スーツを着ていれば、社会人として何とかなった時代は終わりました。
仕事ぶりを雰囲気でごまかせていたのが、デジタル化が進んで成果が数値化されるようになり、スーツは単なる衣装になりました。
成果を得るのにスーツが重要でなくなった事で、
仕事服としてスーツが適しているのか?
と疑問を持つ人が増えました。
スーツを着る仕事が不人気な3つの理由
求人採用で
『服装自由』『私服勤務』
が会社の待遇のようにアピールされるようになってきました。
裏を返せばスーツを嫌う人が増えてきたという事です。
不人気の理由は
〇スーツを着る仕事は無駄が多い
〇スーツは仕事しにくい
〇合理的な選択理由がない
の三つです。
スーツを着る仕事は無駄が多い
スーツを着るのは何故でしょうか?
これは目の前の客にスーツ姿を見せて、信用を演出するためです。
つまり移動して客と会って、客が満足するまで話を聞く効率の悪い仕事です。
いくら仕事が出来ても、客の理解力や気持ち次第で仕事が成立しません。
今、稼ぎが良い仕事はこういう無駄を省いたものばかりです。
ネット回線で客とつながる仕事がある一方で、スーツを着て人が物理的に移動をして会う仕事は、音速と徒歩くらい差があります。
スーツの信用力って?
スーツに信用の意味がつくようになった背景を考えてみましょう。
恐らく、大正か昭和初期に広まった価値観かなと思います。
スーツを着ていると
▼
〇お金持ちは騙さないだろう
▼
〇信用できる人
こんな経緯ではないでしょうか。
スーツ一式を仕立てるのに、結構な金額がかかったのでステータスの意味がありました。
では、今現在スーツはいくらで買えるでしょうか?
私服一式と変わらないくらいで買えるので、財力の証明にはなりません。
ペテン師の類はスリーピースが好き
スーツの信用力が低下した一因として、信用を悪用する者が多くいる事があげられます。
うさん臭いセミナーだとか出資だとかで、経歴がよくわからない人がスリーピースのスーツを着て、成功者のフリをします。
そういう姿が動画で共有され、高そうなスーツはイヤらしい・うさん臭いというイメージがつきました。
スーツは仕事しにくい
首はキツキツに締められて、タイトなシャツにパンツ。
スーツは見栄え重視で、服としての着心地の良さは二の次です。
パソコンの前で一日作業をしたら、それだけでヘトヘトになります。
汚れにも弱いし、雨に当たれば縮んでしまったりもします。
薄での生地なので、たまにしゃがんだらバリッと避けてしまったり、作業的な動きに対して強度が低すぎます。
毎日使う服の割に気を使わないといけない部分が多く、洋服の機能としてはかなり低いです。
靴まで指定
このスーツには黒い靴だとか、スーツによって靴まで指定されます。
しかも革靴で、これもまた多湿の日本でずっと履くのはしんどいものです。
歩くと疲れるし、座っていても圧迫感があります。
靴以外にもリュックは合わないだとか、面倒な制約がいろいろとあります。
これだけわずらわしい事がくっついてくる服は、道具としてどうなんでしょうか。
合理的な人は選ばない
ITなど合理的な頭の人を集める会社ほど、服装の自由度をアピールします。
スーツは合理的思考をする人にとっては、選ぶ要素がないためです。
機能性の低さに加えて、ランニングコストも悪すぎます。
ちょっと着たらクリーニングに出さなければなりません。
スーツのシルエットは少しずつ変化をしていて、長く使うと古臭くなってしまいます。
合理的に仕事をこなせる人は、スーツで自分の見栄えをかさ上げする必要がなく、実績で勝負ができます。
彼らにとってスーツは、単に仕事がしにくい服に過ぎません。
スーツのメリット
現代人がスーツを選ぶメリットが唯一あるとしたら、服を選ぶ必要がない事です。
人が
『頭が疲れる』
と思うのは、選択の回数によってウィルパワーを消費した時です。
ウィルパワーというのは一日の上限が決まっていて、選択をする度に少しずつ消費していきます。
服を選ぶという行為でも、ウィルパワーは消費します。
スーツというパッケージ化された服なら、選択の余地は殆どありません。
着る服を考えなくて済むというのが、唯一のメリットです。