面接では、上手い事を言おうとしてシミュレーションを繰り返し、当日で失敗をするパターンが多いです。
前日までに脳内で様々な想定問答をして、どんな質問がきても大丈夫なようにしますが、ふいに変な質問をされて歯車が狂ってしまいます。
あるいは、自分の良い所を全部伝えようとセリフを練り上げて、面接で壊れた再生機のように早口で一方的にまくし立てて、
『何かオタクが堰を切ったような語りみたいで怖いな・・・』
と思われて終わります。
これらの失敗は、いずれも話す内容に力を入れようとして起こる悲劇です。
自身が人の話を聞く時、何割くらい理解していますか?
初対面の人の話の内容なんて、誰もそんなに理解していません。
印象が良ければ、内容も勝手に好意的な解釈をしてくれます。
面接の質問の答え方は、印象を良くするだけでいい
自身で人と会話をして、すごく感銘を受ける事ってありますか?
素人がしゃべり一つで感銘を与える事なんて、無いといってもいいです。
上手い事を言わなきゃという強迫観念がある人は、面接のイメージを誤解しています。
雑なドラマで、就活生が面接官たちを感動させるシーンなんかがありますが、実際はそんなコトないです。
面接官が感動したとしたら、その面接官は今までの人生で、薄い四コマ漫画くらいしか読んでこなかったような人物です。
初対面の人と会話をして別れた後は、話の内容ではなく印象によって、また会いたいと思うものです。
前日に面接で話す内容を決めるとスベる
意中の女性に会う前の日に、自分がアピールできる事を必死で考える男子を想像してください。
例えば車のGT-Rを持っていたとしたら、それをアピールした流れでドライブデートにつなげようと構成を考えます。
当日何が起こるかと言うと、GT-Rのスペックを一方的にまくし立てて、女性に
(わっ、怖い 怖い)
と思われても女性のドン引きにも気が付かずに
「今度、ドライブに行きませんか?」
と誘います。
女性は、ほぼノーという意味の、3ヶ月後まで仕事がいっぱいという優しい嘘をつきます。
あまり知らない相手とは内容ではなく、受け答えの雰囲気によって人の判断をします。
感情を出し過ぎない
初対面の人が感情を露わにすると、ちょっと距離感詰め過ぎだと感じませんか?
コンビニ店員が間違えた時、頭を抱えて
「ああ~っ!」
と嘆いたら、ちょっと居心地悪くなりませんか?
冷静に
「申し訳ございません」
と一言いってやり直しをしてくれた方が、優秀な気がします。
感情を全く出さないと味気ないものになってしまうので、笑うなら知的な微笑程度が無難です。
この辺りは、商売でやっている女性アナウンサーが上手にやっているので見習いましょう。
女子アナは自分がどう見られるのか認識していて、自然と適度な表情を出せています。
面接で印象をよくする雰囲気作り
ノンバーバル・コミュニケーションとは、言葉以外で相手に伝わるメッセージの事で、表情や仕草の事です。
視線にしても、うるさい視線や圧迫感のある視線があります。
前日に決めたセリフを言おうとすると、顔までは意識がいかずに能面やバキバキに強張った顔になりがちです。
セリフなんて飛んでも構わないので、柔和と知的を織り交ぜた顔を作りましょう。
しゃべり方はゆっくり
知的に思われようと話の情報量を増やすと、すごく暑苦しい人になってしまいます。
聞かされる方はスネ夫の自慢話を聞かされているような気になり、不快になります。
あまり早口でしゃべると、相手が理解する時間がなくて、
『この人は何を言ってるんだろう?』
と、一方的にしゃべる人という印象を残してしまいます。
聞いていて心地よい速度は人によって異なると思いますが、モーガン・フリーマンの速度あたりが無難に思えます。
ひねりの効いた答えなんていらない
旧知の仲だと、ひねりの効いた答えは通用します。
それは今までのやり取りがあった上で、言葉を端折っても伝わる仲だからです。
面接でひねって爪痕を残そうとすると、意味が伝わらずにスベります。
質問に対してシンプルでストレートに返して、ちゃんと会話のキャッチボールができる人という印象を残します。
面接のマナーなんて簡単なので気にしない
面接について調べようとすると、マナーがうるさく書いてあって、面接の苦手意識を掻き立てられます。
茶道レベルの事が書いてあって、頭からつま先まで緊張状態にさせようとしています。
茶道だって本当の茶人は、美味しく飲むのがマナーと言っているんだから、リラックスして楽しむのが正解です。
面接のマナーなんて簡単で、人の家に行って行儀よくする程度の事です。
靴を脱ぎ散らかしたり、トイレにオシッコをぶちまけないとか、常識の範囲で十分です。
過度にマナーを意識して、緊張のオーラを身にまとう事が問題です。
わたしはトイレにオシッコをぶちまけて、友人の母に出禁にされた事がありますが、そのわたしでも面接は大丈夫でした。
ノックの回数なんかにこだわらない
ノックは2回だとトイレと同じなので、3回なのだそうです。
2回か3回かで合否は決まらないので、どうでもいい事です。
知ってても良いですが、こういう余計な部分に意識を割かない方が良いです。
間違って2回のノックで入ったとしても、気にしない事です。
緊張で態度がバッキバキになる事が問題で、緊張を高める事は極力避けてください。
大体、2回の方が奥ゆかしくて日本人的なので、3回の方が失礼です。
3回は借金取りのドアの叩き方と同じで、威圧感がありすぎます。
パワーワードに気を付ける
その場が一瞬で凍り付くパワーワードの失言さえしなければ大丈夫です。
どういう言葉かあげると、それを暗記しようとして面接の緊張につながるので、本質的な部分だけ話します。
パワー・ネガティブワードはどういったものかと言うと、病的に場の空気が読めない人が言う無神経な言葉の事です。
何か爪痕を残そうとか、瞬時に切り返して頭の回転が速いトコを魅せようとすると、普通の人でもパワーワードを吐いてしまいます。
面接での会話に、山場もオチもなくて大丈夫です。
面接でトガった話なんてする必要はありません。