リタイアしてから現役時代を振り返って、一番の無駄使いは何だったのかを考えました。
家を買って住まない内に売って差額マイナス300万円。
車を買って乗らな過ぎてバッテリー上がってすぐ売って、マイナス数十万円。
ただこれらは人生のイベント消化の経験になったし、色々といい勉強になったので無駄には感じません。
最も無駄な買い物は
『服』です。
服のせいで早期リタイアが遅れる理由
早期リタイアをしてから着ない洋服が多くて、殆どが無駄になっています。
単純に無駄な出費でリタイアが遅れたのではなく、無駄な服の量が判断力を鈍らせていたのでリタイアが遅れました。
クローゼットに山のように溜まった服は、何があるかもわからなかったです。
物が沢山あって幸せというのは、物のない時代の価値観です。
選択肢が多い状態というのは、人の精神を疲弊させます。
アップルのスティーブジョブズはいつも黒のタートルネックを着ていましたが、あれは判断力を服選びで浪費したくなかったからです。
人が一日の内に、判断などで消費するウィルパワーの量は決まっていて、無駄に使うと夕方にはグダグダになってしまいます。
リタイアすると、着ない服ばかりになる
リタイアしてから一度も袖を通していない服が沢山あります。
元々IT系だったのでスーツは着なくて良かったのですが、日中に出歩く時は体裁を整えるためにベストをよく使っていました。
20代の頃の無職時代のコンプレックスを引きずっていて、平日の昼間にTシャツで歩くと無職に見られそうだから、シャツとベストを多用していました。
ジャケットより取扱が楽だし、頭が良く見えそうじゃないですか?(この発想が頭悪いですが)
けど、この中途半端なアイテムはリタイアをしたら、どこにも着ていく場所がなくなりました。
私服にしてはキザだし、オフィスに行く事は無いし。
中には2万円近くするベストもありますが、全く着ていません。
トンがったデザインの服は買わない方がいい
私服も油断ならないです。
特に服はその時にカッコいいと思った服は、すぐに陳腐化してしまいます。
あるブランドのパーカーを買いましたが、トンがり過ぎていて今は全く使っていません。
というか買ってからも高めの服なので気を使ってしまい、汗をかきそうな時は使わなかったりで、あまり着ませんでした。
マンションの目の前のコンビニに行く時に着たくらいです。
男女共にトンがった服って、黒歴史みたいなものじゃないですか?
クローゼットを開ける度に後悔します。
リタイア後に着る服
リタイアをするとすべてが自由です。
そうなって気が付いたのが、今までの洋服は自分が着たいものではなく、他人に見せるためのアイテムだったという事です。
スーツがその最たるものですが、誰にもアピールする必要がない早期リタイア者は、完全に自分が着たい服を着れます。
わたしの場合は自由に選んだら、登山用の服を多用するようになりました。
登山用の服が最適な理由
登山用の服は最も動きやすく、洗濯も容易です。
例えばこれはArc’teryxというメーカーのソフトシェルジャケットですが、
ゴアテックスの生地で雨と風を防いでくれます。
ゴアテックスは内側の湿気を外に出してくれる機能がありますが、それでも暑い時にはわきの下にジッパーがついていて、大きく開ける事ができます。
カッパと同じように使えますが、それよりもはるかに機能的です。
パンツに関しても登山用の服は伸縮性が高くて、動きがキツいと感じた事はありません。
最近は作業服店で安いものが売っていますが、形は似ていても生地を触ると違いがわかります。
登山用の服は高いと思われがちですが、過酷な環境で何年も使えるように作ってあるので、耐用年数は長めです。
国産のパンツ
家を買った時のご近所あいさつ回りとか、たまに人目を気にするシチュエーションがあります。
そういう時のために、普通のパンツも持っています。
ユニクロでもいいと思いますが、わたしは岡山の工場がやっている店からネットで買っています。
上がユニクロで下が岡山の店のものです。
縫い目が三重でしっかりしている上、立体縫製でシルエットがキレイです。
服なんて黄ばんでなければいい
人目を気にしないでいい時なら、服は黄ばんさえいなければ何でもいいのではないでしょうか?
流行色とか形を追うと、すぐに陳腐化してしまいます。
オーソドックスなデザインで生地だけよければ、上品な雰囲気で長く着られます。
昔のイギリスでは、ジャケットが擦り切れてもパッチをあてて長く使っていました。
最初からヒジの部分にパッチがあてられたジャケットがありますが、機能性を追求すればそれがデザインになります。
服も一時の流行物より、結局は定番の服を多用するようになります。
今すぐ余計な服の購入はやめるべきです。
皿だって凝ったものより、結局は白くて丸い皿を多用しませんか?
わたしはラグビーボールみたいなカレー皿を買いましたが、すぐに使わなくなりました。
服は量ではなく質
わたしは現役時代、お金に対する執着心を持とうと思って服をブランド品にしたことがあります。
なので断捨離する時に、何着か捨てるのをためらってしまいました。
捨てられなかったダウンジャケットは、クローゼットで場所を取るだけになっています。
1万円くらいのブランドのTシャツを通販で買って、さぞ丈夫だろうと思ったら極限まで薄いTシャツでした。
高い=厚くて丈夫 というのは貧乏な発想で、高いTシャツは薄ければ薄いほどいいみたいです。
こういう無駄な買い物を繰り返した中で、中には質の高い物の良さを知る事ができました。
太らないためのモチベーション
礼服は採寸して作ったので、これを作り直すのはかなり面倒です。
他の服に関しても買い直すとしたら、かなりの額になります。
この手間とお金が、リタイア後にも太らないモチベーションになっています。
コロナで登山自粛の時は、重りをつめたザックを背負って近くの公園に行ったりしましたが、
『何でこんな事をしているんだろう?』
と思っていました。
だから服を買い直さないためという明確な目標が必要でした。
いい物は長持ちする
これはトリッカーズというイギリスの靴ですが、わたしが持っているものは15年以上使っています。
8万円以上しましたが、耐用年数を考えると高い物ではないです。
それに質がいいものは経年劣化するのではなく、味が出てきてより良くなっていきます。
この靴は足に馴染むまで時間がかかりましたが、馴染んでからはすごく歩きやすくて機能面からも気に入っています。
一番ムダだったのはスーツ
一度だけブランドのスーツを買った事がありますが、豪雨の日に駅から自転車で帰ったら、傘を持っていた方の袖が縮んでしまいました。
それからはウォッシャブルスーツ(家で選択できる)のみにしましたが、これさえもムダな買い物でした。
スーツが影響するのは、高級品の販売員みたいな仕事でしょうか?
わたしはそういう対面の仕事にあまり就かなかったので、高いスーツは無駄な買い物でした。
腕時計もムダだった
腕時計も人にチラ見せするアイテムだと思います。
売買不動産の営業が高級品をつけていましたが、簡単な仕事も忘れるので
『ガワだけ取り繕ってる』
印象を受けて、カッコ悪いアイテムだと思うようになってしまいました。
いたるところに時計がある現代、腕時計はアクセサリーのバングルみたいなものになっています。
海外ブランドの腕時計を持っていましたが、ゼンマイを回さないとで毎日の道具としては不便でした。
今はソーラー電波時計の腕時計にしていますが、それさえもあまりつけません。
投資用に海外ブランドの腕時計を買おうかとも思いましたが、腕時計を付けない若者が増えてきているのでやめました。