謙遜が日本の美徳でしたが、転職では常識が違います。
職務経歴書(レジュメ)を最大限に美化した人から採用されます。
皆が図々しく書いている中であなた一人だけが謙遜したら、相対的に評価が下がってしまいます。
誰も
「謙虚だから採用しよう」
という人はいません。
図々しく書くというのはほんの少し携わったプロジェクトで、中心的な人物に見えるような書き方です。
ウソを書くと言うのではなく、集合知で完成させたプロジェクトを自分視点で語る事で、自分が主導したような印象を相手に与えます。
他の人の職務経歴書(レジュメ)の盛り具合
普段は人事の仕事はしていませんでしたが、問題が起こった時にその人の採用時の資料を見ました。
すると、本人に職務経歴書(レジュメ)に書かれている通りの実績があれば、問題など起こらず対処できていたはずでした。
こういう事が何回かあり、自身がが主導したプロジェクトでなくても、中心人物のように書くケースが多い事を実感しました。
ウソではなく、盛ってるというレベルです。
退職した人のレジュメ
今の転職市場では、個人がレジュメを公開して企業がオファーする形があるので、自社に居て退職した人の分を見る事ができます。
短期間に退職した人が自社での実績として書いた事を見ると、実際は指示を受けてやっていた仕事を、自分が主体的にやっていたように書いていました。
どの業務でも指導的な役割を担っていたかのように受け取れる内容です。
自己PRはレジュメで行う
履歴書に記載されている自己PR欄が精神性のPRなら、レジュメは具体性のあるPRです。
商品のPRと同じく最高にキレイに見える角度で書けばいいし、悪く見える部分は書く必要がありません。
プロジェクトを3か月で起ち上げたものの、赤字のまま1年で終了したら、書くのはプロジェクトを3か月で起ち上げたという実績部分です。
ここをクローズアップして紆余曲折を経た苦労を乗り越え、形にしたという起ち上げ能力をアピールします。
職務経歴書(レジュメ)の添削を受けてる?
盛った内容のレジュメで目についたのが、エージェント経由で採用した人たちです。
エージェントは入社が決まると報酬が受け取れるので、求職者が採用されるように仕事をします。
多数の会社の採用の空気感を知っているので、有効なアドバイスをしていると思います。
エージェントを使えるのはハイスペックな人に限られるイメージですが、実際は一般の求人応募経由の人と変わらない人も多いです。
ここでも図々しく、エージェントを使うという選択をする人が有利になります。
会社側の対策
さすがに盛った職務経歴書(レジュメ)が多いと、会社も対策を立てなければなりません。
まるで自分のアイディアのように書かれた事では、『なぜ』『どうして』その考えに至ったのかを面接で掘り下げて真偽をはかります。
この対策は難しいものではなく、例えば
『OSのウィンドウズを作った』
という事に対する質問をされたら
「自分が使っていていちいち命令文を打つのが手間」
「多くの人に普及するためには、直感的に使用できる方が」
という理由を用意しておきます。
職務経歴書(レジュメ)通りの人間になれば問題ない
プロジェクトの末席に参加しただけの仕事を、主導的な立場のように書いていたとしても、本当にその通りの人物になれば問題ありません。
プロジェクトに参加したという事は、出来上がる過程をなぞる事ができるので、未経験なものと違って自分の経験にしやすいです。
最初にプロジェクトに参加した時は出来なかったけど、完成の経験を経て出来る人間になっていればいいのです。
数値はリアルなものを使う
レジュメの説得力が増すのは、正確な数値データです。
使いやすいのは、前年同月比〇%達成などの数字です。
他の人の頑張りの結果、グループで達成した数字でもレジュメ上では書いた人の手柄です。
転職だけは図々しくて構わない
電車で我先に乗り込んで席を確保しようとする浅ましい人が居て、『ああはなりたくない』と思います。
しかし転職の職務経歴書を盛るのが浅ましいと感じてしまうと、いつまでも席に座れない人になってしまいます。
他人を押しのけようという解釈ではなく、自分のいい所を挙げるつもりで書くと、自己肯定感が高まり
「自分にはいい会社に入る資格がある」
と思えるようになります。