多くの人は警備員を目にすると、大抵は立っているだけで楽そうに思います。
仕事で対人ストレスに疲れた人は、黙って立っているだけの仕事にあこがれを抱いてしまいます。
それに日本だし、警備員が格闘をするシチュエーションなど起こらないだろうという前提で、何もしないで良いというイメージです。
警備という意味では、確かに治安の良い日本ではあまり仕事がありません。
しかし、日本の警備員は受付としての役割が大きいです。
対人ストレスで疲れた人が警備バイトをすべきかどうか、実際のバイト内容を紹介します。
警備バイトはきついか楽か
警備バイトをするには、まず法定研修を30時間ほど受ける必要があります。
日数は会社によって違い、4~5日かけて研修します。
配属される現場は近場であっても、この研修期間は警備会社に通う必要があります。
内容は、運転免許更新の時に受ける講習のようなものです。
ビデオを見て、軽くお話が入るといったものです。
交通誘導のバイトも、同じく警備会社なので研修がありますが、施設警備のバイトとは内容が異なります。
警棒の実技
施設警備では、特殊警棒を使った実技もあります。
外に出て、特殊警棒の構えや打ち込み方を練習します。
研修は退屈なだけで、これといってきつい内容はありません。
しかし不思議な事に、この研修期間中のわずか数日で辞めてしまう人もいます。
この時点で業務内容を不満に思うような所がないので、働きに出ることに嫌気がさしたのでしょうか。
配属初日
研修を数日受けた後に、ようやく配置されます。
警備バイトで配属されるのは、交通費があまりかからないよう、なるべく自宅近くになりますが、自分では選べません。
配属先には待機施設があり、
大きな配属先なら二人体制という事もあるでしょうが、基本は一人体制の所が多いです。
トイレや一畳ほどの寝床があり、寝具は共用です。
土日に勤務に入った人が布団を干しますが、面倒くさがりの人が入ると干されません。
すぐに勤務が始まる
一人体制で24時間交代で勤務をします。
配属されて最初に先輩バイトに巡回ルートを教わったら、すぐに一人で勤務が始まります。
朝昼夕の決まった時間に立哨をして、通る職員に敬礼とあいさつをします。
職員の顔を覚えるのも仕事の一つです。
それから、2時間おきくらいに巡回を行います。
大抵は何もないですが、制服をして巡回する姿を見せる事で、犯罪を抑止します。
夜間も決まった時間に巡回をしますが、日中とは違って大きな懐中電灯を持って回ります。
警備バイトの受付業務
日本の警備バイトは、受付業務がメインです。
警備する施設への来訪者の対応をします。
人と会わない仕事を探している人は、ここでギャップが生まれます。
この受付は警備する施設によって異なります。
研修施設では、1週間くらい泊りでやってくる人のチェックインと説明をします。
ホテルのフロント業務のようなものです。
また、大きな出版社では千人規模の社員の顔を覚えて、顔パス対応をしないと文句を言う社員もいます。
全く人と会わないような現場もあるかも知れませんが、警備バイトに回ってくるのは施設の職員が面倒に思う受付業務が多いです。
警備バイトのつらい所
警備バイトは何かを生み出すような仕事ではありません。
効率化もできないため、給料が上がる余地が少ないです。
経験が蓄積される余地が少なく、10年目のバイトと1ヵ月のバイトの能力はそれほど変わらないので、勤続年数による給料アップもありません。
睡眠を強制的に削られる
施設には門限があり、施錠をします。
しかし宿泊者がいると、何人も門限を破って夜中にパラパラと帰ってきます。
仮眠中に対応が必要になります。
夜間の巡回の合間に仮眠があり、宿泊者がいない時は2時間くらい通して眠れますが、宿泊者がいると寝入って20分で起こされたりします。
一晩に何度も起こされるため、睡眠をした実感がありません。
待機所には目覚まし時計がありますが、これだけでは起きれないので警備会社から巡回時間前に電話がかかってきます。
電話とは別のスピーカーから、大音量で呼び出しベルがなり、応答をします。
24時間の勤務が終わった後は睡眠不足で、帰宅して寝ることになります。
警備より接客が多い
守衛は、その会社をよく知ったOBがなったりしますが、警備バイトは一業者に過ぎません。
警備する施設の職員がクライアントとなり、時には横柄な職員もいます。
また、施設の来訪者もクライアントのゲストという事で、接客対応が必要です。
その他、出入りの業者の入館チェックもあります。
立っているだけ
待ち合わせでも、ただ立っているだけというのは辛いと思います。
警備バイトは、この施設には警備員がいるという事を示すために、立哨をします。
基本的に動かないでジッとしています。
冬の寒空の中、何をするでもなく立っているだけなのは、地味に辛いです。
配属先を選べない
街中で警備員を見て、楽そうだなぁと思って警備バイトに応募しても、その施設に配属されるとは限りません。
警備会社が持っている契約先の中で、なるべく近い所に配属されますが、自分のイメージ通りになるかは運任せです。
人と会いたくないのに、応対が中心の施設に配属されるかも知れません。
配属先の中にもキツさの度合いに違いがあって、バイトがすぐに辞めてしまう大変な現場も存在します。
若いほど警備バイトは辛い
警備バイトは長時間、じっとしていなければなりません。
時間の流れは年齢によって異なります。
若いほど時間の流れは遅く感じるため、何もしない時間は苦痛です。
それは警備員に高齢者が多い事が物語っています。
警備バイトの楽な所
同じく警備員の仕事として、交通誘導がありますが、それよりは警備バイトの方が楽でした。
交通誘導は雨天次第で急に休みが決まりますが、警備は天候に左右されません。
立哨や巡回の合間に、待機施設に入ります。
窓がついていて、そこから外を監視する事になっていますが、この時に外を視線に入れつつも本を読む事はできます。
施設の休日の警備は、無人の施設にいるだけなので気楽です。
高齢でもできる
睡眠が削られますが、高齢でもできる仕事です。
特に身体を使った作業もなく、時間がくれば給料がもらえます。
70代の人も普通に働いています。
逆に若いと時間の流れが遅いため、飽きてしまいがちです。
採用に関しても法に触れるような事がなければ、大抵の人は採用されます。