最近、厚労省の統計調査が手抜きしていたというニュースが出ました。
そこから他の省庁の基幹統計も、手抜きが発覚しました。
馴染みがない人には、いまいちピンとこないかも知れません。
仕事をしていくと、いつかあなたも関わる事になるかも知れません。
これ、面倒くさいです。
面倒な基幹統計など政府系調査
国にとって重要な指標となる統計の事です。
どんな分野が伸びているだとか、一人いくらくらいの給料をもらっているのかなど。
一般家庭に送られてくる国勢調査票がありますが、あんなような感じのものが色々な省庁から送りつけられます。
調査票と、記入方法の冊子が同封されていて、そこに書き書きするかWEBにシコシコ入力します。
経済構造統計とか法人企業統計とか経済産業省企業活動基本統計などなど。
調査のネーミング勝負で、いかに尊大な調査であるのかをアピールしています。
しかも回答は義務になっていて、無視すると罰則があります。
罰則の前に、鬼電で催促が続きます。
この催促は、怒られ要員として民間に委託していたりするので、議論しても仕方ないです。
仕事のふっかけ方が、サービス残業・パワハラのレベルです。
基幹統計の何が面倒なのか?
国に限らず、一般の会社も数値データを活用している時代なので、国が調査をやるのは理解できます。
ただ業務効率がすごく悪くて、それに付き合わされるのが面倒なところです。
基幹統計以外にも細かな調査票が送られてきますが、義務ではないものは無視します。
各省庁が似たような調査票を送ってくる
似たような調査票が各省庁から送られてくるのが面倒です。
それに、税務申告で手間やコストをかけて作った数字を提出済みなので、それを使ってほしいです。
しかし、各省庁の仲が悪いとかで、バラバラに似たような調査を依頼してきます。
納税と重複業務を課せられる一般の人は、何に付き合わされているのでしょうか?
「残業を減らそう! 働き方改革だ!
けど、通常業務が終わったらこの調査票を記入してね」
という矛盾した義務を課せられています。
考えつく、最も手間のかかる方法で調査票は作られています。
他の調査票で答えたのに、別の調査票にも同じ項目が載っています。
この繰り返しは、干した洗濯物を落として、もう一回洗う気持ちに似ています。
データの扱い方がひどい
データは、一回の入力で様々な抽出(集計)をして作るのが基本です。
データの扱いで参考になるのはコンビニです。
例えばレトルトの豚肉の生姜焼きを売り上げたとします。
レジで客の性別・年齢層を入れて、商品のバーコードでピッとします。
これでデータの入力は終わりです。
入力されたデータを様々な視点で見られるように加工します。
レトルト食品の売り上げで見る時や、豚や牛の売り上げを見る場合。
性別で総菜か弁当のどちらを購入しているのかなどを抽出(集計)できます。
レジで時間がかからないよう、必要最小限の入力にしています。
これに対して政府系の調査は、豚肉の売り上げを知りたいから書いてください。
別の調査で、総菜の売り上げを知りたいので書いてください。
と、何度も回答を求めてきます。
会社の業務分析用に使っている数字と、調査票は違うため、わざわざ計算しなおす必要があります。
普通の会社でも、データを集めてグラフを作る部分に手間暇をかける人がいます。
それで出来上がったデータは、グラフの色使いはいいけど、データ集計の切り口がぼんやりとしています。
民間の調査会社を使うので催促がしつこい
一回答いくらで発注しているのか知りませんが、お金が発生するので業者もしつこいです。
調査票催促の電話が何度もかかってきて、義務だと言われます。
調査の中には、基幹調査ではないので断れるものもあります。
その場合、民間の調査会社は減収になるので、電話口で不機嫌な態度をとる事があります。
こういう態度がさらに疲れます。
一回答あたり、いくら税金が支払われているのだろう。
それも似たような調査に。
天下りの不信感まで湧いて、調査票を書くのが更におっくうになります。
数字を活用してくれたらいいのですが、報われた気がしないです。
どの調査票を見て、民間企業の月末にプレミアムフライデーを持ってきたのでしょうか。
ここ最近、政権に関わらず政府主導の経済政策で何か上手くいったような気がしないのですが。
民間企業が上手くやった後に、後乗っかりで手柄を取ろうとするのが目につきます。
クールジャパンとかが良い例です。
民間企業にも、勝ち馬にシレっと乗っかって自分の手柄にしようとする人はいます。
まともな会社なら白眼視されるので、こういうのはもうやめてほしいです。
民間の調査会社を無視し続けた結果
民間の調査会社が、信用調査のアポを入れてきました。
調査会社や格付け会社の適当さや、彼らのサジ加減に左右されるのが理不尽なので無視し続けました。
電話の受付代行を使っていましたが、調査会社の人が代行の人に向かってキレていて、ますます不信感を募らせました。
政府系調査も、こういう人たちを養うためにやっているのかと思うと、余計に面倒に感じます。
厚労省の担当者も可哀そう
今回、厚労省の作業担当が政治家にも責められていますが、ちょっと可哀そうに思います。
決してバカな人たちではないのに、業務の効率化を禁止されてしまっています。
効率的にしたら、どこぞが潤うお金が減ってしまうからです。
非効率な調査は統計作業に至るまで人手がかかりますが、省庁でもその人手が足りません。
データの改ざんは、仕事の達成感もなく不毛でつまらない業務だったと思います。
一番の損失は、基本スペックが高めの人たちを浪費している事にあります。
民間企業で実践的・効率的なデータ解析を知れば、頼りになる社員になると思います。
非効率な仕事に我慢したのは、終身雇用を求めてだと思います。
今回の件で、我慢した上に懲戒を受けるのは気の毒に思います。
現場レベルで業務改善はできない問題です。
不正しながらも国家運営できていたのだから、この際、無駄な調査はどんどん減らしてください。
日本は役人のワイロは少ないにしても、合法的に潤う機構は発達していると思います。
その頭を多くの人の利益に使ってほしいです。