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フリーターをしていた若い頃に、リゾートホテルで住み込みのバイトを経験しました。
必要に迫られてというより、田舎暮らしの経験とスキーをしようという目的からでした。
アルバイトをしながら優雅にウィンタースポーツというのを想像していましたが、シベリアのように過酷な体験となりました・・・
リゾートホテルの住み込みバイトは、どんな暮らしなのか
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ホテルの近くに2階建ての寮があって、一つの寮に20人くらいが暮らしていました。
部屋は個室でしたが、フロ・トイレは共同です。
トイレは和式で途方にくれました。
これは最後まで慣れなくて、ズボンを全部脱いでから便器に跨っていました。
部屋は6畳でしたが、家具が何もないし押し入れの襖もないので広く感じました。
布団は冗談みたいにペラペラだったので、空き部屋から敷き布団を余分に調達してきました。
布団泥棒以外はルールを守って生活しました。
初日はテレビもない部屋で、持って行った本を読んで時間を過ごしました。
フロは別棟で、何棟かの寮で共用のもので広く、ほぼ24時間入れました。
体力を使う仕事だったので、疲労回復できるフロはありがたかったです。
リゾートホテルなので食事は美味しかった
食事はホテルの従業員食堂で、朝は前日の残り物が多く出ていました。
バイキング形式はありがたいですが、メニューは毎日似ていました。
昼・夜には、それほど豪華ではないですが、セルフで作るラーメンなどバリエーション豊かでした。
カレーはどこでもテンションが上がります。
食事に関してはリゾートホテルだったので、不満はありませんでした。
好きなだけ食べても無料というのは、人生でこの時くらいでした。
寮にも一応、共同のキッチンがありました。
しかしコンロも一口しかなく、使う人は居ませんでした。
寮の生活
洗濯機は何台かが置いてあり、空くのを見計らって洗濯をします。
掃除は当番制でしたが男が多かったので、誰も口うるさく言う人もいませんでした。
だからいつも、それなりの掃除加減でした。
寒冷地だったので、部屋にはストーブが据え付けられていました。
雪が積もると外に突き出た排気口が雪で埋まり、『ボンッ』と小さな爆発音がしてストーブが止まります。
爆発で何か壊れたのか不明なまま、雪をかき分けて再始動します。
そんな環境でしたが、すぐに適応して暮らせるもので、不便に感じる事は少なかったです。
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リゾートホテルの皿洗い
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人前に出るのが苦手だったので、アルバイトでも裏方を希望しました。
接客系は若い人が多かったですが、裏方は年配者ばかりでした。
若い人間は私の他に一人しかいなかったので、働きを期待されていました。
皿洗いと言っても、規模が大きいので巨大なコンベアー式の機械でやっていました。
食事時になると、ものすごい量の皿が回されてきて、走り回らないと新しく出す皿が足りなくなります。
皿洗いというより、産業革命の頃の工場みたいな感じでした。
若い頃でも毎日ヘトヘトだったので、今ならできるかわかりません。
洗浄の機械を通した後で皿をカゴに入れていきますが、ガラス製のものは熱を帯びていて、よく火傷をしていました。
エプロンはしますが、長靴の中まで水が入ってビショビショになりながらやっていました。
単純作業だけど時間が長い
膨大な量の流れ作業なので、とにかく単純作業の繰り返しです。
瞑想状態に入ったりして、何とかやり過ごしていました。
皿が足りなくて急ぎの方が、大変でしたがゲーム性があって気がまぎれました。
勤務時間は朝5:30頃から、23時くらいでした。
シフト制でしたが、食事の時間に合わせるので、3・4時間中抜けして早朝からラストまでやるシフトがありました。
中抜けした時に昼寝をしないと、キツくてラストまで持ちません。
8時間労働では済んだ日は、あまり記憶にありません。
途中で一人辞めて、同時に一人が長期休暇になった時は、一日17時間くらい拘束されるハメになりました。
残業代は出るのですが、休憩も削って仕事をしていたと思います。
休みは10日くらいなかった時もありました。
この状態が2ヵ月近く続いたのですが、ぬるま湯フリーターのわたしには良い経験になりました。
食事・睡眠・仕事という、密度の濃い毎日でした。
就職してからはデスクワーク中心でしたが、それがどれだけありがたい事か身に染みていました。
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住み込みのバイトの給料
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一日8時間で6000円台くらいだったと思います。
社会保険(厚生年金・保険)はありません。
当時、都内で一日一万円くらいのアルバイトを選んでやっていたので、ちょっと少ない印象です。
住居と食費と光熱費を考えると、妥当なのかも知れません。
タイムカード式で、残業はしっかりとつきますが、グロッキーになった時でも25万円くらいでした。
起きている時間はほぼ、拘束されている時もあるので、プライベートなんてあまり考えられませんでした。
明治時代の女工とかが、こういう生活なのかなと思いました。
雇う側は住居や食事を提供しているので、なるべく多く働いてもらいたいわけです。
必然的に長時間労働になります。
人手が多い部署では、普通に休みがとれていたのかも知れません。
ウィンタースポーツ目当てで来ている大学生が多くいました。
しかし、中には事情があって住み込みをせざるを得ない人もいました。
住み込みには色々な事情の人が来る
スノーボード目当てに来る大学生が多かったです。
リゾートホテル併設のスキー場が安く使えます。
冬休みの遊びという感じです。
ケガをしてバイトを休んで、スノーボードを禁止された学生も居ました。
後は離婚して家を出なければいけない人も居ます。
借金から逃げて来た人や、行く当てがないような人もいました。
わたしのやった住み込みのバイトは、休日が少なく勤務時間も長かったので、歳をとってからでは辛いです。
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アルバイトから脱走する人
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最近、退職を言い出せない人の代わりに代行する業者がいるみたいです。
当時も、退職を言い出せずに突然消える人がいました。
リゾート地で街へのバスは1時間に1本くらいです。
脱走者が出たという話を聞いてから、夜に人気のないバス停を見て感傷的な気持ちになりました。
雪がしんしんと降る中、一人でバスを待つ姿を想像していました。
わたしは、ぬるま湯につかっていた自分を戒めるために住み込みを選びました。
ここで逃げたら、一生逃げ続ける人生になると思っていました。
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リゾートホテルで住み込みのアルバイト3行まとめ
- 勤務時間は長め
- 休みは少なめ
- 期間限定ならあり