人間はリタイアしても仕事っぽいことをしていた方が安定するので、わたしはマイペースで出来る執筆を匿名で始めました。
数年経って本がベストセラーになっても、静かで平穏な暮らしは変わらないので、匿名の判断はわたしには正解でした。
実名だと身が持たない
わたしは小さな物音にも警戒するくらい臆病なので、危惧することは一つでも減らしたいです。
以前にあった強盗殺人で、被害者が居酒屋などでジュラルミンケースに入れた、”1億円”の札束を見せびらかしていたのがキッカケという事件がありました。
犯人グループに家を特定されて命を奪われましたが、1億円の札束は上だけが本物で、後はただの紙で実際は10万円しかありませんでした。
ネットで闇バイトを募集する現在なら、リスクはもっと上がっていると思います。
せっかくリタイアしたのに、いつも気を張っていなければならないのはしんどいので、わたしは匿名を選びました。
名を売るより経験を書くべきと思った
わたしは芸能人でも作家でもなく、基本は配当金をベーシックインカムにして暮らす無職なので、名前を売る必要はありません。
一度カルチャーセンターみたいなところから講演の依頼がありましたが、わたしにはリスクでしかないので断りました。
匿名にして墓場まで持って行くような経験を書いた方が、かつてのわたしのように人生に迷っている方の役に立つと考えました。
匿名だとカッコつける必要もないし、自分の失敗を書くことで過去が報われた気がします。
どうやっても恨む人はいる
本やブログに失敗は挽回できるという経験談を書いてるのに、主旨を無視して「ひどい目にあったのは自動自得だ」と、レビューで怒りをぶつけられます。
あるいは交友関係は広くないと書けば、「誰ともしゃべれないのが本物の内向型だ」などと、すごい長文で説教されたりします。
ネットは便利な反面、深い闇の世界ともつながっているので、どうやっても誰かに恨まれます。
こういう時に匿名というのは心を守る壁になります。
自宅の写真は載せない
自宅の窓から見える風景から家を特定される例がありますが、わたしはドアやカーテンなど、家の中も映らないようにしています。
自分でもパラノイア(偏執病)一歩手前かもと思いますが、ネットの時代はこれくらい用心した方が無難です。
マイナーな会社からブログに広告の依頼が来ることがありますが、住所や名前を教える必要があるので、これも断っています。
せっかく自由なリタイアを選んだので、顔と名前は出さずに気ままに暮らします。
顔まで晒す人
優れた容姿というのは、理屈ぬきで説得力があるのだと思います。
一回のダンスでバズるなど、有名になりたい人にはメリットが大きいです。
情報開示は知り合いが増えるほどパワーアップする、外向型の人の分野だと思います。
匿名は信用を得るまで時間がかかる
わたしがブログを始めた当初は、匿名な上にフリーのイラストを使っていたので、信用されにくかったと思います。
内容に関しても大勢の人の耳目を集めるようなものではありませんでした。
わたしの経歴はギュッと凝縮すると波乱万丈に見えますが、一つ一つのエピソードは『ハローワークの空気がどんよりしていた』など地味です。
株の話も売買で大儲けとかではなく、配当金マシーンをコツコツ作るという、ビンの中に帆船の模型を作るような内容です。
それでもスタイルを変えずに執筆を続けていたら、急に本が売れるようになりました。
これからも採算性を考えずに時間をかけて、自分の経験を書いていきたいと思います。