就職氷河期の発生当時は、大した問題ではなかった

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後に就職氷河期と言われるようになった就職難ですが、起こり始めた時はよくわかりませんでした。

高校の頃にバブル崩壊がありましたが

 

『何か景気が良かったのが暴落(平成バブル崩壊)して、今年は就職が大変らしい』

 

くらいの事で、単なる景気の波かと思っていました。

しかし社会構造の転換期で、後に自分が就職氷河期の当事者になるとは思っていませんでした。

 

大きな事故の被害者って、

 

『まさか自分が当事者になるなんて』

 

という気持ちだと思いますが、就職氷河期もそれと同じです。

 

実際、就職氷河期の初年度は、財テク(今でいう資産運用)をしている人を別にすれば、そんなに深刻な雰囲気ではなかったと記憶しています。

 

バイト情報誌が、まだ少年ジャンプくらい分厚かった記憶があります。

ちなみにバブル経済も弾けた後にバブルと名付けられましたが、バブル中は日本最強という雰囲気でした。

 

ネガティブな印象は、湾岸戦争と地上げ屋(土地転売目的で立ち退きを迫る)がおっかないくらいだったと思います。

 

ただ、家の家計の問題かも知れないですが、日常生活は裕福という感じでは無かったです。

氷河期初期

氷河期に入って2回目の就職シーズンの頃に、高卒で就職する同級生が活動していました。

その当時って個人情報保護の概念がないから、冊子で全生徒の名前と進路が書いてありました。

 

就職先に、上場企業とかの名前も入っていたのを見た記憶があります。

ニュースでは、就活に難儀する大学生が特注されていましたが、大して深刻には感じませんでした。

 

ただリストラという、それまでの日本企業ではあまり見ないものが、文化として大規模に発生しました。

 

『会社に入っても安泰じゃないのか・・・』

と不安になりました。

 

発生当初は、認識が薄い

 

 

バブル期と較べたら大変だけど

当時の学生はかなり浮かれていて、下品なベンチャー成金(最近みない)くらい、大きな態度でした。

何も実績を上げていないのに、就活で会社に持ちあげられて、大人物になったかのようでした。

 

じゃないとあんなに肩パットが広いジャケットを、着れるわけがありません。

学生さえ実体より大きく見せるというのが、当時の日本の姿を表しているようでした。

 

多分、今の内向的な人が見たら、嫌悪感を抱くと思います。

内定が決まっただけで、会社に接待を受けて学生がちやほやされていました。

 

これが氷河期世代の初期の人間が思い描いていた、就職戦線でした。

それがいざ就活をはじめた時に急に180度転換したため、その差に対応ができませんでした。

 

聞いてた話と違う

 

適当に時間を潰せば、また景気が良くなるだろう

わたしは、とりあえず専門学校にでも行って、卒業する頃には就職戦線は元に戻っているだろうと思っていました。

 

日経平均で見ると、バブルが崩壊して数年してもまだ2万円弱(2010年あたり8千円)だったので、景気は回復すると思っていた人が多かったと思います

 

バブル景気が常識だったので、今の(氷河期初期)の不景気が異常なのだと思っていました。

ゆでガエルの理論というのはご存じでしょうか?

 

急に熱い湯に入れたカエルは、飛び出して難を逃れますが、最初は水でゆっくりと温度が上げていったら、カエルは行動しないで助からないというものです。

 

就職氷河期もこれと同じで、社会がグラデーションで変化していったので、どれだけ危機的な状況かわかりませんでした。

 

リアルタイムで異変と対処方法を言い当てた人は、いなかったように思います。

失われた10年だとか、100年に一度の暴落(リーマンショック)とかも、全部後付けの解説ではないですか?

 

社会の中で深刻さを知っていたのは、氷河期に突入してから就活をした人だけで、社会全体だと少数です。

 

伝染病の初期と似ていて、社会は大して気にしていませんでした。

 

景気はすぐに戻ると思っていた

 

 

就職氷河期という言葉の誕生

wikiだと、1992年11月にリクルートがつくった造語で、1994年に流行語大賞で部門賞をとっているとの事です。

 

バブル崩壊開始が91年3月なので、意外と初期の段階で就職氷河期という言葉が出ていますね。

 

四流学生の就職氷河期

わたしは、予備校の代々木ゼミナールより偏差値が低いような、四流専門学校生でした。

そこで時間を潰しても、景気は上がらなかったので、わたしは就活をしないでフリーターになる事にしました。

 

2年制の専門学校では、就活は2年目にします。

他の人はスーツを着て就活を始めました。

 

ロン毛(男の長髪)が流行していた頃で、そういうチャラチャラしていたのが就活になると短髪にして、神妙な面持ちになっていました。

 

キムタクと江口洋介氏の影響で、当時の人々はまだ、テレビの影響を強く受ける世代でした。

卒業生たちの就職先は、一覧で公開される時代だったので見ましたが

 

『高校生のバイト?』

 

と思うような就職先ばかりでした。

数年前に高校でみた就職先よりも、明らかに質が落ちる会社ばかりになっていました。

 

チャラ男はロン毛を切って、就活する

 

フリーターと派遣社員

わたしは就活ゼロでフリーターになりましたが、若いというのもあって、仕事には困りませんでした。

 

その時に派遣社員という働き方を知りました。

当時の派遣は、技能を持った人が、即戦力として高めの時給で働くというものでした。

 

社会的地位が確定するのが怖い若者としては、魅力に思えました。

しかし、技能に自信がないのでフリーターのままでした。

 

当時の派遣は、今だとクラウドワーウスを使う、フリーランスというのが近いと思います。

 

時代の先端、フリーター

 

派遣社員が変わっていく

派遣社員はスペシャリストであり、数年ごとに職場を変えたい人が自分の意思で選ぶ職でした。

職場を固定されたくないという層は、一定数いました。

 

システムエンジニアの派遣がとても儲かるビジネスだとわかったら、派遣がポコポコ増えていった気がします。

 

そこから、やり方がエグい派遣が増えていったように思います。

昔は公園にバンを乗り付けて、手配師(ピンハネする)が男を集めているのを、朝の電車の中から見かけましたが、派遣会社が増えてからは手配師を見かけなくなりました。

 

これ以降の派遣社員は、ひどい扱いのイメージが強いです。

 

派遣社員の意味が変わってくる

 

氷河期中でも、春はある

二十代でフリーターを何年も続けていて、就職から逃げ続ける事に疲れ始めました。

犯罪の逃亡者と同じような心境でした。

 

誰もが経験した、恐怖の就活を20代半ばで初めてやりました。

大卒が100社くらい面接を受けて、全滅とかも聞いていました。

 

その中で10社も受けていないで入れたのが、システム関係の会社でした。

 

システム会社が入りやすい

 

すぐに辞めた

初めて入ったシステム会社は、偽装派遣に近いし上司が叫ぶので、半年くらいで辞めてしまいました。

 

それでもシステム会社の雰囲気みたいなのは残って、数社の転職を経てITベンチャーを選びました。

 

ホリエモンのオンザエッジ(ライブドアの前身)が、急に儲かる会社として出てきた頃です。

どういう会社か調べたら、サーバーを管理するだとかで、何でそんなに儲かるのか疑問でした。

 

『サーバーって、パソコンより大きくてホームページが入っているやつでしょ』

 

くらいの知識しかありませんでした。

 

よくわからないけど、ITが調子いいらしい

 

ITベンチャーにお金が流れ込む

就職氷河期は継続中でしたが、ITは右肩上がりでした。

職歴がひどくてベンチャーにしか入れなかったので選びましたが、転職後は自由で給料もすぐに上がりました。

 

当時、真面目に進路を考える人だったら、先行き不透明なベンチャーは選ばなかったと思います。

だから優秀な競争相手がいなくて、入りやすかったです。

 

転職先のベンチャーで、今度は自分が採用活動をしましたが、応募が来なくて苦労しました。

ベンチャーって横文字だからカッコいいですが、当時は殆どが零細企業みたいなものですからね。

 

誰も大企業平均以上の給料をもらえるとは、思ってもいませんでした。

 

入りやすくて給料が高い。けど人が来ない

 

 

就職氷河期に対応する能力

地球の氷河期に、哺乳類の祖先のねずみが生き残ったのは、力強さなどではなく適応力でした。

適応力なら、何とかなるような気がしませんか?

 

具体的には、失敗をしたらその原因を究明し、徹底的に直して自分のスキルアップに使います。

悔やむだけではなく、徹底的に対策を施して次に備えます。

 

そういう事をしていると、他人からの信頼感もあがります。

それが適応力となって、どこでも通用する人になれて、就活も容易になります。

 

内向的なら反省する力が強い

内向的な人はくよくよ反省する事が多いと思いますが、それが社会では武器になります。

二度同じ失敗をしないだけで、平均以上の能力です。

 

内向的な人は自信喪失型の人が多いですが、反省する力を改善で使うと、強みになります

何か一つでも能力を磨くと、それが不足している場所で稼ぐことができます。

 

正確な状況認識はムリ

当時の経済専門家や、就職課の人たちでも、正確な状況認識と的確なアドバイスはできませんでした。

 

今の時代に言われている就職氷河期の説明は、全て後付けです。

当事者としては、配られたカードで最善を尽くす以外に、何もやりようがなかったです。

 

わたしがITベンチャーに転職以降にやってこれた要因として、ひたすら個人力を高めたのが大きいです。

飲み会で人脈作りとか、そういうのは一切しませんでした。

 

そのあたりは、仕事の質を上げると自然と近いレベルの人とつながっていくので、まずは個人力を高める事をオススメします。

 

社会に出てからの勉強は、科目を自分で選べるのでそんなに苦にはならないです。