長い社会人生活の中で、1回は恐慌レベルの経験をします。
世の中、不安を煽る情報ばかりに偏っていますが、就職氷河期を経験した世代として、その時代がどうだったのかリアルなところを書いていきます。
ただこの世代の当人は就職氷河期しか体験していないので、他の時代との落差がわからず、最初から氷河期という実感は無かったような気がします。
だから上手くいかない理由を自分に求めてしまいました。
真面目に就活した人ほど、何社もの不採用によって自信が打ち砕かれ、トラウマを長く抱える事になりました。
就職氷河期は経済的な事より、人の自尊心を奪った事が大きな問題です。
就職氷河期っていつのこと?
平成のバブルが崩壊した後が就職氷河期と呼ばれる期間で、1993年~2005年です。
当時、就職に関してはマスコミによって、ものすごく不安感を煽られていました。
超難関で就職活動は、蜘蛛の糸に群がる餓鬼のような地獄絵図の様相を呈しているという具合でした。
今よりもテレビが信用されていた時代なので、一番うまくいっていない人のインタビューが使われて、誰も就職できないような怖い印象になっていました。
しかし、常識的に考えるとバブル期の就職戦線の方が異常でした。
企業はとにかく採用したかったので、ロクな面接もなく内定を出しました。
内定を出した後は辞退をさせないよう海外旅行に連れまわしたり、男子にはゲスな接待をしたりしていました。
内定式は船を貸し切ったり、ハワイで開いたりして浮かれていました
新入社員は今の時代よりも調子乗りな傾向が強く、そんな愚かな接待に気が大きくなっていました。
その時代と比べたら、恐らく全ての時代は氷河期になります。
就職氷河期世代だけど、全く実感がなかった
就職氷河期を過ごした世代ですが、全く実感はなかったです。
普通にフリーターで暮らして、次に就活をして転職を繰り返して、年収が下がったのは1度だけでした。
在籍している会社で、解雇も倒産も経験しませんでした。
辞めた後に倒産した会社はありましたが、それはあまりにも選択ミスを繰り返した結果なので、倒産は時代のせいではありません。
学歴もコネもない人間でも、調子に乗らなかったら問題なく生きられました。
就職氷河期の後に起こったリーマンショックは100年に一度の金融危機だったらしいですが、これも全く実感がありませんでした。
選ぶ業界によっては打撃があったと思います。
言い方がキツいですが、斜陽産業でいずれは消えて行く会社が、早めに淘汰されたに過ぎないです。
底辺生活を経験して学んだこと
就職氷河期にフリーターとなって難を逃れて進化した
氷河期という言い方は、結構いいと思います。
この語感から、危機的状況の社会に出るのは困難だと恐れて、新卒の時に就活を一切しないでフリーターを始めました。
この選択が時代に合っていました。
地球の氷河期に、人類の祖先の小型哺乳類が生き残ったのは、環境の変化に適応したからです。
就職氷河期でも、終身雇用の価値観は強く残っていました。
その中でフリーターを選択する人は、落ちこぼれの扱いでした。
しかし終身雇用のつもりで就職した人たちが、リストラや倒産を経験して人生設計が狂っていったのに対し、フリーターは最初から雇用の流動性の価値観を身に着けています。
後に就職して転職を繰り返す時にも、会社はしがみつくものではなく、自分のレベルによって移るものという価値観でいられました。
今は終身雇用の方が特殊な考えになってきています。
氷河期に適応した哺乳類のように、フリーターの小回りが利く働き方は就職氷河期に合っていました。
底辺の世界を経験しておくと、どうすれば失敗するのか反面教師になります。
これもフリーター時代に得たものです。
フリーターの経験は財産
就職氷河期から這い上がれないのは脳が変質したため
就職氷河期以降、今も苦しんでいる人は過酷な就職活動によって、脳が変質したと考えられます。
トラウマとも言われますが、これは人間が生命の危機に瀕した時に、その危険な状況を頭に刻み込んで、二度と危険な目に合わないようにする機能です。
本来は身を守るためのものですが、行動が防衛的・消極的になってしまいます。
脳の回路が悲観的なルート優先に出来上がってしまっているため、チャンスが近くにあっても行動する時だと認識できません。
就職氷河期世代の苦しい経済状況は二次的なもので、本質的にはトラウマの問題です。
あなたは無価値ではないという、癒しから入ってネガティブな脳を回復させていくべきです。
一人で出来る癒しです
就活は身の危険を感じる程のものか?
現代人にとって仕事に就けるか否かが、飢えずに生き残れるかの重大事です。
就活を頑張った人ほど、多くのドアをノックしては拒否されるという経験をします。
いくら自分を改善しても、就職氷河期下では多くの会社に門戸を閉ざされた経験をしたと思います。
吹雪の中で何件もの家に閉め出されたような、そんな気分だったと思います。
そういう経験をしたら、社会に対して危険や恐怖の感情を抱き、状況を打破する活発な行動が取れません。
生き残るのは、スペックが高い人ではない
会社も人も、時代に合わせて変化できない人は脆いです。
スペックが高い人しか入れなかった銀行が、人員削減するようになってしまいました。
会社が大きいゆえに、IT化に上手く乗れなかった感があります。
銀行業務をコンビニやネット通販など、ITを上手く使っている業界に浸食されてしまいました。
中で働いている人は恐らく優秀ですが、変化を恐れて取り残されてしまいました。
恐竜と同じく、スペックが高くても変化が出来ないと行き詰ります。
最近、銀行から投信の売り込みの電話がかかるようになりましたが、客にリスクの高い商品を売り込み手数料を得ようという仕事を、高学歴の人がやっていると思うともったいないです。
別の所なら、もっと才能が活かせるのにと思います。
就職氷河期の経験
戦わない選択もアリ
就職氷河期世代の人の大変な話を聞くと、50社受けて全て不採用で自信を失い、以降の人生は派遣やアルバイトなど。
人間は何度も繰り返し強いストレスを受けると、脳にネガティブな回路が出来上がってしまいます。
いわゆるトラウマというもので、就活の失敗の記憶が後の選択にも影響します。
事前想定で不利が予想されたら、戦わないで気力を温存するという選択もアリだと思います。
真面目で原則通り新卒で就活を頑張った人ほど、トラウマは強く残っています。
仕事を辞める癖があっても、割と何とかなります
就職氷河期世代が劣っているワケではない
若者がけなされるのはいつもの事で、新人類・指示待ち人間・ゆとり世代・さとり世代と、前時代の大人たちにけなされます。
そうやって若者をコキおろして自信を喪失させて、自分のライバルにならないようにする本能があるようです。
就職氷河期世代だった若者たちは、就職のチャンスよりも自信を奪われた事の方が損害です。
この傷を癒せるのは自分自身だけです。
おまじないだと思って、引き寄せをやってみることをオススメします。
就職氷河期を恨みようがない
就職氷河期を恨むのは、死体を墓場から掘り起こして文句を言うようなもので、全く意味がない行為です。
資本主義でお金を積み上げていくと、一旦リセットするタイミングはどこかしらで来ます。
その時に戦争が起こらなかっただけでもマシだと思います。
バブルで適当に採用された人の方が、後に放り出されたりして苦労をしたはずです。
何かを恨んで上手くいくなら恨みますが、得るものがないので就職氷河期の時代の変化に素直に乗りました。
最初から会社に期待しない
何かに期待をしていると、裏切られたと思って失望します。
例えば住宅ローンを35年も組むのは、会社を信用しすぎです。
最初から会社が存続しない前提でいれば、早めに転職活動をすることができます。
会社で働きながらも転職の事を念頭にいれておけば、自然と転職体質になっていきます。
外部の会社の人とも良好な関係を保っておけば、1社が危うくなっても声をかけられる確率が上がります。
良好な関係というのは、媚を売ったりする事ではなく、ごく普通のことです。
一定レベルの仕事を見せた上で、人間的に普通に接していれば、良好な関係を築けます。
1社に依存しない体勢でいれば、生き残る確率は格段に上がります。