ガンガン営業をするタイプでない人には、業務改善で給料を上げる方法がオススメです。
ガンガン行かない人だからこそ得意なのが、物事を観察してフローを変更する改善です。
業務改善というと、ものすごく難しいような印象がありますが、そうでもありません。
工場の事例で共用の工具が所定の場所に戻らないので、毎回使う人が困っていたそうです。
置き場に各工具のシルエットの絵を描くようにして、どこに何の工具を戻せばいいのか一目瞭然にしたら解決しました。
この程度の改善でも、年間で考えれば工具を探す時間を大きく減らせます。
業務改善で効率を上げると給料も上がる
当たり前ですが、給料を上げるためには利益を増やさなければなりません。
利益を増やすには二つの方法があって、売り上げを増やすか費用を減らすかです。
業務改善は、費用を減らす方のテクニックです。
3人で60万円の利益の仕事をしていたら、一人当たり20万円ずつ受け取れます。
同じ仕事を業務改善によって2人でこなせば、一人当たり30万円を受け取る事ができます。
業務改善は地味なイメージがありますが、利益を上げるという意味では、売り上げを増やすのと同等以上の効果があります。
売り上げを伸ばすために販売量を増やすと、関連する業務が増えて4人に増員しなければならなくなります。
そうなると、一人当たりの利益は変わりません。
業務改善は売り上げはそのままでも、利益が上がります。
体質的に黒字が生まれやすい会社になるので、給料も上がりやすいです。
業務改善の具体的な方法
まず最初に現場の状況を観察します。
橋の上から川の流れを見て、どこに渦が巻いているのかや、分岐しているポイントを見るのに似ています。
そこで問題になった箇所を、近くに行って詳細に観察し、原因を特定します。
渦が巻くのは特定の石のせいとか、川岸のでっぱりだとか。
原因が分かったら、それを除去します。
業務改善もこれと同じで、問題を俯瞰・クローズアップをして見ます。
問題個所を知るためには、現場からのヒアリングではなく、自らが現場目線で観察をします。
出来れば作業を体験して、起こりえる状況を多く体感した方がいいです。
現場に問題点を聞くのは間違いです。
彼らは俯瞰してものを見る目を持っていない事が殆どだからです。
それは、長年その業務に従事していて、改善を思いつかない事が物語っています。
不平不満に近い事をを聞いて、それに基づいて改善策を作っても効率は上がりません。
ヒアリングをするとしたら、どのような作業をしているのかくらいです。
その作業もヒアリングより、自分で観察した方が気づきが多いです。
『現場に意見を聞く』というのは、規模が大きくて強権的な会社への戒めの言葉みたいなものです。
現代ではあまり残っていない会社なので、現場を自分で体感した方が正確に問題を把握できます。
問題を見つけたら、楽な作業に変えるだけ
効率が悪い仕事は、手がかかる無駄な作業が多いので、楽な方法に変えるだけです。
基本的には、データベースの考え方が応用範囲が広いです。
データベースという言葉が出ると難しい印象になりますが、コンビニのレジと同じと考えれば簡単に感じないでしょうか?
レジでは、商品のバーコードをピッと読み取れば、金額計算から商品管理まで全てが終わります。
商品管理データは、どの商品を置けば売れるのかなどに使われます。
コンビニの限られたスペースに、多くの客が必要とするものが置いてあるのは商品管理をしているからです。
この商品管理のデータ作成を、レジでの接客のついでに行っています。
多くの会社ではこういうシチュエーションで、レジと商品管理で別々に作業を行います。
『ついで』という、二つを一緒にこなす考え方が出来ない人が多いです。
レジならレジ作業を、商品管理なら商品管理をといった具合に、多くの人は単純な作業を好みます。
改善で二回の作業が必要なところをを、一回で終わらせようと考える人は少ないです。
希少性があるので、改善できる人の給料は上がりやすいです。
業務改善に失敗するポイント
業務改善では、現状の認識が重要です。
そこで民主的に、現場の人の意見を多く取り入れようとすると失敗します。
特にひどいのは、現場の人に
「どこが問題ですか?」
と、直接聞く事です。
何が問題なのかわかっていないから、改善ができない人に聞いても答えられるわけがありません。
聞かれた人は無理に答えますが、大体は効率と無関係な事だったりします。
それに振り回されると、改善は失敗します。
現場でも聞くに値する意見を言える人は、ごくわずかです。
そういう人を見極めるのがポイントです。
現場の人に聞くのは、普段の作業でしている事
現場の人は問題を正確に認識しておらず、作業が大変だという感情的な言葉が多く聞かれます。
普段の作業をこなすタイプの人と、物事を改善するタイプの人は、人間の性質が違います。
だから物事を改善するタイプの人が、現場の作業を体感して新しい仕事方法を考えます。
改善できる人は論理と発想に加えて、変える勇気が必要です。
変える勇気がないと、誰にも叱られないようにするため、フローの中に何度も承認作業を入れて、全然使えないものができあがります。
実地で感じたのは、勉強で身につくような事ではなく、元からの人間の性質によると思います。
わたしは給料が上がったので、向いていたと思います。
反面、バイトで臨機応変な対応が必要な場面とかは苦手でした。
業務改善をすると反発を受ける
業務改善をすると作業が楽になって、皆が喜ぶと思いがちです。
しかし、実際は作業方法の変更に対して反発する人が必ず出てきます。
人は効率より、慣れた方法を好みます。
それに、どんなに時間がかかっても、頭をカラッポにしてできる単純作業を好む人もいます。
頭をカラッポにして7時間働いて、明日も同じ作業をするのが安心する人です。
そういう人は7時間の作業を効率化で30分にされてしまうと、困ってしまうので、反発をします。
単純作業を好む人は感情優位なタイプが多いので、感情的に反発をしてきます。
せっかく改善方法を考えても、根回しが足りずに反発を受けると頓挫してしまいます。
反発を受けない方法
他の人からお願いされるようになるまで待つと、反発を受けにくいです。
お願いされるまでは、自分の手持ちの業務だけで密かに改善を行います。
他の人より仕事が速くなれば、生産性の高さが目立ちます。
普通の会社なら、その方法を他の人にも広めるよう、指導をお願いしてきます。
更に出世をして、業務命令として改善を命令できるようになれば、やりやすくなります。
改善は、なるべく多くの人に関わる部分を行った方が、全体の生産性は上がります。
改善した人は、全体の成果を他の人より多く受け取る権利があります。
業務改善は理屈より実践
業務改善の方法を調べると、すごく難しい理屈が書いてあります。
専門用語の羅列で、その意味を追うだけで疲れてしまいます。
様々な会社の改善は、こういう用語がない頃にはじまっています。
業務改善の能力向上は現場での実践しかありません。
改善とは、楽で的確になるよう仕事を変えるだけです。
用語でデキる人と思われるより、実践で本当にデキる人になってください。
業務改善を生業にしている人にとって、そういう演出も仕事のうちです。
業務改善をしたことがなくて、想像がつかない人にはオススメの映画があります。
この映画は、マクドナルドがまだ無名の頃から始まる物語です。
この中で、ハンバーガー店のマクドナルド兄弟は、テニスコートに厨房の配置図をチョークで書いて従業員を動かします。
どこでフローの衝突が起こるのかや、ミスが発生するポイントなどをシミュレートします。
「トニー、ピクルスが抜けたぞ」
とか、テニスコートで真面目にやっています。
その結果を店の厨房の配置に反映させ、実践して不具合があればまた改善をしていきます。
こうして、効率的な店を作っていきました。
この作業工程は、あらゆる仕事に応用ができます。
わたしはトヨタやセブンイレブンを改善の参考にし、IT系の仕事に応用しました。
給料が倍になっても仕事量も倍になるような事はありませんでした。
個人的に、給料を上げる方法で一番楽だったのは業務改善です。