信を持つことができました。
実際に共同出資で起業をした時は、会社の管理を一から作り上げて社員数が3桁になっても対応できました。
パターンが通用しない場所を避ける
フリーター時代にセブンイレブンの商品管理システムが好きで本を読んでいて、店舗でアルバイトしてみたいと思ったことがあります。
しかし誰でも入れるコンビニというのは、低レベルすぎる人まで相手にしなければならないのでバイトは諦めました。
そういう人は合理的な思考ができず、そのうえすぐに怒りをまき散らすので苦手です。
あらゆる場所でこういうパターン化ができない、わたしの頭の構造と合わない人を避けるようにしました。
通勤電車を避ける
電車もバグのある人と乗り合わせることが多かったので、ヘトヘトになりました。
パターン化は言いかえるとルール作りにこだわることで、電車に乗ることについても自分の中でルールを作っていたのだと思います。
だから非合理的な行動をする人に対して、普通の人より不満を感じてヘトヘトになっていたのかもしれません。
パターンの考えすぎに注意
無意識の内にパターンを探してしまうので、シミュレーションが8割で行動が2割くらいになってしまいがちです。
仕事は労働をしないと稼げないので、さすがに行動が2割だとパフォーマンスが落ちてしまいます。
内向型の人が満足するまでシミュレーションをしていたら機を逸するので、見切り発車と感じるくらいがちょうど良いタイミングだと思います。
お金を数字として扱うと安定して稼げる
お金をアナログに捉えるのではなく、数値データと扱うことでパターンが見つけやすくなります。
共同で起業した会社でお金はわたしが管理していましたが、東京都のベンチャー何とかはすぐに貸してくれたものの、メガバンクは法人口座を持っていた銀行さえも貸してくれませんでした。
だからお金を帳簿ではなく管理システムでデータとして扱えるようにして、未来の残高までリアルタイムで把握できるようにして、最小の運転資金で回るようにしました。
わたしの会社は事業ごとに分社化していましたが、共通のシステムを使うことによって管理コストも最小で済みました。
臨機応変さを求められるバイトで立ち尽くしたことがあるわたしが、パターンを探すようになっただけで余裕で仕事がこなせるようになりました。
たまにフリーズしてしまう
わたしは頭の中で『このパターンが最良』というイメージを作ってしまうので、そうでないものに遭遇すると思考が停止しそうになります。
たとえばATMでお金を引き出す時、取り忘れ防止のために普通はキャッシュカードを取り出さないとお札が出てきませんが、郵便局の古いATMを使ったらカードとお札が同時に出てきました。
それだけで頭が働かなくなり、郵便局を出た後に何度もサイフを見てカードを取り忘れていないか確認してしまいました。
セルフレジでフリーズする
スーパーのセルフレジを使った時のことです。
ポイント付与のためにクレジットカードをスキャンするのですが、一番最初に登録する仕様だと思って操作しましたが、実は支払いの段階でも登録できるという曖昧なルールでした。
最初にバーコードを読ませる仕様だと、客はカード(財布)を持ちながら商品のスキャンをすることになってしまいます。
たとえ客が財布をポケットに入れたとしても、万引きをチェックする側にとっては紛らわしい動作になるので、支払いの直前の画面でのみ登録をさせるのが正解だと思いました。
他にも合理的でない部分があって『なぜこんな仕様なんだ!?』と考え込んで先に進めなくなっていたら、有人レジに店員さんが入ったのでカゴを持って移動しました。
こんな風に自分が考える合理性と合わないものに遭遇すると、フリーズしてしまう困ったところがあります。
リタイア後にもパターンを追う
パターンを読むことで社会人生活が上手くいったわたしは、リタイア後にもパターンを探す習慣が抜けません。
たとえばわざわざ個別株を買っているのは、ファンド(おまかせパック)よりも自分で値動きのパターンを考える要素が強いからです。
それにファンドは資金力にものを言わせて、自分たちに有利な利権構造を作るので抵抗感があります。
(女性キャラは美しく描いてはいけないそうです)
とりあえず円高になるまでは自分で個別株を選んで投資したいです。
書籍の書き方を考える
電子書籍を書くにあたって、現代の文章の扱われ方のパターンを考えました。
かつて本が主流だった頃は文章に深い味わいが求められていましたが、SNSや仕事のメールなどが主流になってきた現代は、短く明示的な文章の方が適しています。
これは現代人の読解力が下がったのではなく、小分けにされた幅広い情報をインプットする方式に変化したのだと思います。
わたしが書籍を書く時はスマホでも読みやすいように一文を短く書いて、回りくどい言い回しを避けるようにしています。
自分に合った生き方のパターンを探す
リタイア後の人生について先人たちの生き方を見ましたが、どうやら欲を削いでいった方が楽になるように思いました。
欲は満たしたと思ってもすぐに慣れてしまい、もっと求めてしまうために終わりがありません。
それに対して欲を削いでいく生き方だと満足度のハードルがどんどん下がって、常に満たされた生活になります。
ベンチャーの起業家で成功した後に、インドで出家した人の気持ちがなんとなくわかります。
そこまでストイックな生活ができないわたしは、たまに優待でファミレスに行ってしまいますが、作家から尼になった瀬戸内寂聴さんよりは質素な生活を送っています。
晩年に何の執着心も持っていなければ、満たされた気持ちで最期が迎えられる気がします。
以上です。皆さんが生きやすい生活パターンを見つけるヒントになれば幸いです。